
カウンセリングSORAの関口です。
これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と強く実感しています。
人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。
そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながらブログを綴っています。
しばらくの間は「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。
今日の言葉
イソップ寓話より引用
158)狼と老婆
腹をすかせた狼が食物を求めてうろついていた。とある家まで来ると、老婆が泣きわめく子供を脅して「泣きやまないと狼にやるよ」と言うのが聞こえた。狼は本気の言葉だと思い、じっと待っていた。ところが、日が暮れても何も起こらなかったので立ち去りつつ独り言した。「この家の者たちは、言うこととすることが別々だ」――言葉と行いを一致させない人たちに、この話は当てはまるだろう。【引用元:岩波文庫『イソップ寓話集』著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
イソップ寓話『狼と老婆』に学ぶ言行一致 ― 言葉と行動を一致させる生き方
言行一致とは、言葉と行動が一致している状態を指します。
さらに深めれば、「思考・言葉・行動」の三つがそろっていることだとも言えるでしょう。
おそらく、狼はお婆さんにその「言行一致」を期待したのだと思います。
しかし、お婆さんが言った「狼にくれてやる」という言葉は、子供を泣き止ませるための脅しにすぎず、本心から出た言葉ではありませんでした。
お婆さんの思考は「子供に泣き止んでほしい」という一点にあり、そのための手段として「狼にくれてやる」という言葉を使っただけなのです。
この寓話は「言行一致しない人」を批判していますが、同時に「言葉の裏にある思考を読み取れなかった狼」にも問題があったのではないでしょうか。
私たちもまた、誰かの言葉をそのまま受け取り、背景にある本当の思いを見落としてしまうことがあるのではないか――そう気づかされます。
言葉の裏には、必ず「思考」や「意図」があります。
その背景を理解しようと努めることも、人間関係を築くうえで大切な姿勢だと思います。
今日の問いかけ
「あなたは、言行一致を意識していますか?」
思考・言葉・行動が一致していると、人は迷わずに進むことができます。
しかし、この三つがバラバラになると、自分を見失い、周囲からの信頼も失ってしまいます。
だからこそ、日々の中で「自分の言葉と行動は一致しているか?」を問い直しながら過ごしたいものです。
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