ないもの探しより、あるもの探しを ― イソップ寓話に学ぶ幸せの見つけ方

    カウンセリングSORAの関口です。

    これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。

    人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。

    そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながらブログを綴っています。

    しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。

    目次
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    今日の言葉

    イソップ寓話より引用

    175)旅人とプラタナス
    夏の盛りの真昼どき、旅人たちは炎暑にぐったりしていたが、プラタナスを見つけたので、その下にもぐり込み、木蔭に横になってひと息入れていた。そしてプラタナスを見上げつつ、「この木は人間にとって何と役立たずなんだ、実もつけないし」と言い合った。するとプラタナスが遮って言うには、「恩知らずどもめ、私の恩恵にあずかっている今でさえ、私を実なしの無用者と呼ぶのか」
    このように人間の場合でも、隣人に親切を施しているのに、その善さを倍じてもらえないほど不運な人がいるものだ。

    【引用元】岩波文庫『イソップ寓話集』著 イソップ/翻訳 中務哲朗


    ないもの探しより、あるもの探しを ― イソップ寓話に学ぶ幸せの見つけ方

    プラタナスとは、スズカケノキ科の落葉樹で、大きな葉を広げて木陰をつくるため、日本各地で植えられています。

    この寓話では、真夏の昼下がりに木陰で休ませてもらっていながら、その恩恵を与えてくれているプラタナスを「役立たず」と批判しています。

    実際の生活でも、似たようなことは少なくありません。

    • 親の努力で家族が生活できているのに、子どもはその努力を知らずに親を非難してしまう。
    • 子どもは学校で頑張っているのに、親は「成績が悪い」と欠点ばかりを責めてしまう。
    • 衣食住に困らない恵まれた社会にいながら、「日本はダメだ」と嘆いてしまう。

    私たちは「今あるもの」には気づかず、「ないもの」ばかりを求めがちです。寓話では、そのような人を「不運な人」と呼んでいます。

    なぜ不運なのでしょうか。

    それは「幸運に気づけない」からだと思います。
    幸運とは、外から与えられるものではなく、すでに与えられているものに気づいたときに見えてくるものだからです。

    木陰で休んだときに「プラタナスがここにいてくれて幸せ」と思える人こそ、幸運を感じられるのです。
    「旅人とプラタナス」を読み、私はそのことを改めて実感しました。


    今日の問いかけ

    「すでに与えられているもの・あることに、気づけていますか?」

    いつも「ないもの」を追い求めるより、まずは「あるもの」に気づくこと。
    それだけで人生はより豊かになっていきます。

    「ないこと探し」よりも「あること探し」をしてみましょう。

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