コミュニケーションの苦手意識を変えるには・・・

みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口剛史です。

SNSが普及し、誰もが気軽にコミュニケーションを交わせる時代になりました。

その一方で「コミュニケーションが苦手」と感じる人が増えているようにも感じます。

先日「コミュニケーションが苦手で、人と上手く話せない」というご相談がありました。

お話を聞いたところ「コミュニケーションが苦手なのではなく、自分の思いを伝えられていない」ことが悩みの本質でした。

今日は「コミュニケーションの苦手意識を変えるには」について書いていきます。

目次
オンラインカウンセリング

コミュニケーションが苦手なAさん

ご相談いただいたのは20代の女性(Aさん)。

Aさんは「昔から、人と話すことが苦手で、人とうまく話せない、言葉が出てこない」とコミュニケーションのことで悩んできたとのこと。

話し方教室などに通ったけれど、うまく話せるようにならなかったそうです。

お話を聞いていると「自分はコミュニケーションが苦手である」ことを、とてもわかりやすく説明してくれました。

「お話、とても上手ですね」と伝えると、Aさんは「それは、しっかりお話を聞いてくれたからです」とのこと。

そうなのです。

本当は、Aさんはコミュニケーションが苦手でもないし、話が下手でもありません。

話す相手によっては、とても上手に会話することができている。

事実、両親や親友など、Aさんと心の距離が近い人と話しているときに「コミュニケーション苦手」と感じたことが1度もないとのことでした。

それなのに「私はコミュニケーション苦手、上手く話せない」と自分のことを1つにまとめて見てしまうから、いつも悩んでしまうのです。

「コミュニケーション苦手」と感じるときは、まずは「すべてのコミュニケーションが苦手なのではない」ことを自覚すること。

次に、どういう場面で「私はコミュニケーションが苦手」と感じるのか見つけることが、はじめの1歩です。

コミュニケーションの苦手意識を変えるには

Aさんとお話を進めながら、Aさんが「コミュニケーションを苦手」と感じるときをリストアップしてみました

Aさんがコミュニケーション苦手と感じるとき

  • 多くの人の前で発表するとき
  • 相手が年上の人のとき
  • 相手が何を考えているかわからないとき
  • 相手に好かれたいと思うとき
  • 相手に嫌われたくないと思うとき
  • 相手に評価される必要があるとき
  • 相手が高圧的な態度をとるとき

などなど

リストから、Aさんがコミュニケーションを苦手と感じるときに、ひとつの共通点があることがわかります。

それは、相手の価値観や評価軸でコミュニケーションを交わそうとするときです。

多くの人の前で発表するときに苦手を感じるのは、多くの人に評価してもらいたいという思いがあるから。

相手が何考えているかわからない、相手から好かれたい(嫌われたくない)、評価されたい、相手の態度は、すべて相手の心の中にあることです。

相手の心にあることを、Aさんがコミュニケーションでどうにかしようとするとき、Aさんはコミュニケーションが苦手と感じてしまう。

コミュニケーションに苦手意識を持ってしまうと、何話していいかわからなくなり、うまく話せなくなってしまうのです。

コミュニケーションに苦手意識を持てる人は、相手の心のことを考えられる人です。

ただ、相手の心のことを優先して考えすぎてしまうと、自分のことがわからなくなり、コミュニケーションがうまく交わせなくなってしまいます。

そもそも、私たちはなぜコミュニケーションを交わすのでしょうか?

それは、自分の考えや思いを相手に伝えることと、相手の考えや思いを理解するためです。

よって、まずは自分の考えや思いが自分の中で明確でないと、人とコミュニケーションを交わすことはできません。

コミュニケーションの苦手意識を変えるには、自分の考えや思いを相手に伝えることと、相手の考えや思いを理解しようとすることです。

苦手意識を変えていくには、自分が苦手と感じていることに向き合い、これまでとは違う行動(チャレンジ)をすることが大切です。

Aさんには、コミュニケーションをうまく交わそうとする前に、まずは自分がその場面で、何を思い、どう考えて、どうしていきたいのかなど、自分の考えと気持ちを少し明確にすること。

そのうえで、コミュニケーションが苦手と感じる人や場面のときに、勇気を出して、自分の考えや素直な気持ちを伝えてみることを課題としました。

また、Aさんが自分の考えや気持ちを素直に伝えたとき、相手からの評価を求めないこと、仮に相手の反応がよくなくても、Aさんは素直な気持ちを伝えられた自分を否定しないことも課題としました。

カウンセリング終了後、Aさんは「コミュニケーションが苦手」と感じるときに、少しずつ自分の考えや気持ちを伝える訓練をはじめました。

最初は「今日はいい天気で気持ちいいですね~」と軽い内容からはじめました。

そして、相手に自分の思いや考えを伝えることを意識しながら少しずつ続けていきました。

その結果、相手も自分のことを話してくれるようになり、自然なコミュニケーションが交わせるようになったとのことでした。

自分の素直な気持ちを伝えることで、相手もまた気持ちを伝えてくれるものです。

自分の気持ちと相手の気持ちが分かり合えれば、自然にコミュニケーションが交わせるようになりますよね。

Aさんは「自分の考えや思いを相手に伝えられるようになったことで、人とのコミュニケーションが楽しいと感じるようになった」とのことでした。

まとめ

SNSが普及したことで、コミュニケーションは交わすことが目的となり、自分の思いや相手の考えを理解することが忘れられているように感じます。

コミュニケーションの目的は、自分の考えや思いを相手に伝えることと、相手の考えや思いを理解することです。

コミュニケーションが苦手と感じるときは、コミュニケーションの本来の目的を見失い、相手の価値観や評価軸でコミュニケーションを考えてしまっている可能性があります。

その場合は、まずは自分の考えや気持ちを明確にすること、そして状況に合わせて、自分の考えや素直な思いを伝えるようにしてみてください。

自分の思いが伝わり、相手の思いが理解できれば、もうその人とコミュニケーションが苦手と意識では感じられなくなると思います。

また、仮に自分の素直な気持ちが相手に伝われなくても、自分のことを否定しないでください。自分の素直な気持ちを理解できるのは、自分だけなのだから。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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