みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口剛史です。
私たちは悩みや問題を抱えると、その悩みや問題の苦しさから、悩みの解決策を求めてしまうことがあります。
解決策がすぐに見つかればいいのですが、解決策が見つからないと、いつまでも同じようなことで悩み続けてしまいます。
そういうときは、悩みの解決策を求めるのではなく、自分の理想を叶えることに意識を向けることをお勧めします。
自分の理想が叶えば、悩みは自然と消えるからです。
今日は「悩みを解決するよりも理想を叶えよう」について書いていきます。
パソコンの問題を解決することと、社長の理想を叶えることは似て非なること
最初に、私が「悩みを解決することと理想を叶えることは異なること」に気づいたエピソードをご紹介します。
以前、私はとある企業の情報システム部に勤務していました。システム部の仕事の一環として、社内のパソコントラブルの解決業務がありました。
その仕事で1番きつかったのは社長のパソコントラブルを解決することでした。
社長はとても忙しく短気な人で、社長のパソコンがトラブルと「すぐに来い。5分で直せ」が口グセ。当時のパソコンは再起動するだけでも3分以上かかっていたので、5分で直すことは技術的には難しい要求。
社長のパソコントラブルが起こる度に「遅い、何やっている、お前は役に立たない」と怒られることの連続。
心の中で「こんなパワハラ社長の会社、絶対に辞めてやる」という感じでストレスがピークに達した頃に「ライトついていますか?」という本に出会い「自分の対応が間違えていること」に気づき、次から対応を変えてみようと決意しました。
とある日、また社長のパソコンでトラブル発生。いつものように「すぐに来い。5分で直せ」との要求。
今回はパソコンを直す前に社長に1つの質問をしました。
「社長、1つ質問させてください。もし、パソコンのトラブルがなかったら、1番何がしたかったですか?」
すると社長は、
「この資料を印刷したい。でも、パソコンがフリーズして印刷できないから、それをすぐに解決しろ」との返答
社長が「印刷したい」という資料のデータを確認、秘書のパソコンからも印刷できるデータだったので、秘書のパソコンを借りて資料を印刷し、社長に手渡しました。対応にかかった時間は3分。
社長は「君、これが仕事だよ。あとはコーヒーでも飲みながらゆっくりパソコンを直しておいて」と言い残し出ていきました。
この経験から学んだことは、問題を解決することと理想を叶えることは似て非なることであるということ。
この気づきから、私の仕事のスタイルが大きく変わりました。
悩みを解決するよりも理想を叶えよう
悩みを解決することと、理想を叶えることは似て非なること。
もし、社長が「この資料を印刷したい」という本来の望みをストレートに伝えてくれれば、私はすぐに「秘書のパソコンから印刷」という発想がうまれましたが、社長は「すぐに来い。5分で直せ」とパソコントラブルに焦点を当て、その解決を常に望んできました。
なぜ、社長は「本来の望み」ではなく、「問題解決」を常に望んでしまったのでしょうか?
それは、問題を解決しないと本来の望み(理想)は叶えられないという錯覚をしたからです。
私たちは、悩みや問題を抱えると、その悩みを解決しないと、理想は叶えられないと思い込むことがあります。
例えば、「コミュニケーションが苦手」と悩んでいる人は「コミュニケーションテクニックを学ばないと上手にコミュニケーションできない」と錯覚します。
「常に後悔してしまう」と悩んでいる人は、「後悔することを止めないと前を向けない」と錯覚します。
「考え過ぎて疲れてしまう」と悩んでいる人は「考えることを止めないと楽になれない」と錯覚します。
残念ながら、悩みの解決策だけ求めても、その悩みは繰り返されることになります。なぜならば、悩みを解決しても、本当に望んでいることは叶えられていないからです。
「コミュニケーションが苦手」と悩んでいる人は、本当は「素直な自分を表現したい」と望んでいるのでは?
「常に後悔してしまう」と悩んでいる人は、本当は「前を向いて生きてきたい」と望んでいるのでは?
「考え過ぎて疲れてしまう」と悩んでいる人は、本当は「自分としての結論を出したい」と望んでいるのでは?
だとすれば、「素直な自分を表現するために、どうしたらいいか?」「前を向いて生きるためには、今の自分に何ができるか?」「自分としての結論を出す為には、どのように思考すればいいか?」を考えた方が、幅広い選択肢が見つかり、理想は叶えやすくなります。
そして、理想を叶えられたとき、悩みは自然と解消されるものです。悩みとは、あなたの理想と現実のギャップだからです。
悩みや問題を抱えたときに、急いで解決策を求めるのではなく、「なぜ、この現象が私にとって悩みや問題なのだろう?」「この悩みや問題がなかったら、自分は本当はどうしたいのだろう?」と自分に問うことで、自分が本当に望んでいることが見えてくると思います。
悩みを解決するよりも、自分が本当に望んでいる理想をかたちにしていきましょう。それが、心の成長につながることだから。
まとめ
繰り返しになりますが、悩みを解決することと、理想を叶えることは似て非なることです。
この考え方は、心理カウンセリング空のカウンセリング方針にもなっています。
お客様の表面的な悩みの解決よりも、心の根底にある希望や理想に気づいてもらい、その希望や理想を叶えられるようなカウンセリングを心がけています。
悩みを解決することよりも、ご自身が本当に望んでいることを明確にした方が、歩むべき道が見えてくるからです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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