受動的な楽しみと能動的な楽しみの違い

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口です。

    インターネットやスマートフォンが普及したことで、スマホで動画やゲームを楽しみ、SNSで気の合う仲間と会話を楽しめるようになりました。

    私たちの毎日は楽しいことで溢れています。

    ところで、あなたは毎日を心から楽しいと感じられていますか?

    「なんとなく楽しいのだけど、心から楽しいと感じられることが見つけられない」と思われていませんか?

    実は、私たちの楽しみにには2種類あります。

    ひとつが、外から与えられる受動的な楽しみ。

    もうひとつが、心の中から涌き起こる能動的な楽しみです。

    そして、毎日を心から楽しむコツは、能動的な楽しみ方をするように意識することです。

    今日は「受動的な楽しみと能動的な楽しみの違い」について書いていきます。

    目次

    受動的な楽しみとは

    受動的な楽しみとは、外側から与えられる楽しみ。

    スマホゲームなどが受動的な楽しみになります。

    インターネットとスマートフォンが普及したことで、いつでもどこでも動画やゲームを楽しめるようになり、SNSで誰とでもつながれるようになりました。

    電車の車内を見渡すと、スマホを操作している人がほとんどで、新聞や本を読んでいる人はごくわずかです。

    スマホは移動時間やすき間時間を楽しむにはちょうど良いアイテムです。

    しかし、その反面、スマホ依存症でスマホを手放せない人が増えています。

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    移動時間やすき間時間に使っていたはずのスマホが、いつの間にか1日の大半を占めてしまう。

    では、なぜスマホが1日の大半を占めてしまうのでしょうか。

    それは、スマホが受動的な楽しみだからです。

    受動的な楽しみは、すぐに楽しい感情を得ることができます。

    スマホゲームや動画閲覧などは無料で簡単に楽しむことができ、SNSは友人が投稿した写真を見たり、メッセージを交わしたりして、いつでも楽しむことができます。

    もちろん、明確な目的を持ち、それらを心から楽しめているのであれば、まったく問題ありません。

    しかし、暇だから、心から楽しいことがないからとスマホでゲームをして、ゲームを終えたあとに虚しさを感じたり、人のSNSを見て自分に寂しさを感じたりするのは、受動的な楽しみ方だからです。

    受動的な楽しみは、楽しい刺激はあるけれど、心からの楽しみがありません。

    それどころか、受動的な楽しみは、より強い楽しみを求めて依存的になる傾向性があるため、最後は「楽しい」とも感じられていないのに、やめることができなくなります。

    スマホは、自由に楽しめる便利なアイテムです。

    しかし、自由に楽しめるアイテムだからこそ、使う側が意志と目的を持っていないと、スマホに使われるようになってしまいます。

    能動的な楽しみとは

    能動的な楽しみとは、心から涌き起こる楽しみです。

    能動的な楽しみには”心から感じる楽しみ”と”新しいことにチャレンジする”の2種類があります。

    ひとつ目の”心から感じる楽しみ”は、読書などの心から感じる楽しみです。

    読書は文章を読むのが面倒で、読み終わるのにも時間がかかります。よって、スマホと本が置いてあったら、スマホを手に取りたくなる気持ちもわかります。

    しかし、読書の楽しみは、ストーリーに共感したり内的気づきを得たりすることができるところ。

    同じ本を読んでも、一人ひとり感じ得るポイントが違います。それは、一人ひとりの心が求めていることが違うからです。

    スマホゲームのような誰かによって設計された楽しみではなく、自分の知らなかったことを知ること、内面に気づくことが心から感じる楽しみです。

    二つ目の”新しいことにチャレンジする”楽しみは、達成感や充足感を味わう楽しみです。

    畑に「かぶ」と「大根」が育っているとします。

    幼稚園~低学年の子ども達に「好きな方を1本抜いていいよ」と声をかけると、必ず「大根」を抜こうとします。

    なぜ、子どもは「かぶ」ではなく「大根」を抜こうとするのでしょうか?

    それは、簡単な「かぶ」よりも難しい「大根」を抜いたの方が楽しいからです。

    また、子どもは難しい大根を抜けたときに大きな達成感を味わえることを知っているからです。

    チャレンジすることで感じられる達成感や充足感が能動的な楽しみです。

    ちなみに、大人に「かぶと大根の好きな方を1本抜いていいよ」と声をかけると、必ず「かぶ」を抜きます。

    それは「かぶ」を選んだ方が楽で失敗しないことを知っているからです。その反面、子どものような笑顔にはなれませんが・・・。

    人生の能動的な楽しみ方

    楽しみ方には、受動的と能動的の2種類があります。

    受動的な楽しみは、すぐに楽しい感情を得られる反面、刺激も強いため依存性があります。

    能動的な楽しみは、最初は「苦しい・難しい」と感じる反面、続けることで内面的な楽しみを感じられ達成感や満足感を味わえます。

    もし、いま「生きていてつまらない」「人生が虚しい」と思っている人は、自分の安心環境(コンフォートゾーン)の中で受動的な楽しみしかしていない可能性があります。

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    人生を楽しむには、心(意識)を能動的な楽しみに向ける必要があります。

    みなさんは旅行を楽しいと感じますか?

    きっと、多くの人は「楽しい」と感じると思います。

    旅行は、自分が知らない世界へチャレンジする能動的な楽しみです。

    では、なぜ多くの人が旅行を楽しいと感じられるのでしょうか?

    それは、まだ見たことがない美しい景色を観ること、日本と異なる文化の世界にいくこと、自分とは違う価値観の人とコミュニケーションを交わすことなど、自分が知らないことを知ることができるからです。

    そして、新しいことを知ったときや気づきを得たときに、心は「楽しい」と感じるからです。

    そう考えると、私たちの心には「知らないことを知ること」すなわち「知らない自分を知ること」を「楽しい」と感じるような仕組みがあると言っていいでしょう。

    みなさんが映画を見るとき、スマホの冒険ゲームに夢中になっている主人公と、主人公自身が冒険に出る映画のどちらを見たいと思いますか?

    きっと、後者ではないでしょうか。

    私たち一人ひとりが自分の人生の主人公です。

    だからこそ、誰かによって与えられる受動的な楽しみよりも、自分自身の行動によって与えられる能動的な楽しみを増やしていきましょう。

    まとめ

    スマホが普及したおかげで、私たちはいつでもどこでも楽しめるようになりました。

    しかし、楽(らく)であることと楽しいことは違います。

    自分の安心領域(コンフォートゾーン)に留まっているときは安心で楽(らく)ですが、安心領域に留まりながら楽しいことを求めると、受動的な楽しみしかなく、心から楽しいと感じることや達成感や充足感を得ることができません。

    人間の人生には限りがあります。

    その限られた時間のなかで、スマホゲームの主人公を育てるか、それとも自分自身が人生の主人公となり、自分自身を育てるのか?

    楽しいことが溢れる時代だからこそ、心から感じられる本当の楽しみを大切にしたいものです。

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