みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口剛史です。
以前、「心のなかが不安でいっぱい、不安を消したい」というご相談をいただきました。
不安でいっぱいだと何するのも怖く、どうしていいかもわからず、毎日が辛い日々になってしまいます。
だから「心から不安を消したい」という気持ちはよくわかります。
しかし、心から不安を消すことなどできません。
大事なことは、心から不安を消すのではなく、不安があってもおびえないようにすることです。
不安であることとおびえることは別のことです。それを一緒に考えると、毎日が辛くなってしまいます。
今日は「不安があってもおびえないこと」について書いていきます
心から不安を消すことなどできない
以前、「心のなかが不安でいっぱい、何をするにも恐いと感じてしまう」不安症の方のカウンセリングをしました。
その方は、いつも不安感があり、何をするにも恐いと感じてしまうので、心療内科に通い「不安を和らげる薬」を服用していました。
しかし、心から不安を消すことができず、逆に不安を消そうとすればするほど不安感が強くなり、その結果、薬が増えていくという悪循環に陥っていました。
「今の悪循環から抜け出したい、なんとかして心から不安を消したい」とのことでカウンセリングを受けましたが、残念ながら、私たちの心から不安を消すことはできません。
なぜならば、不安は、人間が安定して生きていくうえで必要な感情だからです。
心から消すことをできない不安を無理に消そうとすると、より不安感が強くなります。
森田療法の森田正馬先生は、心に不安がありつづけることを「不安常用」と表していました。
不安があってもおびえないこと
不安とは、私たち人間が安定して生きていくために必要な感情です。
よって、不安におびえる必要はありません。
心に「不安があること」と「おびえること」は別問題です。不安=恐さではありません。
それらを一緒に考えてしまうと、不安を消すことで恐さから逃れようとしてしまいます。
大切なことは、心から不安を消すことではなく、不安があってもおびえないことです。
不安におびえ続けると、その不安が現実になってしまうからです。
なぜ、人間だけが不安を感じるのか?
なぜ、人間は不安を感じおびえてしまうのでしょうか?
逆に、犬や猫は不安を感じられないのでしょうか?
それは、人間には未来を予測する想像力があるからです。
例えば、1年後の自分を考えたとき、あなたは何を感じますか?、3ヶ月後の自分ではどうですか?、3日後は?、3秒後ではどうでしょうか?
1年後・3ヶ月後の未来をマイナスに想像すると不安が増し、プラス側に想像すると期待が増します。
3秒後の未来は想像する必要がないので、不安も期待も感じられません。
このことから、不安とは、未来を想像することでうまれるマイナスの感情です。
よって、心に不安を感じるときは、必ず未来をマイナス側に想像しているときです。
では、なぜ未来をマイナス側に想像をしてしまうのでしょうか?
それは、想定される未来のマイナスの出来事に対して、「自分を守りたい」もしくは「乗り越えたい」と心で思っているからです。
それなのに、不安におびえ、不安に対応する行動ができないと、結果として不安が現実になってしまいます。
不安を感じたときに大切なことは、不安におびえるのではなく、「なぜ、不安を感じるのか?」を理解したうえで、その不安を乗り越えるために、具体的な行動を起こすことです。
ちなみに、薬で不安が和らぐのは、不安そのものが和らいでいるのでなく、想像力を抑えることで、不安感を軽くさせているからだと、私は思います。
勇気を出して不安と向き合おう!
不安とは、未来をマイナス側に想像することで感じられるもの。
よって、不安を消すには2つの方法しかありません。
ひとつが想像すること・考えることをやめること。
想像することをやめ、今この瞬間だけに集中すれば、不安を感じることはありませんが、夢や目標といったプラス側の未来も見失います。
もうひとつが「不安があっても、私は大丈夫」という安定した心にすること。
まずは、不安があることを受け入れ、何に対して不安を抱いているのかを理解すること。
次に、その不安を乗り越えていくために、小さな行動を積み重ね、心を広げていきます。
心が広がることで、はじめて心は安定するようになり、「不安があっても私は大丈夫」という状態になります。
実際に不安と向き合い、行動を起こすのは、とても勇気がいること。
でも、せっかく生きているのだから、不安におびえて今日を過ごすより、「私は大丈夫」という安定した心で人生を過ごしたいものですね。
まとめ
最初にご紹介した不安症の方は、ライフカウンセリングをとおして「自分が何に不安を感じているのか?」を理解できたことで、不安におびえなくなりました。
さらに、不安と向き合い、勇気を出して1歩ずつ行動を起こしたことで、不安があっても「私は大丈夫」という安定した心に変わりました。
もちろん、不安があっても大丈夫と思えるようになれば、もう薬に頼る必要もありません。
私たちの心から不安を消すことはできません。
消すことができない不安を消そうとするのではなく、不安があることを受け入れ「なにが不安なのか?」を理解して、少しずつ不安と向き合っていきましょう。
不安のなかにこそ、これからの人生をよりよくするための「ヒント」が隠れているものだから。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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