慣れるという生き方 ― イソップ寓話「金持と皮鞣し屋」から考える

    カウンセリングSORAの関口です。

    これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は次のことを強く実感しています。

    人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だということです。

    人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が、少しずつ見えてくるからです。

    そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながら、ブログを綴っています。

    しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。


    目次
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    今日の言葉

    イソップ寓話より引用

    204)金持と皮鞣し屋

    金持が皮鞣し屋の近くに住むことになったが、悪臭が耐えられないので、引っ越しをしろと責め立てた。
    皮鞣し屋は「もう少ししたら引っ越す」と言いながら、引き延ばしていた。
    こうしたやり取りが繰り返されるうちに時が経ち、金持ちは悪臭に慣れてしまい、皮鞣し屋にうるさく言わなくなった。

    この話は、不快なことであっても、慣れがそれを和らげることがあると説いている。

    【引用元:岩波文庫『イソップ寓話集』/イソップ 著・中務哲朗 訳】


    慣れるという生き方 ― イソップ寓話「金持と皮鞣し屋」から考える

    近年、近隣トラブルやクレームが増えていると言われています。

    私の住む地域には、昔からある公園があります。

    その公園の周りには高いネットが張られ、子どもたちがボール遊びをするのに適した場所でした。

    しかし、公園の周囲に住宅が建ち始めると、やがて「近所迷惑」を理由に、ボール遊びが禁止されてしまいました。

    ネットが張られた公園の近くに家を建てたり購入したりする際、日中、子どもたちの声やボールの音で賑やかになることは、ある程度想像できたはずです。

    それでも、その環境を受け入れるのではなく、環境そのものを変える選択が取られたのです。

    同様に、昔から酪農や養鶏を営んできた地域に住宅が増え、匂いや鳴き声を理由に廃業へ追い込まれたという話も耳にします。

    イソップ寓話では「悪臭も、慣れてしまえば問題ではなくなる」と語られています。

    しかし現代社会では、「慣れる」よりも「クレームによって排除する」傾向が強まっているように感じます。

    大人の都合で遊び場を失った結果、子どもたちは自由に体を動かす場所を奪われ、テレビゲームなど、静かに過ごす遊びへと向かわざるを得なくなったのかもしれません。

    「金持と皮鞣し屋」を読みながら、私はそんな現代の姿を重ねて考えさせられました。


    今日の問いかけ

    「自分が嫌な環境に置かれたとき、あなたは周りを変えますか。それとも自分を変えますか?」

    嫌な環境に置かれたとき、
    周りを変えようとするのか、
    それとも自分の受け止め方を変えようとするのか。

    その選択によって、思考も行動も、大きく変わっていきます。

    イソップ寓話の例では、「環境に慣れる」――つまり自分が変わる選択が描かれています。
    一方、公園へのクレームの例は、周りを変える選択です。

    近年は、自分を省みるよりも、周囲を変えようとする風潮が強くなっているように感じます。
    しかし、「嫌だ」と感じているのはあくまで自分自身です。

    その自分を見つめることなく、周りだけを変え続けていけば、
    やがて人との距離が広がり、孤立につながってしまうこともあるでしょう。

    多少の我慢で済むことであれば、
    ・その環境に慣れる
    ・あるいは、自分から距離を取る

    こうした選択の方が、結果として人生は穏やかに進むのではないでしょうか。

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