サソリがいなくなった社会で、子どもは何を学ぶのか

    カウンセリングSORAの関口です。

    これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。

    人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。

    そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながらブログを綴っています。

    しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。

    目次
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    今日の言葉

    イソップ寓話より引用

    199)子どもと蠍(さそり)
    子どもが城壁の前でバッタを捕っていた。たくさん捕まえたところで蠍を見つけたが、これもバッタだと思い、手のひらを丸めて、かぶせてやろうとした。
    正にその瞬間、蠍が針をもたげて言った。

    「やったらどうだ。捕まえたバッタも失うぞ」

    善人にも悪人にも、すべて同じようにふるまってはならぬ――
    この話は、そう教えている。

    【引用元:岩波文庫『イソップ寓話集』著:イソップ/訳:中務哲朗】


    サソリがいなくなった社会で、子どもは何を学ぶのか

    先日、電車内で賑やかな子どもたちに出会いました。

    どうやら、複数の家族で遊びに出かける途中のようでした。

    子どもたちは嬉しいのか、電車内で楽しそうにおしゃべりをしていましたが、少し度が過ぎているように感じました。

    さらに、その親たちも会話に夢中で、子どもたちを注意する様子はありませんでした。

    休日に友だち同士で出かけ、子どもたちが楽しい気持ちになることは理解できます。

    しかし、その声はあまりにも大きく、電車内では他の乗客の迷惑になっていたでしょう。

    本来であれば、親が「周りに迷惑だから静かにしなさい」と注意すべき場面だったと思います。

    それにもかかわらず、親たちは何も対応しませんでした。

    私を含め、周囲の大人も「迷惑だから静かに」と注意したい気持ちはあったと思います。

    しかし、そうした親に限って「子どもに何を言うの!」と反発されかねないため、関わらずに黙って我慢していたのではないでしょうか。私自身もその一人であり、その点については反省しています。

    親が子どもを叱るべき状況であっても、親自身に問題意識がなければ、何も起こりません。

    さらに、親以外の大人が子どもを注意することも、今の社会では難しくなっています。

    親も、周囲の大人も、子どもを適切に叱れない。

    その結果、子どもは自分が他人に迷惑をかけていることに気づかないまま成長し、そのまま大人になってしまいます。

    こうした状況は、今後ますます悪化していくのではないでしょうか。

    やがては、周囲に迷惑をかけていることにすら気づけない大人が増えていく――そんな未来を想像してしまいます。

    イソップ寓話に登場する蠍(さそり)は、毒針で威嚇しながら、「世の中には危険なものがある」ということを子どもに教えています。

    子どもから見れば、バッタだと思って捕まえようとした瞬間に、蠍から「やったらどうだ。捕まえたバッタも失うぞ」と脅かされるのですから、きっと恐ろしい体験だったでしょう。

    しかし、この恐怖体験こそが、蠍の危険性を学ぶきっかけとなります。

    それは、子どもにとって非常に貴重な教訓です。

    このような「怖さを伴う学び」や「叱られる経験」を得る機会が失われていることこそが、現代の子どもたちにとって大きな問題なのではないでしょうか。

    イソップ寓話集の「子どもと蠍」を読んで、そんなことを感じました。


    今日の問いかけ

    「あなたは、子どもを叱ることができますか?」

    叱るとは、よくないことであると、強く注意することです。

    社会にはルールやマナーがあり、それを守ることで、私たちは安全で快適に暮らしています。

    だからこそ、ルールやマナーを守れなかったときに、叱ることでその大切さを伝えることも、必要なのではないでしょうか。

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