「挑む夢」と「逃げる夢」のちがい

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口剛史です

    みなさんは「夢」を描いていますか?

    ワクワクする夢、楽しい夢、憧れる夢、など夢をイメージするのは楽しいものです。

    しかし、夢には「挑む夢」と「逃げる夢」があるのをご存じですか?

    この夢のちがいを理解しておかないと、夢を描いても自分も環境も変わらない日々を過ごすことになります。

    今日は「挑む夢と逃げる夢のちがい」について書いていきます

    目次
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    ITエンジニアが農家になる夢


    以前、私が有機農家で働いていたとき、ITエンジニアの男性が1日農業体験にきました。

    彼は職場での人間関係の悩みからうつ病になり、復帰に向けた準備として1日農業体験を受けにきました。

    青空の下で、彼と一緒に草むしりをしていたときに、彼は言いました。

    「僕の夢が見つかりました。僕は今の仕事を辞めて、これから農家を目指したいと思います」

    彼の顔はパッと明るくなり希望が見つかったような様子。私は「どうして、そう思うのですか?」と質問したところ、「自然はいいじゃないですか。自分のペースで仕事ができて、嫌な人との人間関係もない、僕にはぴったりだと思います」とのことでした。

    私は、彼の言葉を聞いたとき、彼の描いた夢は「逃げる夢」だと感じました。

    挑む夢と逃げる夢のちがい

    私たちは夢・理想・希望など、自分が将来こうなれたらいいなと未来を想像します。

    夢や希望が明確になることで、そこに向かって「頑張ろう」という気持ちになれるものです。

    しかし、私たちが描く夢には「挑む夢」と「逃げる夢」があるのをご存じでしょうか。夢を設定する際、この2つの違いを理解しておかないと、私に合う夢探しがはじまってしまいます。

    「逃げる夢」とは、今の嫌なこと辛いことから逃げるために描かれる夢です。

    例えば、事例で紹介した彼の「農家をやりたい」という夢は「逃げる夢」です。

    彼は、職場の人間関係で深く悩んでいたため、農家になれば人間関係から解放されるという思い込みで「農家になりたい」と思いました。

    しかし、彼が本当に望んでいたことは「農家になる」ことではなく「人間関係から解放される」ことでした。この思考のギャップに気づけないと、彼は農家になったとき、農家同士での人間関係に悩み、自然相手の農業のつらさに直面することになるでしょう。

    一方、「挑む夢」とは、心から「本気でそうなりたい」と強く描かれる夢です。

    例えば、事例で紹介した彼が「本気で農家になりたい」と思ったのであれば、現職を辞める前に、農業に対する勉強や経験を積んで、それから会社を退職するでしょう。「本気でそうなりたい」と思う夢だからこそ、自然の厳しさと商売の難しさなどの試練に直面したときに乗り越えられるものです。

    「逃げる夢」は悪魔の声で現状維持の提案、「挑む夢」は天使の声で心の成長を提案になります。

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    ワクワクする夢は「逃げる夢」

    願望実現や成功法則のセミナーなどでは「ワクワクする夢をリアルにイメージして描きましょう」と言われています。

    「イメージするだけで、心からワクワクし楽しいと思えるような夢が、あなたが叶えたいと思っている本当の夢。だから、夢を叶えるためにイメージワークをして、みんなで楽しい気分になりましょう」という幸せセミナーが多いように思います。

    確かに「夢をリアルにイメージすること」は重要です。しかし、楽しいとかワクワクといったポジティブ感情で夢を描くと、ほぼ「逃げる夢」になります。

    夢を設定すると必ず試練も一緒にセットされます。ワクワク感や楽しいといったポジティブ感情だけで夢を描くと試練に直面したときに「この夢はワクワクしない」「こんな苦しい夢ならあきらめる」という状態になって、次の夢を探しにセミナーにいくことになります。

    いつまでたっても夢が叶わないのは、夢だけを見ているからです。

    「挑む夢」は試練も一緒にセットされる

    「本気でそうなりたい」と思える「挑む夢」を設定すると、それ相応の試練も一緒にセットされます。なぜならば、その夢にふさわしい人間になるためには、心の成長・人間性の向上が不可欠だからです。

    試練の言葉の意味は下記のとおりです。

    試練とは

    信仰・決心などの強さをきびしくためすこと。また、その時の苦しみや苦難。「多くの試練を乗り越える」「試練に耐える」

    ~大辞林より引用~

    試練とは「あなたが本当にその夢を叶えたいかどうか」と心を試す練習です。よって、夢が大きければ大きいほど、多くの試練に直面することになります。

    その試練をひとつひとつ自分の力で乗り越えてゆくことで、心は成長し人間性が高まり、夢に相応した自分になれたとき、気づいたら夢が現実になっているのではないでしょうか。

    「神は乗り越えられる試練しか与えない」「神は乗り越えられない試練を与えない」と言われていますが、試練は夢や希望や理想を描いているからこそ、心を試すために与えられるものなのです。

    まとめ

    事例で紹介した彼は「いつか農業をやりたい」という本気の夢を描きつつ、まずは現職でコミュニケーションを改善することが先決であることに気づき、職場に復帰することにしました。

    うつ状態が回復し仕事に復帰して、それでも「農家になりたい」と強く思えるのであれば、それは彼にとっての「挑む夢」になることでしょう。

    人間は想像力があるため夢を描きます。でも、その夢は「逃げる夢」と「挑む夢」があります。夢を描いたときに、「この夢はどちらの夢なのだろう?」と心に問いかけ、どんな試練があっても叶えたいと思える夢が「挑む夢」です。

    「挑む夢」が見えてきたとき、その夢を叶えるために必要な行動と想定される試練を書き出してください。道と壁が見えることで、夢に向かった1歩踏み出しやすくなるものだから。

    ここまでお読みいただきありがとうございました。

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