
カウンセリングSORAの関口です。
これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています 。
人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、古今東西の知恵を引用しながらブログを綴っています。
しばらくの間は、「イソップ寓話」をもとに、現代を生きる私たちの心について一緒に考えていきたいと思います 。
今日の言葉:イソップ寓話より
226)亀と兎
亀と兎が足の速さのことで言い争い、勝負の日時と場所を決めて別れた。さて、兎は生まれつき足が速いので、真剣に走らず、道から逸れて眠りこんだが、亀は自分の遅いのを知っているので、まず走り続け、兎が横になっている所も通り過ぎて、勝利のゴールに到達した。素質も磨かなければ努力に負けることが多い、ということをこの話は説き明かしている。
(引用元:『イソップ寓話集』中務哲朗 訳 / 岩波文庫)
「勝負」の影に隠れた、私たちの焦り
誰もが一度は耳にしたことがある「ウサギとカメ」のお話。
子どもの頃は、「油断大敵」や「努力は報われる」といった教訓として受け取っていた方が多いのではないでしょうか。
しかし、大人の視点でこの物語を読み直してみると、少し違った景色が見えてきます。
そもそも、なぜカメは、明らかに不利な「足の速さ」でウサギと勝負しようとしたのでしょうか。
現実の世界であれば、プロのマラソンランナーに「君は遅いね」と言われても、「そうですね、プロには敵いません」と笑って流せるはずです。
でも、もしカメが自分の価値を「足の速さ」だけで証明しようとしていたのだとしたら……。それは、とても苦しい戦いだったに違いありません。
「できない自分」を受け入れる勇気
私自身、かつてIT企業で仕事をしていた頃、周囲の期待に応えようと必死でした 。
他人と比較して「もっと成果を出さなければ」「負けてはいけない」と自分を追い込み、結果としてうつ病を経験しました 。
あの時の私は、まるで陸の上でウサギを追い越そうともがくカメのようでした。
「自分はこうあるべきだ」という強い思い込みやプライドが、自分の首を絞めていたのです。
この寓話が教えてくれるもう一つの教訓は、**「自分の実力をそのまま受け入れる」ということではないでしょうか。
カメがもし「私は歩くのは遅いけれど、泳ぐのは得意だし、ゆっくり景色を見るのも好きだ」と自分を認めていたら、無謀な勝負に身を投じる必要はなかったはずです。
今日の問いかけ
「あなたは今、誰かと無理な勝負をしていませんか?」
私たちはつい、SNSや職場などで他者と比較し、「負けている」と感じると、焦って競争の土俵に上がってしまいがちです。
もちろん、競争が成長の糧になることもあります。 けれど、その競争があなたの心をすり減らし、自信を奪っているのなら、一度立ち止まってみてください。
「できない自分」を責めるのではなく、「それが今の自分なんだ」と丸ごと受け入れてみる。 勝負を降りた瞬間に、初めて「自分はどう生きたいのか」という本当の心の声が聞こえてくることがあります 。



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