「出口のない学び」から抜け出すには ― イソップ寓話の知恵

    カウンセリングSORAの関口です。

    これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。

    人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。

    そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながらブログを綴っています。

    しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。

    目次
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    今日の言葉

    イソップ寓話より引用

    142)老いたライオンと狐
    ライオンが年をとって腕力で獲物を捕らえることができなくなったため、知恵を使おうと考えました。
    洞穴の中で病人のふりをし、見舞いにやって来る動物たちを次々に捕まえては食べていたのです。
    多くの獣たちが犠牲になるなか、狐はライオンの企みを見抜き、洞穴から遠く離れた場所から声をかけました。
    「病気だ」と訴えるライオンが、なぜ近くに来ないのか尋ねると、狐はこう答えます。
    「入っていった足跡はたくさんあるが、出てきた足跡がひとつもない。それを見ていなかったら、私も中に入っていたでしょうね。」
    このように、賢明な者は、確かな兆しから危険を察知し、それを避けるのです。

    【引用元:岩波文庫『イソップ寓話集』著:イソップ 翻訳:中務哲朗】

    「出口のない学び」から抜け出すには ― イソップ寓話の知恵

    ネット上ではよく、「○○○のビジネスを学べば、あなたも1億円稼げます」「このセミナーで学べば、ビジネスで成功できます」といったキャッチコピーを目にします。

    これらは「○○○を学べば、あなたは□□□になれます」という構文になっており、私たちは自然と「□□□になれるなら○○○を学びたい」と思うようになります。

    つまり、学ぶこと自体が目的なのではなく、「□□□になること」が本来の目的なのです。

    しかし実際には、セミナーなどで学んでも□□□になれないというケースが多く見られます。

    その理由は大きく2つあります。

    1つ目の理由は、多くのキャッチコピーは、セミナーや講座への「集客(=入口)」を重視しており、学びに来た人たちの成果や変化(=出口)までは重視していないことが多いためです。

    2つ目の理由は、学ぶ側が「□□□になること」を目的にしていたはずなのに、いつの間にか「学ぶこと自体」が目的にすり替わってしまうためです。

    すると、上級コースや次のセミナーへと延々と通い続けることになり、いつまでも□□□にはなれないという悪循環に陥ってしまいます。

    これはまさに、イソップ寓話の「老いたライオンと狐」の話とよく似ています。

    ライオンの洞窟には入っていった足跡ばかりで、出てきた足跡がない――セミナーに参加する人は多いけれど、実際に成果を出している人がほとんどいない。

    これは、セミナーの本質が「学びの提供」ではなく、「収益化」に重点を置いている可能性を示しているのかもしれません。

    何かを学ぼうとするときこそ、学ぶ先にある「本来の目的」を忘れずにいたいものです。

    イソップ寓話「老いたライオンと狐」を読みながら、そんなことを感じました。

    今日の問いかけ

    「セミナーなどで、あなたが学ぶ先にある本当の目的は何ですか?」

    私たちは、知らず知らずのうちに「学ぶことそのもの」が目的になってしまいがちです。

    しかし、本来は「□□□になりたい」「こんな未来を実現したい」といった動機があったはずです。

    その動機を見失うと、終わりのない学びのループにはまり、時間もお金も消耗してしまいます。

    「何のために学ぶのか?」――その問いを心に置きながら、一つひとつの学びと向き合っていきましょう。

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