みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口です。
よく、人の度量や人間性を表現するときに「人間の器」や「心の器」という言葉を使いますが、この「器」とはどんな「器」なのでしょうか?
諸説はいろいろあると思いますが、私はコンフォートゾーン(安心領域)の大きさが「心の器の大きさ」だと考えています。
今回は、コンフォートゾーンと器の関係性と「心の器を大きくする6ステップ」について書いていきたいと思います。
心の器が大きい人と小さい人の違い
いきなりですが質問です。
人の度量を表すときに「人間の器」や「心の器」という言葉を使いますが「器が大きい人」はどんなイメージがありますか?
逆に、「器が小さい人」はどんなイメージがありますか?
きっと下記のようなイメージになるのではないでしょうか。
心の器が大きい人の特徴
- どっしりと安定感がある人
- ゆとりがある、度量がある人
- 受け入れられる人
- 信頼できる人
心の器が小さい人の特徴
- ビクビクと不安定な人
- 直ぐに感情的になる人
- いつも誰かのせいにする人(受け入れない人)
- 信頼できない人
きっと、あなたの周りにも「器が大きい人」と「器が小さい人」がいると思います。
でも、この目にはみえない「器」は、いったいどんな器なのでしょうか?
そして、自分の心の器を大きくしていくためには、どうすればいいのでしょうか?
コンフォートゾーンとは心の器の広さ
前回のブログの復習です。人間には目にはみえない3つのゾーンがあります。
そして、3つの領域には以下の特徴があります。
上記を理解したうえで、コンフォートゾーンが広い人と狭い人の違いを見てみます。
・コンフォートゾーンが広い人
・コンフォートゾーンが狭い人
例えば、あなたの会社に「コンフォートゾーンが広い上司」と「コンフォートゾーンが狭い上司」がいます。そして、この上司に同じような「出来事A」が起きたとします。
コンフォートゾーンが広い上司は、コンフォートゾーンもしくはラーニングゾーンで対処できるため、出来事を受け入れたうえで、落ち着いて何かを考えることができます。
一方、コンフォートゾーンが狭い上司は、パニックゾーンで対処することになるため、出来事を受け入れることができず、感情的になり周りに怒りをぶちまけたり、自己正当化をするために出来事の原因を誰かのせいにしたりします。
もしかしたら、あなたの周りにも「コンフォートゾーンが狭い上司」がいませんか?
コンフォートゾーンが広い人ほど出来事を受容することができ、コンフォートゾーンが狭い人ほど、出来事を受け入れることができず、感情的になり自己正当化をしようとします。
このことから、コンフォートゾーンとは「心の器の大きさ」、物事を受け止める・受け入れる幅とも考えることができます。
心の器が大きくなれば気にならなくなる
もし、あなたの周りに「心の器」が小さい人がいたとしても、あなたがその人の「心の器」を大きくすることはできません。
なぜならば、自分の心の器は自分で広げていくしかないからです。
大事なことは、相手の心の器をどうにかしようとするのではなく、あなた自身が自分の心の器を大きくさせていきたいかどうかです。
例えば、あなたの周りに自分のパニックゾーンに属する嫌な人がいるとします。自分のパニックゾーンに属する人なので、今はその人を受け入れることができません。
このとき、あなたはこの人から逃げることもできます。もちろん、状況に応じてはそれも必用です。
しかし、いつまでも逃げ続けていたのでは、あなたのコンフォートゾーンは大きくなりません。
コンフォートゾーンが大きくならないと、また別なところでパニックゾーンに属する嫌いな人に出会ってしまうものです。
しかし、今回は嫌いな人から逃げるのではなく、これを心の成長の機会として「心の器」を大きくしたらどうなるでしょうか?
心の器が大きくなれば、相対的にラーニングゾーンもパニックゾーンも広がっていきます。
心が大きく広がればパニックゾーンにいた人はラーニングゾーンに入ってきます。
更に心が広がれば、ラーニングゾーンからコンフォートゾーンまで入ってきます。嫌いだった人が自分のコンフォートゾーンにまで入ってくれば、もう、その人のことなんて気にもなりません。
なぜならば、コンフォートゾーンではその人を普通に受け入れることができるからです。
心の器を大きくする6ステップ
それでは、自分の心の器を広げていくにはどうすればいいのでしょうか?
今回は「仕事で大きなミスをした」という事例のもとに、心の器を大きくする6ステップをご紹介します。
Step1:まずは出来事を認める
まず、心の器を大きくするには、自分のコンフォートゾーン外での出来事(問題・試練)が必用です。例えば、「いつもの仕事で大きなミスをしてしまった」などです。
そのうえで、心の器を大きくしていくときに1番大事なことが「まずは出来事を認める」ことです。
拒絶したいような出来事が起きたとき、心はその出来事を心の外へ排除しようとします。
例えば、仕事で大きなミスをしてしまったとき、そのミスの原因を自分以外の誰かや何かのせいにしたくなります。誰だってそういう気持ちになるものです。
しかし、このときに「誰かのせいにしたい気持ち」をグッとこらえて、自分がミスをしてしまった出来事を素直に認めることです。
もちろん、ミスを素直に認めることは簡単なことではありませんが、心の器を大きくするためには、起きた出来事を否定するのではなく出来事を素直に認めることが最初の1歩です。
出来事を素直に認めることで、過去や他人への原因探しを辞めて、これからの想像的な思考ができるようになるからです。
Step2:ビジョンを描く・目標を設定する
出来事(問題・試練)を認めることができたら、次にその出来事から理想とするビジョンを考えます。
例えば、「仕事で大きなミス」をしてしまったときは「顧客への影響範囲を小さくする」ことや「次に同じミスをしない」などのビジョンを設定します。
ここでは、そのビジョンが実際にできるかどうかではなく「この現実を受け入れたうえで、これから自分がどうしたいか?」を感覚的に考えることで、フッとアイディアが湧いたりします。
Step3:ビジョンまでの行動目標を考える
ビジョンを描いたら、具体的な行動目標を考えます。
「顧客への影響範囲を小さくする」ためには、顧客への影響範囲を調べる → 上司に報告する → 顧客に事実を伝え、謝罪する → その上で今後のことを相談する、などが考えられます。
「次に同じミスをしない」ためには、ミスの原因を突き止める → 改善策を考える → 業務マニュアルに反映するなどが考えられます。
行動目標を考えるときは、描いたビジョンに対して「そのためにはどうする?」と自分自身に問いかけ続けると具体的な行動目標が考えられます。
Step4:ストレスの小さい順に行動目標を並べる
行動目標を考えたら、自分にとってストレスの小さな順に行動目標を並べていきます。
ストレスが小さな行動目標がラーニングゾーンの領域です。ラーニングゾーンは1番パフォーマンスが発揮できる領域です。
例えば、仕事でミスをしたとき、いきなり顧客に謝罪の電話をするのと、影響範囲と今後の対応方法を考えたうえで顧客に謝罪の電話するのでは、どちら方がストレスが小さいでしょうか。
また、あなたが顧客側の人間だとしたら、どちらの謝罪電話の方がストレスが小さいでしょうか? おそらく後者ではないでしょうか?
大きなストレスが伴う行動は、パニックゾーン上での行動です。す
パニックゾーン上での行動は、ストレスが大きくすぐに行動に移すことができないで時間がかかったり、場当たり的な行動となり更に自体を悪化させてしまったりすることがあります。
そのため、どんな状況でも自分のストレスが小さな行動から着手した方が結果として、物事は早く解決できるものです。
Step5:実際の行動に移す
ストレスの小さな順位に行動目標を並べ変えたら、その並びのとおりに行動を起こします。
このときの行動はラーニングゾーンにある行動のため、それなりにストレスがかかります。また、行動に際しては恐怖や不安を感じると思います。しかし、ここが心の器を大きくできるどうかの分岐点です。
もし、このとき行動に対してのストレスや不安が大きいようであれば、その行動目標がまだ大きすぎます。その場合は、行動目標を更に小さくしていきます。
ライフ・カウンセリングの事例ですが、「引きこもりで社会に出られない」方が設定した行動目標は「ひとりでお店に入る」でした。
しかし、恐くてそれができませんでした。それは彼にとって行動目標が大きすぎたからです。
行動目標を「友人と一緒にお店に入る」に再設定した結果、行動目標を達成することができました。(ちなみに、この方は今では社会復帰を果たしています。)
ラーニングゾーンにある行動は、それなりにストレスがかかります。行動に際しては恐怖や不安を感じます。
ここで勇気を出して新しい1歩踏み出し心の器を広げていくか、それとも現状の自分を維持するか、それは自分で決めるしかありません。
Step6:フィードバックをする
フィードバックには以下の2種類があります。
- 行動のフィードバック
- 出来事のフィードバック
行動のフィードバックは、Step5で起こした行動のフィードバック(振り返り)です。
実際に行動を起こすことで、良くも悪くも物事が変化していきます。行動した結果、物事が上手く行くことがあれば、さらに悪化することもあります。
もし、行動の結果、物事が悪化してしまった場合は、行動目標の修正を行いながら、次の行動を続けていきます。
闇雲に行動をするのではなく、しっかりとフィードバックをすることで心の器の広がりを実感することができます。
出来事のフィードバックでは、Step1~Step6を繰り返した結果「その出来事から何を学べたのか?」を明確にしていきます。
今回仕事で大きなミスをしてしまっても、3ヶ月後には逆にお客様との信頼性が上がり、同じようなミスが起きなくなれば「仕事でミスをした」という過去のマイナスの出来事は、今のプラスに転じたことになります。
過去のマイナスの出来事がプラスに転じたということは、その分だけ心の器が広がったということです。
「禍を転じて福となす」と言いますが、禍を福に変えていくには、「禍」を受容し、それをきっかけとして心の器を広げる必用があるのかなと思います。
まとめ
ここまで、心の器(コンフォートゾーン)について書いてきましたがいかがでしたでしょうか?
結局のところ、心の器が大きい人とは、どんな出来事にも逃げ出さずに真摯に向き合いながら、心の器を広げてきた人。
いろいろな出来事に向き合い経験を積んできたからこそ、どっしりと安定した広い心を育てることができたのだと思います。
心の器は簡単に大きくすることはできません。もしかしたら、今の自分のままでいた方が楽なのだと思います。
でも、それは楽しくありません。なぜならば、心が成長したときに、人は心から「うれしい」や「楽しい」と感じることができるからです。
また、心の器が大きくなった分だけ、自分も相手も素直に受け入れることができるものです。
今の自分を保つために何かを誰かのせいして生きるのか、それとも変化を受け入れ心の器を大きくしていき続けるのか、この2つの選択肢がその人の人間性になるのだと思います。
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 関連記事心の器を広げる6ステップ […]
[…] 関連記事心の器を広げる6ステップ […]
[…] 関連記事心の器を大きくする6ステップ […]