みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口剛史です。
アニメなどで、主人公の肩に天使と悪魔が乗って天使の声と悪魔の声で、どちらにしようと悩むシーンを見たことがありますか?
実は、自然界の摂理の中や私たちの心の中に天使と悪魔は存在しています。
天使と悪魔の存在を、二宮金次郎は「神魂・真心・道心」と説きました。
みなさんは、天使の声と悪魔の声が聞こえたとき、どちらの声を選んでいますか?
神魂・真心・道心
二宮金次郎の「二宮翁夜話集」から「神魂・真心・道心」をご紹介します。
神魂・真心・道心
翁のことばに、人の神魂について生ずる心を真心という。すなわち道心である。
身体について生ずるものを私心という。すなわち人心である。
人心は、たとえば田畑に生ずるはぐさのようなものだ。つとめて除き去らねばならない。
そうしなければ、はぐさが作物を害するように、道心を荒らすものだ。
つとめて私心の草をとり、米麦を培養するように、工夫を用いて、仁義礼智の徳性を養い育てねばならない。
これが、身体を修め斉(ととの)えるための勤めである。
引用 二宮翁夜話(上) 発行:一円融合会刊 原著:福住正兄
心の中にいる天使と悪魔の正体
田んぼに、稲を植えると、必ず雑草のひえも一緒に育ちます。
田植えを終えた頃のひえは小さいのですが、そのまま放置すると、秋にはひえが大きく育ち、米の収量は減ります。
田に稲を植えればひえが育つように、心のなかで夢・希望・理想・目的などのプラスを望むと、必ず反対のマイナスのことが起きます。そして、マイナスのことを放置すると、最後はマイナスの結果になって終わります。
身近な例をあげると、夏までに10kgダイエットしようとします。すると、必ず「面倒くさい」というマイナスの気持ちがうまれます。また、何かに成功して自信をもつと過信もうまれ、過信を放置すると失敗に終わります。
何かプラスのことを望むと、必ずマイナスのことも同時に育ちます。
この仕組みが、天使と悪魔の声の正体で、二宮金次郎は天使の声を「道心」と悪魔の声を「私心」と説きました。
道心とは道徳心で、私心とは利己心のことです。
私たちの心の中には良心・道徳心と悪心・利己心が常に共存しています。
相反する心が共存しているから、心の中には道心と私心の選択肢があり、葛藤がうまれます。
心の中で、天使と悪魔の声が聞こえたとき、悪心・利己心を選ぶと、そのときは楽になれます。
しかし、悪心を優先すると、本来の夢や希望をかたちにすることはできません。
それは、稲を植えてもひえをとらなければ、米が収穫できないのと同じ道理だからです。
悪心を優先するのであれば、最初から夢や理想を望まなければいいのですが、プラスを望んでマイナスを面倒に感じてしまうのが人間の心の弱さです。
では、私たちが「良心」・「道徳心」を選択できるようになるためには、どうすればいいのでしょうか。
二宮金次郎はこう説明しています。
つとめて私心の草をとり、米麦を培養するように、工夫を用いて、仁義礼智の徳性を養い育てねばならない。
仁義礼智の徳性を養い、私心の草をとるように努めること。
具体的には、心の中で天使と悪魔の声が聞こえたときに、「天使の声(道徳心)」を意識的に選択することです。
ただ、悪魔(私心)よりも天使(道徳心)の方が、私たちには厳しい試練をあたえます。
それは、試練があることで、はじめて人は考え、学び、努めることができるようになり、その結果として、心が高まり、夢や理想にふさわしい自分になれるからです。
悪魔(私心)の声は現状維持の提案で、天使(道徳心)の声は変化・成長の提案です。
どちらの声を選ぶのかは個人の自由ですが、心で夢や理想などを望みながら、悪魔の声(現状維持)を優先させることはやめましょう。
心にとって、それが1番の苦しみになるものだから。
まとめ
私たちの心には天使と悪魔が共存しています。
だから、何かあるたびに、私たちは迷い悩み、葛藤を感じます。
ただ、迷いや悩みや葛藤があるということは、自分には選択肢があるということでもあります。
悪魔(私心)の声は現状維持の提案で、天使(道徳心)の声は変化・成長の提案です。
みなさんは、これから天使の声と悪魔の声どちらの声を選んでいきたいと思いますか?
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 関連記事心の中にいる天使と悪魔の正体~神魂・真心・道心~ […]