みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口です。
心理カウンセリングでは、この先「どうしたらいいのかわからない」・「どこに向かい、何をすればいいかのが見えない」というご相談をよく受けます。
悩みや問題が深くなればなるほど、思考も心も八方塞がりの状態となり「どうしていいのかわからない」という心境になりますね。
私自身もうつ病を患っていたとき、毎日そんな心境でした。
「どうしていいのかわからない」と感じるとき、それは「目的地」を見失っているときです。
これから進むべき「目的地」が曖昧だから「何をしていいのかわからない」だけなのです。
今回のブログでは「どうしていいのかわからない」と八方塞がりの状態になったとき、そこから抜け出す目的地の設定方法をご紹介します。
カーナビに出来ない2つのこと
いきなりですが、あなたは車を運転しますか?
そして、その車にカーナビは付いていますか?
はじめての場所にいくとき、カーナビに目的地を設定すれば正確に道案内をしてくれるので道に迷うことがありません。
現代のカーナビは高機能化し、目的地までの適切な経路計算を瞬時にできるようになりました。
しかし、どんなにカーナビが高機能化しても、できないことが2つあります。
それが、「目的地を設定する」ことと「異なる目的地を同時に設定する」ことです。
目的地を設定すること
カーナビは「目的地」を設定することで正しい道を案内します。
逆に「目的地」を設定しなければカーナビは道を案内することができません。
目的地を設定していないのに、カーナビに「進むべき道を案内して!」と言えば、カーナビは「どうしていいのかわかりません」と答えることでしょう。
異なる目的地を同時に設定すること
カーナビに設定できる目的地は必ず1つです。
もし「札幌」と「福岡」の異なる目的地を2つ同時に設定ができたらカーナビは正しい道案内ができるでしょうか?
きっと、最初の交差点でカーナビは「北に向かう」べきか、それとも「西に向かう」べきかを悩みはじめ「どうしていいのかわかりません」と案内をすることでしょう。
異なる目的地を同時に設定することはできません。
異なる目的を設定したいのであれば「福岡」を経由地にして「札幌」を目的地に設定する必要があります。
「どうしていいのかわからない」とき
人間の思考プロセスは、カーナビとよく似ています。
目的が曖昧なときや異なる目的を同時に設定したとき、思考はフリーズしてこれからのことを何も考えられません。
「どうしていいのかわからない」と感じるとき「何をしていいのかわからない」のではなく「どこに向かえばいいのかがわからない」のです。
よって、「どうしていいのかがわからない」ときは、まずは目的地を設定することです。
目的地が決まれば、思考は目的地までの道筋を考えはじめます。
例えば、東京駅にいるあなたが福岡に行こうと思えば、福岡に行くまでの方法をスマホで調べ、新幹線に乗るか羽田空港に向かうことでしょう。
しかし、多くの場合なかなか目的地が決められません。
なぜならば、正しい目的地がわからないからです。
例えば、友人から「福岡に来て」と言われたり上司から「札幌に行って」と言われたりすれば、迷わす行くことができるのですが、自分の「これからの目的地」は誰かから指示されることはありませんので目的地がなかなか決められないのです。
旅行の目的地を決める思考プロセス
今の時期、夏休みに旅行を計画している方も多いのではないでしょうか。
あなたが旅行に行くとき、どのような基準で目的地を決めていますか?
きっと、温泉でゆっくりしたい、海外の雄大な景色を眺めてみたいなど、かなり漠然としたイメージから目的地を決めていると思います。
それから、夏休みは温泉に行こう!と決め、次に山間のひなびた温泉に行こうと決め、次に2泊3日で予算は5万円以内など条件を定めて、最後に地図を眺めて「草津温泉にしよう」と目的地を決める。
それから「草津温泉」の旅行の出発に向けて、言語で計画を具体化しているはずです。
しかし、自分の「これからの目的地」を考えるときはなぜかいきなり具体的な目的地を決めようとします。
前回のブログでも書きましたが、思考とは「イメージ+言語化」のプロセスです。
イメージも言語化もされていないものを考えたり決めたりすることはできません。
これからの目的地を決めるときも、旅行にいくような感じでとりあえず漠然とイメージをすることからはじめ、そのイメージに向け出発ができるように具体的に言語化して計画を作ってみてください。
自分のこれからの目的地を決めることも、旅行先の目的地を決めることも、同じ思考プロセスです。
旅行の目的地が決められるのであれば、自分の目的地を決めることもできます。
目的地の評価は着いてから
これからの目的地を決めることは、どこか不安を感じるものです。
それは、その目的地が正しいかどうかが出発の時点ではわからないからです。
しかし、その目的地が正しかったのかそれとも誤りだったのかの評価ができるのはその目的地にたどり着いたときです。
あなたにはがっかりした旅行の思い出はありませんか?
例えば、観光ガイドブックに掲載されている写真ではとても雄大な風景だったのに、いざその場所に行ってみると小さな風景で「がっかり」、おいしいと評判のお店にいったら「とてもまずかった」という思い出です。
ガイドブックに記載されているから期待をしていたのに、目的地ついてその期待が裏切られたとき、目的地が誤りだったとはじめてわかります。
逆に、期待をしていなかったのに期待以上の出会いがあれば、そこの目的地は正しかったとわかります。
結局、その目的地が正しいのかそれとも誤りなのかは、自分自身の足でその地に立ち、そこで実感をしてみないとわかりません。
その地に立ってみないとわからないことを出発前に「どうしたらいいのかわからない」と悩んでいても時間だけが過ぎ去るばかりです。
もし、目的地が誤っていたとしても、そこから次の目的地を再設定して進み直せばいいだけです。
それに、旅の記憶として残ることは、旅先での期待以上の感動に出会えたときか失敗談のいずれかです。
旅の失敗談は最後はいい思い出になります。
「どうしたらいいのかわからない」と感じたときは、失敗を恐れずにこれからの目的地を設定してみてください。
目的地を設定することで、はじめて道筋が見えるものだから。
まとめ
「どうしたらいいのかわからない」と感じるとき、ひとつだけわかっていることがあります。
それは「いまをどうにかしたい」という気持ちがあることです。
物事がスムーズに流れていれば「いまをどうにかしたい」とは思いません。
心のどこかで「いまをどうにかしたい」と望んでいるから、その反作用として「どうしたらいいのかがわからない」と悩んでいるだけなのです。
物事の流れを変えるには、何かを変える必要があります。
そして、あなたが変えることができるのは、あなた自身とあなたのこれからの未来だけです。
「どうしたらいいのかわからない」と感じるときほど、目的地を設定して1歩進んでみましょう。
それだけで、未来への流れは大きく変わるものだから。
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