みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口です。
「いろいろと考え過ぎてしまうので、考えることをやめたい」というご相談を受けることがあります。
考えることをやめるために、その方法を更に考えてしまう。
昔の修行僧も考えることをやめるために修業をしたので「考えることをやめる」ことは人間にとってのテーマのひとつです。
もし、猫のように考えることをやめることができたなら人間も疲れずに楽に過ごせます。
しかし、残念ながら人間は考えることをやめることはできません。
「考える」ことは、山から湧き出る湧き水なようなものです。山から湧きでる水を止めることはできませんし、無理に止めるものでもありません。
大事なことは、考え方をやめるのではなく、考え方を変えることです。
今日は「考え方」について書いていきたいと思います。
考えることをやめる方法
考えすぎて疲れ不安になり「もう、考えることをやめたい」と思うときがあります。そういうときは、考えることをやめる方法を考えて、さらに疲れきてしまうもの。
では、考えることをやめるにはどうすればいいのでしょうか?
その方法は2つあります。
ひとつが「脳と心を止めること」、もうひとつが「今この瞬間に集中すること」です。
例えば、あなたは考えすぎて疲れている犬を見たことがありますか?、過去に後悔している猫を見たことありますか?
そんな、動物を見たことはないですよね。
動物には脳と心がなく、過去や未来を考えることができず、いつもこの瞬間に生きているからです。
彼らはいつも本能的でいまここに生きています。
よって、人間も脳と心を止め、いまこの瞬間に生きることができれば、考えることをやめることはできます。
しかし、脳と心をとめ、いまこの瞬間だけに生きようとすることは「考えることをやめたら人間は終わり」と言われるように、人間でなくなる可能性があります。
せっかく、人間として生まれたのだから、考えることをやめるまえに考え方について考えてみませんか?
考えるのをやめたくなる理由
考えることをやめたくなる本当理由は、何かを考えた結果、不安になり苦しくなり疲れてしまうから。
以前、私はうつ病を患いました。うつ症状が重いとき考えることは常にマイナスでネガティブなことばかり。
考えすぎて疲れ果て「考えることをやめたい」と何度も思いました。
だから「考えることをやめたい」という気持ちはよくわかります。
しかし、考えることをやめたら、苦しいことつらいことから解放されますが、それと同時に楽しいことやうれしいことも一緒に失います。
それでも、あなたは考えることをやめたいと思いますか?
本当に必要なことは、考えることをやめようとすることではなく、考えた結果、なぜつらい気持ちになってしまうのか?を知ることです。
実は、人間にとって考えることはつらいことではありません。もし、考えることがつらいことであるならばクイズ番組は成り立ちません。
問題の本質は「考えること」ではなく「考え方」にあり、「考えることがつらい」のではなく「考えた結果、つらくなっている」だけなのです。
よって、「考え方」を「変える」ことでつらい気持ちは自然と変わっていきます。もし、考えることが楽しいことであれば「考えることをやめたい」とは思いませんよね。
それでは、もう少し考えることについて考えてみましょう。
考えることについて考える
目には見えない「考え・思考」を客観的に捉えるために、思考のマトリックスで説明します。
思考のマトリックスは、縦軸が感情(プラス:マイナス)で横軸が時間(未来:過去)となります。
私たちの「考え・思考」とは、目に見えない指向性エネルギー(以下思考ベクトル)です。
何かを考えるたび、思考ベクトルはマトリックスの4方向(未来のプラス・未来のマイナス・過去のプラス・過去のマイナス)うち、必ずひとつの方向に向かっていきます。
一つの方向に向かう理由は、脳はシングルタスクのため異なる要素のこと(例:「未来への希望」と「過去への後悔」)を同時に考えることができないためです。
次の4方向について説明をします。
過去のマイナス
過去のマイナスは、過去にマイナス体験した出来事のこと(記憶力)
過去のマイナスのことを考えると、気持ちは落ち込み後悔の念にかられます。大きなマイナス体験の記憶はトラウマとなります。
過去のマイナスのことを考えると「あれさえなければ」「あのときこうしておけば」と後悔となり、今を否定しようします。
もしくは、逆に今を否定したいから過去のマイナスのことをあえて考えようともします。
また、トラウマを抱えたときと同じようなシチュエーションになると、防衛本能として思考ベクトルは過去のマイナスに向きます。
過去のプラス
過去のプラスは、過去にプラス体験をした出来事のこと(記憶力)
うれしくなるような思い出、ホッとするような思い出、何かを成し遂げた思い出、思考ベクトルをプラスの思い出に向けることで、いまを受け入れたうえで、未来に気持ちを向けることができます。
未来のマイナス
未来のマイナスは、これから起こる出来事をマイナスに考えること(想像力)。
いつか地震が来るかも・・・、仕事に失敗するかも・・・、あの人から嫌われてしまうかも・・・と、思考ベクトルを未来のマイナスに向けることで、心は不安になります。
また、思考ベクトルの時間軸が未来に向けて長くなればなるほど、比例して不安は増加していきます。
3日後のことよりも3年後のことの方が、心は不安に感じるからです。
未来のプラス
未来のプラスは、これから起こしたい出来事をプラスに考えること(想像力)
これを得たい、これを成し遂げたい、こうなれたらうれしいと、思考ベクトルを未来のプラスに向けることで、心はワクワクした感じになります。
思考ベクトルの時間軸が未来に向けて長くなると、心に夢や期待が膨らみワクワクした感じとなる一方、実際に行動を起こすことが難しくなります。
夢は叶えるよりも描いていた方が楽しいからです。
考え方を変える方法
思考のマトリックスで考えると、思考ベクトルが過去・未来のマイナス側に進んだときに気持ちがマイナスになることがわかります。
ポイントはマイナス側に考えた結果、気持ちはマイナスになるということです。そして「変えるべき考え方」とは、思考ベクトルがマイナス側に向いているときです。
しかし、残念ながら思考ベクトルをいきなり「プラス側に変えること」はできません。なぜならば、思考ベクトルも習慣化されているからです。
マイナス側に考える習慣がある人は、何かを考えるときに無意識でマイナス側に考えてしまいます。
では、習慣化された考え方を変えるにはどうしたらいいでしょうか?
まずは、マイナスの感情を抱いたときにいまの思考ベクトルの向きを意識することです。
例えば、後悔の気持ちになるときは、思考が過去のマイナス側に向いています。不安に感じるときは、思考が未来のマイナス側に向いています。
思考のベクトルを意識することで、後悔や不安の感情は思考の結果うまれていることを理解し、そのマイナス感情を少し受け入れることができます。
次に、思考ベクトルをいまこの瞬間に向けてください。呼吸を意識したり、瞑想をしたりすることで、マイナス側の思考ベクトルを小さくすることができます。
最後に、思考ベクトルを少しプラス側に向けてください。ありたい自分像をイメージすることや心からやってみたいことを少しやってみようとすることで、思考ベクトルは少しプラス側に転じます。
大事なことは、思考ベクトルを自分の人生のプラスになるようなこと(過去のプラス・未来のプラス)に向ける意識をもつことと、過去のマイナスを過去のプラスへ、未来のマイナスを未来のプラスへ変えるために考え続けることです。
具体的な方法は下記のブログに書いてあります。
すぐに答えは見つかりませんが、そういうことを考え問い続けるために、人間にだけ考える脳と心が備わったのだから。
考えることをやめるのではなく、あなたの人生をあなたらしく生きていくために、考え方を変えてみてください。
まとめ
考えることをやめたいと考えるのは、マイナス方向に考えた結果つらい気持ちになっているから。
問題の本質は、「考えること」ではなく「考え方」にあり、「考えることがつらい」のではなく「考えた結果、つらくなっている」だけです。
考えることをやめようと考えるのではなく、あなたの人生がよりよくなるような考え方に変えてください。
考え方が変われば、そのつらい気持ちも自然と変わるものだから。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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