みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口剛史です。
心理カウンセリングは「悩みを解決してもらえる」というイメージがあるようで、「いま悩みの解決方法を教えてほしい」というご相談を受けることが多々あります。
「今すぐ悩みを解決して、精神的に楽になりたい」という気持ちはわかります。
でも、私のカウンセリングでは「悩みを解決する方法」はお伝えしません。
表面的に悩みを解決しても、無意識の思いに気づけないと、心の中の苦しみは消えないからです。
今日は「悩みとは、無意識の思いにづくこと」について書いていきます。
表面的な悩みを解決しても、心の苦しみはなくならない
人間、誰もが悩みや問題を抱え込むと、心は抑圧され苦しく感じるものです。
そして、心の苦しさを消すために「悩みや問題を解決して、精神的に楽になりたい!」という気持ちになります。
確かに、悩みを解決することで一時は精神的に楽になれます。
しかし、表面的な悩みだけを解決しても、心の中の無意識の思いに気づけないと、心の苦しさは解消されない。
「心理カウンセリングや心を癒やすセミナーなどを受け、そのときは楽になれても、すぐにまた苦しくなってしまう」というお話をよく聞きます。
それは、表面的な悩みを解消しただけで、無意識の思いにまでアプローチできていないことが原因です。
私が、自分自身の無意識の思いを発見したのは、うつ病になったときです。
以前、仕事の大きなストレスから、何回かうつ病を患いました。
最初のうつ病になったとき、うつ病を治すことで問題を解決しようとしました。
抗うつ薬を飲み、心理カウンセリングを受け、職場を変えたことで、心を再び取りもどし、うつ病を克服することができました。
うつを克服してから、仕事も順調に進むようになり役職も上がり「自分はもう大丈夫だ!」と思えた矢先、また仕事でストレスを感じはじめ、最後は動くことができなくなり、再び「うつ病」と診断されました。
2回目のうつ病を診断されたとき、「またうつの自分に戻ってしまった」ことがつらく、さらに追い打ちをかけるように、登校拒否児で学校に行けなかった時の記憶を鮮明に思い出してしまいました。
結局、「学校に行けなかった幼少期の自分」と「うつで仕事に行けない大人の自分」は、本質的に何も変わっていないことに気づき、絶望しました。
「うつ病になった」という表面的な悩みを解決したとしても、心の中の根本的な何かを解消しないと、これからも同じ事を繰り繰り返すことになる。
そこで、「うつ病を治す方法」を求めるのではなく、「なぜ、うつ病になったのか?」を徹底的に自己分析し気づきました。
「学校に行けない」「うつ病になった」は、まったく同じ根っこであることに。
悩みとは、無意識の思いに気づくこと
私の「学校に行けない」「うつ病になった」という現象は、「人に合わせすぎて自分を抑えてしまうこと」や「人から好かれたい、逆に言うと人から嫌われたくない」という無意識下の欲求から起きていました。
私をとりまく環境と無意識の思いをうまく合わせられると、私は能力を発揮する。しかし、とりまく環境と無意識の思いを合わせられないと、心が不安定になり周りから大きなストレスを感じてしまう。
子供の頃に学校に行けなかったのも、大人になり仕事のストレスでうつ病になったのも、学校や友人のせいではなく、職場や仕事やストレスのせいでもなく、すべて無意識下の思いと環境とのギャップにあることに気づきました。
無意識下の思いに気づけた(意識化した)ことで、これからは「自分の素直な思いを表現したうえで、人から嫌われてしまうことは仕方がないこと。人から好かれることを優先して、自分をおろそかにするのはやめよう」と決意しました。
その頃から、意識的に少しずつ自分の思いを表現したりブログで書きはじめたりと、決意したことを実際に行動に移していきました。
すると、少しずつ今の自分を肯定できるようになり、それと同時にうつ症状は消えていきました。いま振り返ると、うつ病になった悩みは、無意識の思いに気づくきっかけになりました。。
最初に話に戻しますが、私のカウンセリングで「悩みを解決する方法」を伝えないのは、悩みは無意識にある思いに気づくチャンスでもあるからです。
無意識にある思いは、今の悩み・過去の嫌な記憶・弱く情けない自分と向き合いつつ、心に溜まったマイナスのことを、ひとつひとつ整理していくことで、気づけるのだと思います。
そして、無意識の思いに気づけたとき(意識化できたとき)に、はじめて思いを変えられて、思いが変わることで行動も変わる。その結果、当初の悩みは、もう悩みではなくなっている。
悩とは、無意識の思いに気づくことなのだと、私は思います。
まとめ
いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできない
~アルバート・アインシュタイン
悩みも一緒で、「これは悩みだ」と感じているままの意識では根本的な解消はできず、逆に、悩みをとおして無意識の思いに気づき意識を広げていくことによって、悩みは相対的に小さくなっていく。
そう考えると、私たちが心に抱える悩みは問題とは、意識を変えていくための、きっかけに過ぎないのかも知れません。
悩みや問題を抱えたとき、「どうしてこの現象に悩むのだろう」「悩みを通して何に気づけるだろう?」「本当はどうしたいと思っているのだろう?」と自分に問いかけることが、無意識を意識に変える1歩になるだと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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