うつ病にもオススメ!自分でできる認知行動療法のやり方

認知行動療法

みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口です。

前回「7つの習慣」のBlogで、自分の無意識の反応を知るためには「認知行動療法がお勧めです」と書きました。

実は私自身もうつ病を克服する際に、認知行動療法の考え方が非常に役立ちました。

自分自身の認知(物の見方)を変えることで、物事に対する考え方・感じ方が変わり、その結果言動も少しずつ変わっていきました。自分の言動が変わると、物の見え方も変わり、また考え方・感じ方が変わっていくという相乗効果の体験をしました。

うつ病の克服に認知行動療法は有効であると言われています。私自身の経験からもそう思います。

しかし、認知行動療法の難しいところが「自分の認知」になかなか気づけないことです。なぜならば、人間の認知は無意識で行われているからです。

では、無意識下の認知を変えていくにはどのようにすればいいでしょうか?

今日は認知療法の名著である「いやな気分よさようなら」を参考にしながら、認知行動療法の理解と私がうつ病を克服する際に効果があった「自分でできる認知行動療法」のやり方についてご紹介していきます。

認知行動療法とは

まず認知療法についてご説明します。

あなたの感情はすべてあなたの「認知」(ものごとの受け止め方)あるいは考えにより作られる、ということです。認知はあなたが物をどう見るか、どのように受け止めるか、それに対してどのような態度をとるか、そしてどのように信じるかを規定します。

デビット・D・バーンズ著 「いやな気分よさようなら」から引用

認知とは、自分の物の見方・受け止め方です。そして、私達の感情は物事や出来事ではなく認知(受け止め方)によって左右されている。これが認知療法の原則です。

私達は同じようなものを見ているようで、まったく違った物に見えていることが多々あります。

例えば、下記の絵を見たときに「老婆」と認知するか、それとも「若い女性」と認知するかで絵に対する感じ方は異なります。

老婆のパラダイムシフト

私たちの認知が変われば言動も変わります。「老婆」としか認知できなかった絵が「若い女性」と認知できるようになれば、その後の言葉や行動にも変化が起こります。

認知行動療法とは、自分自身の認知を理解し、歪んだ認知がある場合はその認知を変え感じ方や言動を変えていくプロセスのことです。

認知行動療法

人は出来事よりも感情を優先する

1枚の絵を見たときに「老婆」と認知した人と「若い女性」と認知した人とでは感じ方が異なります。自分が出来事や物事をどう見たか?で感じ方は異なるものです。それなのに人はどちらの感じ方が正しいか? で議論をはじめます。

人は自分の感情が正しいと思い込んでいます。そして、自分の感情が正しいと思い込んでいるから、出来事よりも感情を優先させ、お互いが正論をぶつけてしまいます。

でも、自分の感情は本当に正しいのでしょうか?

感情は認知によって作られる

自分の認知に歪みがあれば、当然感情にも歪みが生じます。自分の感情が歪んでいるのに、その感情を疑うこともせずに正しいと信じてしまうと感情的な人間になってしまいます。

「感情に流されないで、感情をコントロールしましょう」とよく言いますが、コントロールすべきところは感情ではなく自分自身の認知です。

そして、認知をコントロールするためには、人間がもつ「認知の歪み」を理解したうえで、自分自身の認知のパターンを知る必要があります。

まずは「認知の歪み」について理解していきましょう。

認知の歪み10



もし、生まれたときから「歪んで見えるメガネ」をかけ続けていたら、メガネをかけていない人より世界は歪んで見えます。

しかも、生まれたときからメガネをかけているので、自分がメガネをかけているという認識もありません。

人間の認知にも歪みがあります。歪んだ認知をとおして世界を見続けていると、やっぱり、世界の感じ方も歪んでしまいます。

認知行動療法

認知療法の名著「いやな気分をさようなら」には10個の認知の歪みが紹介されています。

以下、認知の歪みについてご紹介します。

1.全か無か思考

物事を白か黒か、正しいかか誤りかなど、どちらかの選択で物事を考える。少しでもミスがあれば完全な失敗と考えてしまう認知の歪み。

仕事でひとつ失敗すると、すべて失敗だ!と極端に考え悲観的に感じてしまう。

2.一般化のしすぎ

たったひとつのよくない出来事があると、「世の中すべてこれだと」考える認知の歪み。

たまたまよくない出来事に遭遇したとき、「自分は運がない人間だ!」とすべての出来事を否定しはじめる。

3.心のフィルター

たった1つのよくないことにこだわり、そればかりをくよくよ考え、現実を見る目が暗くなってしまう認知の歪み。

仕事で失敗をしたとき「あの時ミスをしなければ・・・」と過去の悪い思い出に焦点が当たり、いつも後悔を感じ続けてしまう。

4.マイナス化思考

なぜか良い出来事を無視してしまい、日々の生活がすべてマイナスなものになってしまう認知の歪み。

人生には良いことも悪いことも起こるものですが、物事を考えるときに、わざわざ悪いこと・マイナスの事を考えて、人生は最悪だと思い込む。

5.結論の飛躍

結論の飛躍は根拠もないのに悲観的な結論を出してしまう認知の歪み。結論の飛躍は下記の2つに分類されます。

5ー1 心の読みすぎ

ある人があなたに悪く反応したと早合点してしまう認知の歪み。

誰かと誰かが、あなたの方を見て話し会っている光景を見たとき「きっと私の悪口を言っているに違いない」と勝手に思い込み、疑心暗鬼になる。

5-2 先読みの誤り

事態は確実に悪くなると決めつける認知の歪み

なぜか「3日後に大震災が来る」と信じ込み、未来に大きな不安を感じる。

6.拡大解釈と過小評価

自分の失敗を過大に考え、自分の長所を過小評価する認知の歪み

「仕事が遅く能力がない」と言う人は、見方を変えれば「仕事が丁寧でミスも少ない」人です。でも、自分の長所を見ることをせず、短所ばかりを見て自己否定してしまい、最後は「自分はダメ人間」だと信じ込む。

7.感情的決め付け

自分の憂鬱な感情は現実をリアルに反映していると考える認知の歪み。

「私はコーヒーが嫌い。だから、あなたも嫌いだよね」と自分の感情が常に優先される。しかし、人により感じ方は異なるもの。感情的決めつけする人は常に誰かと感情の対立が起きてしまい、私の正しさを周りに主張する。

8.すべき思考

何かやろうとする時に、何々すべき・すべきでないと考える認知の歪み。

「仕事は失敗すべきでない」と認知すると、失敗しない仕事を選ぶか、仕事で失敗してしまうと、失敗をした自分を許すことができなくなり自己否定に陥る。

9.レッテル貼り

極端な形の「一般化しすぎ」ミスを犯したとき自分にマイナスのレッテルを貼ってしまう認知の歪み。

レッテル貼りの人の口癖が「どうせ私なんか」。自分にマイナスにレッテルを貼り続けると、最後はダメな自分を正当化しようとする。

10.個人化

何か良くないことが起こったとき、自分に責任がないような場合でも自分のせいにしてしまう。

極端の例ですが、今日雨が降ったのは「私のせい」と考える。個人化を続けると、常に悲劇のヒロインであろうとする。

感情は事実ではない

認知の歪みはいかがでしたでしょうか? 私達は子どもから大人への成長の過程で、知らないうちに認知の歪みをかけていることがあります。

以前、引きこもりの男性(26歳)のカウンセリングをしました。私から見れば彼は「かっこいい男性」だったのですが、彼自身は「僕はダメ人間で何もできません」と自信喪失状態でした。

そして、彼とのカウンセリングを進めていくうちに見えてきたのが「26歳にもなって正社員になれない自分はダメだ」という思い込みでした。

彼は以下の認知の歪みをとおして自分自身を評価していました。

事 実:26歳の男である。今は正社員になれていない。

歪 み:全か無か思考
感じ方:正社員でないとダメだ

歪 み:マイナス化思考
感じ方:もう人生に楽しいことはない

歪 み:拡大解釈と過小評価
感じ方:自分は正社員でない、だから自分には能力がない

歪 み:感情的決めつけ
感じ方:何もやる気がおきない。だから自分は何もやれない

歪 み:すべき思考
感じ方:男は正社員であるべきだ

歪 み:レッテル貼り
感じ方:自分はダメ人間だ!

彼は父親から「大きな会社で正社員にならないと一人前の男にはなれない」と言われてきたそうです。

彼に対する父親の期待が、そのまま彼の認知の歪みとなり、父親の期待に添えなかった自分を自己否定してしまったようです。

その後、彼は認知行動療法をとおして認知の歪みに気づき「正社員ではない自分でも、できることがたくさんある」事実を知り、社会復帰を果たしました。

実は、私自身もうつ病の時、認知の歪みで気分が落ち込み自己否定をしていました。「うつ病だから気分が落ち込む。気分が落ち込むから、自分は何もできない」と認知していました。しかし、この考え方は「感情的決め付けとレッテル貼りの歪み」です。

私は認知行動療法を学んでから、歪んだ認知に気づき「気持ちが落ち込む、だから、私はうつ病である」と考えるのではなく「気持ちを上げるためには、いまの私に何ができるだろうか?」を考え、少しずつ自分ができることを実際の行動に移していきました。

私達は、自分の感情が事実のように錯覚をします。

人が悩みや問題を抱える時、自分の感情を優先させて物事を考えます。そして、感情が優先されるから怒りや悲しみ気持ちの落ち込みなどの感情をクリアにすることが目的になってしまいます。

確かに感情がクリアになれば物事が一見解決したかのように見えるかもしれません。しかし、大事な点を見落としています。

感情は認知によって作られる。

よって、クリアにするべきところは感情ではなく認知の方です。

他人と過去は変えられません。変えられるのは自分自身の認知と未来だけです。

ワーク1 事実と感情を分別する日記

認知の歪みを変えるためには、自分自身に認知の歪みがあることを知ることが最初です。そして、認知の歪みを知るためには、出来事・事実に対する自分の感情を評価することからはじめていきます。

認知行動療法
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ここでは、私がうつ病克服の際、認知行動療法をベースに考えた「事実と感情を分別する日記」についてご紹介したいと思います。

まずノートを準備してください。これから1日1ページ毎晩日記を書きます。日記に書く内容は以下の4項目です。

1.事実・出来事
2.感情、気持ち
3.気づき、意見(フィードバック)
4.明日への改善

例:事実と感情を分別する日記のフォーマット

実際の日記のフォーマットは以下の通りになります。

日付

【1.事実・出来事】



【2.感情・気持ち】



【3.気づき・意見】



【4.明日への改善】

例:事実と感情を分別する日記の書き方

以下が書き方のサンプルです。

日付 5/10

【1.事実・出来事】
1.仕事でミスをした
2.上司に怒られた
3.彼女と喧嘩をした

【2.感情、気持ち】
1.自分はやっぱり能力がない
2.上司に嫌われたかも・・・
3.彼女は自分のことを何もわかってくれない

【3.気づき、意見】
1.自分には能力がないのだろうか? どうやったらミスを防止できただろうか?
2.上司に怒られたけれど、最後は励ましてくれた
3.会社で嫌なことがあって、今日は自分にゆとりがなかった

【4.明日への改善】
1.次回同じミスをしないように改善策を考えよう
2.上司へ再度謝ると同時に改善策も伝えよう
3.彼女に昨日仕事をミスして落ち込んでいたことを話そう

事実と感情を分別する日記のポイント

・事実・出来事は、その日に「感情が大きく作用した出来事」を3つほどピックアップして書いてください。

・日記を書く際は、事実から書いても感情から書いても構いません。人によっては感情から書いた方が書きやすいと思います。

・気づき・意見は、第3者があなたにアドバイス(フィードバック)するような視点で書いてください。あなたを応援してくれそうな身近な人をイメージすると書きやすいです。

・明日への改善は【3.気づき、意見】を見ながら、何か自分で改善できそうなことを少し前向きな気持ちで書いてください。書いた改善策を実際に行った場合は、その後の結果も書いておきます。もし、改善策が行えなかったとしても、必ず改善策だけは考えてください。

・日記は最低でも1ヶ月間、毎日書き続けてください。

ワーク2 事実と感情を分別するを評価をする

1ヶ月間日記を書き続けると、合計90個の事実と感情、意見と改善策が書かれることになります。そのうえで、下記の手順で1ヶ月間の日記を評価してください。

1.感情と認知の歪みを照合する

感情、気持ちに書き出された内容と認知に歪みを照らし合わせて評価する。先の例では下記のような認知の歪みになります。

例)
1.自分はやっぱり能力がない(マイナス化思考・拡大解釈と過小評価)
2.上司に嫌われたかも・・・(心の読み過ぎ)
3.彼女は自分のことを何もわかってくれない(全か無か思考・感情的決めつけ)

2.認知の歪みを数えたうえで、認知の歪みを自己理解する。

1で照合した認知の歪みのを数えます。
例)
マイナス化思考 10個
拡大解釈と過小評価 5個
心の読み過ぎ 6個
全か無か思考 6個

数え終えたら、認知の歪みの特性を自己理解する。

3.実際に改善できたものとその結果を書き出す。

1ヶ月間で書き出した改善策のうち、実際に改善できたものを書き出し、その後の結果も書く

例)
1.同じミスをしないように改善策を考えた。その結果、手順を変え同じミスをしなくなった。

2.上司へ再度謝ると同時に改善策も伝えた。その結果、上司から「期待しているよ」と言われた。

3.仕事をミスして落ち込んでいたことを彼女に話した。その結果、その日は彼女もゆとりがなかった。

4.改善できた事実と改善策を照合し、いまの気持ちを再評価する。

改善できた事実と改善策を照合し、過去の事実を振り返ったとき、新たにどのような気持ちになるかを再評価する。
例)
【事実】
仕事でミスをした

【改善策】
手順を変えミスをしなくなった

【新たな気持ち】
たとえミスをしたとしても、改善をすれば大丈夫

【事実】
彼女と喧嘩をした

【改善策】
素直な気持ちを話した

【新たな気持ち】
ゆとりがないときは素直な気持ちで話そう

新たな気持ちが増えれば増えるほど、認知の歪みは自然と補正されていきます。この日記を3ヶ月間ほど続けると、認知の歪みの数が減っていくことを実感できると思います。

まとめ

みなさんはゴミを捨てる時、燃えるゴミ・燃えないゴミ・缶・ペットボトルを分別して捨てると思います。

では、なぜゴミ捨てるときに分別をするのでしょうか? 答えはその後のごみ処理工程をスムーズに行うためです。

認知行動療法も、出来事・事実と感情を分別することで、認知の歪みに気づき補正し、その後の人生をスムーズに生きられるようにします。

起きてしまった出来事や相手を変える事はできません。

しかし、自分の認知を変えることで感じ方は変わります。そして、自分の感じ方が変われば自分の考え方や言動も変わります。その結果として事実に対する意味や相手との関係性も変わっていきます。

パラダイムとは

物事の見方であり物事をどう認識し理解し解釈しているかである。

私たちは、世界をあるがままに見ているのではなく、あたしたちのあるがままの世界を見ているのであり、自分自身が条件付けされた状態で世界を見ているのである。

~7つの習慣より引用~

人は認知をとおして、自分が見たいように世界を見ています。この真実を理解し受け入れられたとき、人生に大きなパラダイム・シフトが起こるのだと最近は思います。

最後に、当店では、認知行動療法と論理療法を取入れた「ライフ・カウンセリング」を行っております。

ライフ・カウンセリングを受けたお客様から「今まで自分を苦しみめてきた思考の癖に気がつけた」とのご感想をいただいております。

当店では、自分を苦しめている「認知の歪みや思考の癖に気づいて変えていきたい」と思われる方を、ライフ・カウンセリングをとおしてサポートしております。

今回のお勧めの本

■認知療法の名著です。

■人生のパラダイム・シフトを起すヒントになります。

私たちは、悩みを抱えると心が狭くなり、考え方もマイナス傾向になってしまい、やる気も失せてしまう。

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悩みをどうにかしようとする前に、まずは心と思考の整理をして気持ちを軽くすることが、はじめの1歩。

心理カウンセリング空では、会話をとおして心と思考を整理し再び前向きな気持ちと考え方になるように、あなたの心のサポートします。

>心 軽くなるカウンセリング

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