「合理的」な男性と「感覚的」な女性の見える世界の違い

みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口です。

心理カウンセリングでは夫婦関係の悩みを聞くことがあります。

「夫が私の言うことを聞いてくれない」など、女性の方の悩みが多いように感じます。

実は、私も「あなたは私の言うことを聞いてくれない」と妻から言われ続けてきました。

妻に言わせると「いつも同じ事をお願いしているのに、聞いてくれない」という意見です。

しかし、私の意見としては「聞いてくれない」のではなく「忘れている」だけです。

女性と男性は同じ事を見ていても見え方や考え方、感じ方が違います。

我が家も「同じ物事を考える」とき、私は「合理的」に考えるのですが、妻は「感覚的」に感じようとします。

そして、この「合理的」と「感覚的」の違いが、「忘れている」と「聞いてくれない」の違いの原因です。

今日は我が家の洗濯論争を事例にしながら、男性の「合理的」な考え方と女性の「感覚的」の感じ方の違いについて書いていきます。

目次
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合理的と感覚的の見える世界の違い

ずいぶんと昔ですが「話を聞かない男と、地図が読めない女」という本は流行りました。

有名な本なので、あなたも読んだことがあるのではないでしょうか。

この本では、男女の考え方の違いが書かれています。

男女の考え方が違うから、男脳と女脳は違うという意見もあります。

確かに、うちの妻も地図が読めません。

旅行先などでT字路にぶつかると、妻は行きたい方向とは逆に必ず曲がります。

なぜ、1/2の確率で反対に曲がるのか、私には理解ができません。

また、私が料理の手伝いをしているとき

調味料どのくらい入れる?

と妻に聞くと

チョロチョロぐらい

と言われます。

「大さじ3杯」と具体的に言ってもらえると私は助かるのですが、感覚的な妻は擬態語を使っていつも教えてくれます。

私は物事を合理的に考えます。逆に妻は物事を感覚的に感じます。

もちろん、女性でも合理的に考える人、男性でも感覚的に感じる人がいますので、男脳と女脳の違いがあるのではなく、認知した物事に対しての考え方・感じ方の違いです。

合理的に考える人は、行動の目的や意味を大切にします。

感覚的に感じる人は、行動のフィーリングを大切にします。

私は合理的と感覚的の違いを理解していなかったから、我が家ではいつも「洗濯物論争」が起きていました。

洗濯物論争

我が家は共働きのため家事は分担しています。

私の担当に「洗濯物干し」があるのですが、そのことでいつも妻から指摘を受けていました。

合理的に考える私にとって、洗濯物干しの目的は衣類を乾かすことですので、洗濯物を干す向きは気にしません。

しかし、感覚的な妻は違います。

私が洗濯物を干し終えると、いつも口論になっていました。

洗濯物を干し終えたよ
洗濯物の向きが揃っていない
洗濯物の向きが揃っていなくとも乾くよ
向きが揃っていないとスッキリしない
・・・

合理的に考える私には、妻の感覚的な「向きが揃っていないとスッキリしない」という意見が理解できません。

意見を理解できていないから、私は「洗濯物を干すときの向き」を意識することができず、妻から「何度言ったらわかるの?あなたは私の言うことを聞いてくれない」といつも怒られていました。

そして、この「洗濯物の向きの」問題が「どっちが大変」の2次論争へと発展をしていきます。

どちらが大変か論争

夫婦で家事を分担していると、よく起こる論争があります。

それは「どっちが大変か?」論争です。

おそらく、多くの男性の心の中に「家事は女性がするもの」という固定観念があります。

それは、子供のときに「お母さんが家事をしている光景」を見ながら育っているからです。

心の中に「家事は女性がするもの」という固定観念があるから「家事を手伝ってあげている」という考えが男性の心の中にはあります。

だから、「家事を手伝ってあげている」と考えている男性に指摘をすると、

洗濯物の向きを揃えてよ!
だったら自分でやりなよ!

と男は逆ギレします。

一方、女性には「家事は一緒にするもの」という考えがあります。

「だったら自分でやりなよ!」と逆ギレされると

私だって日々忙しいのだから、少しくらい家事を手伝いなさいよ!

と反論をします。

夫婦がこの状態になると、洗濯物はそっちのけで、日々どちらが大変か論争となり、日頃溜まったうっぷんが消えるまで、バトルをしてしまいます。

以前の我が家はそんな感じでした。

しかし、妻のある一言が洗濯物論争に終止符を打つことになりました。

問題視している方からアプローチする

夫婦関係で「パートナーが言うことを聞いてくれない」とき、それは「パートナーが言うことを聞いていないのではなく、パートナーが聞き入れられるような伝え方をしていないことが原因です。

私も妻から「洗濯物の向きが揃っていないとスッキリしないから、必ず揃えて干して!」と何度も指摘をされましたが改善できませんでした。

なぜならば、「洗濯物が揃っているとスッキリする」という妻の感覚的な意見が、合理的に考える私には理解できないからです。

相手が理解できていないことを伝えても、相手は意識することができず、すぐに忘れます。

「歩きスマホはやめましょう」と連日のように伝えられていますが、歩きスマホが減らないのは、「歩きスマホが危険なこと」を当人達が意識できていないからです。

意識できていないことは「何度言っても」効果はありません。

では、どうすれば自分の意見をパートナーが理解し行動を意識的に改善してもらえるようになるのでしょうか。

それは、パートナーの考えに沿った言葉がけをすることです。

我が家の洗濯物論争を終えた妻の言葉を紹介します。

洗濯物の向きが揃っていると、洗濯物をたたむときに合理的なの
なるほど!

「向きが揃っていないとスッキリしない」という感覚的な意見は、私には理解できませんでした。

しかし、「向きが揃っていると、たたむときに合理的」という意見には、私の合理的な考えにも合致するので、その意見を受け入れることができます。

合理的な人は、行動に意味や目的が持てると意識して行動できるようになります。

意識して行動できるようになれば、行動を改善することができます。

妻のたった一言で、我が家の洗濯物論争は終わりました。

ちなみに、このよな考え方の違いで夫婦関係に問題があると、どちらかが新しい言動をする必要があります。

では、どちらから新しい言動をすればいいのでしょうか?

それは、パートナーの行動を問題と感じている人からです。

我が家の事例では「洗濯物の向きを揃えてくれない」ことを問題視した妻から言動を変える必用がありました。

なぜならば、私には「洗濯物の向き」が問題だとは一切思っていなかったからです。

多くの場合、あなたが問題だと思ってもパートナーは問題だと思っていません。

「これは問題だ」と感じたあなたの方から、それが問題であることをパートナーに共有するところからはじめてみましょう。

パートナーの考えにあった言葉を使えば、きっと伝わりますよ。

まとめ

「パートナーが私の意見を聞いてくれない」と誰もが思うものです。

家族であるからこそ、余計にそう思います。

でも、それはパートナーが「聞いてくれない」のではなく、パートナーが「理解できてない」だけかもしれません。

「聞いてくれない」と思うと、パートナーを攻撃したくなります。そうすると、ますますパートナーは意見を聞くことができなくなります。

同じものを見ていても「合理的」に考える人と「感覚的」に感じる人とでは、見え方・考え方・感じ方が異なります。

まずはパートナーのことを理解し、パートナーに合う言葉かけをあなたの方からしてみてください。

きっと、その意見はパートナーの心に伝わると思います。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 相手に伝わる伝え方を考えて実行することは大切ですよね!
    奥様は、とても素敵な方だと思います。

    ただ。。

    世の奥様方(一般的な)の大半は、

    何度言っても聞いてない!=この人は、私のお願いを聞く気がない。

    となり、

    聞く気がないのは、私を大切にしようと思っていない→大切に思ってくれていない人を愛せない…

    結果、妻に愛されない旦那ができあがる

    大切なのは、

    ①問題意識を持っている(相手に変わって欲しいと願っている)方が、相手に伝わる伝え方を学ぶこと

    だけではなく、

    ②問題を提起されている方が、相手の感情含め配慮して、できる限り寄り添う姿勢をもって落とし所を探ること

    である、と考えます。

    なぜなら、それが結果的に夫婦円満を最小限の労力で叶えることができる、つまり、合理的だからです。

    • ほんとそうでですね。

      お互いが共通の問題と捉えることができれば、その問題は最小限の労力で解決でき合理的ですね。

      素敵なコメントありがとうございます。

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