強く見える人ほど、実は弱い? イソップ寓話に学ぶ本当の強さ

    カウンセリングSORAの関口です。

    これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。

    人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。

    そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながら、1日1文のブログを綴っています。

    しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。

    目次
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    今日の言葉

    イソップ寓話より引用

    82)驢馬(ロバ)と雄鶏とライオン
    馬と雄鶏が一つ小屋の中にいた。腹をすかせたライオンが驢馬を認め、押し入って平らげてやろうとしたが、雄鶏が鳴いたので、その声に腰を潰し、睡を返して逃げ出した。
    ライオンは鶏鳴に怯える、と言われているのである。 ライオンは鶏を怖れたのに、馬がライオンを見下し有頂天になって、小屋をとび出し追いかけて行った。
    そして、遠くまで来て、食われてしまった。
    このように人間の場合でも、敵が辞を低くするのを見たばかりに大胆になり、うかうかと殺されてしまう人がいるものだ。
    【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

    強く見える人ほど、実は弱い? イソップ寓話に学ぶ本当の強さ

    先日、銀行で窓口の手続きを待っていたときのことです。隣にいた年配の男性が突然声を荒らげて、行員に怒りをぶつけ始めました。

    「遅い、いつまで待たせるんだ。俺は○○○銀行(大手銀行)の支店長をしていたことがある。俺が支店長のときは、こんなに客を待たせることはなかった!」

    そんなふうに、自らの過去の肩書を持ち出しながら、不満を大声で訴えていたのです。

    接客を担当していた行員は、丁寧に状況を説明し、待たせていることについて謝罪していました。しかし男性は、なおも「俺が支店長だった頃は」と過去の話を繰り返し、怒りをぶつけ続けていました。

    しばらくすると、その男性のスマートフォンが鳴り、どうやら奥様からの着信のようでした。どんなふうに応対するのか気になって様子を見ていると、

    「ごめん、銀行の対応が遅くて、まだかかりそう。すみません」

    と、先ほどまでの強い態度とは打って変わり、申し訳なさそうな口調で話していたのです。

    自分が強く出られる立場では強気になり、逆に分が悪いと見ると弱気になってしまう。

    立場によって態度を変えるのは、自分の内面の弱さを覆い隠しているだけなのかもしれません。

    最近では「カスタマーハラスメント」という言葉をよく耳にします。

    お客様という立場を利用し、店員に対して過剰な要求や威圧的な態度をとる行為です。

    けれども、その怒りの多くは、サービスに対する正当なクレームというよりも、有利な立場を使って自分の中にある抑圧された感情を、怒りという形で発散しているだけのように見えます。

    しかし、気をつけなければならないのは、自分が有利な立場にいられるのは「店の中でお客様である間だけ」だということ。店を一歩出れば、その立場は一瞬にして消え去ります。

    この一連の様子を見ていて、私はイソップ寓話の「驢馬(ロバ)と雄鶏とライオン」を思い出しました。

    あの話に出てくる“雄鶏”を“立場”に置き換えると、現代の人間関係がよく見えてきます。

    「元○○○銀行の支店長」という過去の立場や、「お客様」という一時的な優位性は、あくまでも“立場”が少し強いだけであって、その人自身が強いわけではありません。むしろ、自分の弱さを補うために、立場という仮面をかぶっているにすぎないのです。

    もし、自分の弱さに気づかずに、立場の力に頼り続けるようであれば――いつか“ライオン”のような本当の強さを持つ人に、あっけなく打ちのめされることになるでしょう。

    それもまた、因果応報なのだと思います。

    イソップ寓話集の「驢馬(ロバ)と雄鶏とライオン」を読んで、そんなことを感じました。

    今日の問いかけ

    「どんな立場であろうとも、奢らずに真摯な自分でいられていますか?」

    肩書きや優位性に左右されずに、誰にでも同じ自分で接していきましょう。

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