目標までコンフォートゾーンを広げていこう

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口です。

    今年も新しい1年がはじまりました。

    「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」というように、新しい年のはじまりに今年の目標を立てる人も多いのではないでしょうか。

    でも、せっかく立てたその目標、毎年途中で挫折していませんか?

    新年に目標を立て「よしやるぞ!」と思っても、4月頃には「まあいいや・・・」と簡単に挫折をしてしまう。

    以前の私もそうでした。

    どうして、新年に目標を立ててもその目標が達成できないのでしょうか?最初のモチベーションが続かないのは、なぜなのでしょうか。

    それは「人間は頭で変わりたいと考えても、心で変わりたくないと思っている」からです。

    今回は新年特別企画として「コンフォートゾーン」の考え方を取入れながら、達成できる目標設定の方法について解説をしていきます。

    目次
    オンラインカウンセリング

    変わりたくても変われない理由

    「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」とあるように、「今年こそはダイエットしよう!」、「今年こそは資格を取得しよう!」など、新年に今年の新しい目標を設定する方も多いのではないでしょうか。

    しかし、2月になるとモチベーションが落ち始め、4月になると「まあ、いいか」と挫折をしてしまい、また同じような1年を過ごしてしまう。

    そんな経験、あなたにもありませんか?

    どうして、新年に目標を立ててもその目標が達成できないのでしょうか?最初のモチベーションが続かないのは、なぜなのでしょうか。

    それは「人間は頭で変わりたいと考えても、心で変わりたくないと思っている」からです。

    心には「恒常性」という「今の自分を保とう」とする働きがあるため、心は「新しい変化」に抵抗をします。

    頭で「私はこうありたい!」と考えても、心は「不安だから変わりたくない」と思っている。

    新しい目標を立てることとは、新しい変化を起こすこと。

    新年に目標を立てると「今年はこうしていきたい」という考えと「変わりたくない」という思いがぶつかりあい(葛藤)が、心の中ではじまります。

    私のなかで思考と心がぶつかりあうと、新しい行動を起こすためのエネルギーが消費され「よしやるぞ!」というモチベーションが低下していく。そして、4月頃には「変わりたくない」という思いが勝利し、目標をあきらめてしまう。

    「今年こそはダイエットしよう!」・「今年こそは資格を取得しよう!」など、新年に新しい変化を決意しても、変化を恐れる「恒常性」の抵抗により挫折をしてしまう。

    これが「変わりたくとも変われない」理由です。

    「変わりたくない」という「恒常性」の根強い抵抗があるなかで、どのようにすれば新しい変化を起こすことができるのでしょうか?

    新しい変化を起こすために「コンフォートゾーン」という考え方を解説します。

    目にはみえない3つのゾーン

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    人間には自分を中心として目にはみえない以下3つの領域があります。

    • コンフォートゾーン
    • ラーニングゾーン
    • パニックゾーン

    この3つの領域には以下の特徴があります。

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    例えば、これから紙に「あいうえお」をペンで書くとします。(出来事・機会)

    あなたの利き腕で「あいうえお」を書くとき、あなたは何かを考えストレスを感じるでしょうか?

    今のあなたがなにも考えずにできることが「コンフォートゾーン」です。

    コンフォートゾーンのイメージ

    コンフォートゾーンとは恒常性の幅です。コンフォートゾーンは安心で安全な環境で、なにも考えずにできることばかりなので、楽ではありますが楽しくはありません。また、成長もありません。

    もしかしたら、「人生がつまらない」と感じている人は「コンフォートゾーン」の中に留まっているだけなのかもしれません。

    次に、利き腕とは反対の腕で「あいうえお」を書くとどうでしょうか?

    おそらく、試行錯誤しながら文字を書くことになると思います。この状態が「ラーニングゾーン」です。

    ラーニングゾーンのイメージ

    ラーニングゾーンは恒常性の幅から1歩でた領域です。この領域は中程度のストレスや抵抗を感じますが、その分、思考は活発に働くので、新しく何かを学ぶには最適な状態です。

    最後に、足の指で「あいうえお」を書くとどうでしょうか?

    おそらく、「そんなことは無理!」という考えの基で書くことになります。この状態が「パニックゾーン」です。

    パニックゾーンのイメージ

    パニックゾーンはコンフォートゾーンから、かけ離れた領域です。この領域は大きなストレスと拒絶感・絶望感があり、何も考えることができず思考停止状態です。本能的に危険を感じるため逃避か闘争のどちらかの行動にでます。

    新年に目標を立てても目標を達成するまでの行動が続かないのは、多くの場合パニックゾーンの領域で無理に行動を起こそうとするからです。その理由を次項で解説します。

    目標達成まで行動が続かない理由

    人間1人ひとりの性格や価値観が異なるように、目標や夢も1人ひとりが異なるものです。100人いれば100通りの夢や目標が描かれることでしょう。

    しかし、100通りの夢や目標のなかで、ひとつだけ共通していることがあります。

    それは、その人が心から「やってみたいこと」が夢や目標として設定されるということです。

    逆に考えると、夢や目標とは「今の自分にはできないこと」が必ず設定されることになります。

    では、夢や目標は3つのゾーンのどこに配置されるでしょうか?

    夢や目標の大きさにもよりますが、夢や目標とは「今の自分にはできないことだけど、未来の自分が成し遂げたいこと」ですので、コンフォート・ラーニングゾーン外のパニックゾーンにあるもの。

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    夢や目標を設定した後は高揚感があり、明日から「よりやるぞ!」という高いモチベーション状態になれるのですが、実はこの高いモチベーションが行動を止めてしまうのです。

    例えば、新年に「夏までに20kgダイエットをしよう」と目標を立て、そのために「毎朝5Kmマラソンをしよう」という行動目標を設定するとします。

    しかし、マラソンを習慣化できていない人にとって「毎朝5Kmマラソンをする」という行動目標はパニックゾーンの領域になります。

    パニックゾーンは「変わりたくない」という「恒常性」の反発も大きく精神的にストレスがかかります。また、パニックゾーンは何かを考えることができず、闘争か逃走の2択の行動になるので、結果としてあきらめてしまうのです。

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    夢や目標を設定するとき「ワクワク」した気持ちで高揚感があり、明日から「よりやるぞ!」という高いモチベーション状態になれる反面、必ず大きな変化を起こそうとします。しかし、大きな変化は大きな抵抗を伴うので、結果としてモチベーションが続かず行動を止めてしまうのです。

    では、どうすれば夢や目標に向けて行動を継続できるのでしょうか?

    それは、夢や目標を設定した後は、その為に必用な行動をラーニングゾーンまで細分化することです。

    目標はラーニングゾーンまで細分化する

    夢を叶えるセミナーや目標達成講座など、夢や目標を叶えた状態を右脳でリアルにイメージし「ワクワク」することで、その夢や目標が引き寄せられると言われています。

    しかし、目標をイメージして「ワクワク」な気持ちになれても、その目標が引き寄せられ叶うことはありません。なぜなら、目標はパニックゾーンに存在するものだからです。

    本当の意味で目標が叶うとは、目標とする状態まで自らのコンフォートゾーンを広げていくことです。そのためには、最終目標を設定した後に、自らの足でコンフォートゾーンの外へ踏み出していくための具体的な行動目標が必用になります。

    では、どのように行動目標を設定すればいいのでしょうか?

    それが「ラーニングゾーン」を意識した行動目標の設定です。

    3つのゾーンのうち「ラーニングゾーン」が1番パフォーマンスを発揮すると言われています。よって、新しい変化を起こし新しく何かを学んでいくには「ラーニングゾーン」に意識的に自分を持っていくこと。

    しかし、3つのゾーンは目には見えません。どこまでが自分のコンフォートゾーンで、どこからがラーニングゾーンなのでしょうか?

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンの見極めは、自分が「中程度のストレスと抵抗」を感じる行動目標かどうかです。

    具体的には「少し頑張ればできそうなことにチャレンジすること」がラーニングゾーンの領域になります。

    例えば、「夏までに20kgダイエットをしよう」という目標を設定したのであれば、最初は「毎週1回は5Kmマラソン」するという行動目標の方が恒常性の抵抗が小さくなり、あきらめずに継続できるものです。

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    夢や目標を右脳でイメージした後は、その夢や目標が達成できるまでのプロセスを左脳で論理的にラーニングゾーンになるまで細分化すること。

    目標を細分化し継続的に行動を起こすにはGTD(Getting Things Done)のワークフローが参考になります。

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    6.コンフォートゾーンを目標まで広げていこう

    本当の意味で目標が叶うとは、目標とする状態まで自らのコンフォートゾーンを広げていくことです。

    あなたが自転車に乗るとき、何かを考えて乗っていますか?頭の中で「右足を漕いだら、次は左足・・・」と考えながら乗っていますか?

    きっと多くの人はなにも考えずに自転車に乗れると思います。あなたにとって自転車に乗ることはコンフォートゾーンの中、恒常性の枠内にあるからです。

    では、子供の頃にはじめて自転車に乗るときはどうでしたでしょうか?

    周りの友達が自転車に乗り始めたとき、あなたは「私も自転車に乗りたい」という目標を持ちました。

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    自転車に乗れるようになるために、まずは補助付き自転車を買い自転車の基本的な乗り方を学びました。次に補助輪を外しました。

    「しっかり前を向いて、右足を漕いだら左を漕いで・・・」という感じに考えながら何度も何度も練習をしました。時には転んで痛い思いをして、できない自分にストレスを抱えながら。それでも「自転車に乗りたい」という目標があったからこそ、あきらめずに練習を続けました。

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    そして遂に補助輪がなくとも自転車に乗れるようになりました。大きな達成感とともに目標が現実に変わりました。

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    人間は不思議なもので、何度も何度も練習をした結果、一度それができるようになると、後はなにも考えずにできるようになります。それは、当初の目標まで自分のコンフォートゾーンが広がったとも言えます。

    ラーニングゾーンまで細分化した行動目標は実際の行動に移すことで、その分だけコンフォートゾーンが広がります。先月までできなかったことが今月にはできるようになります。

    ひとつの行動目標を達成したら、ラーニングゾーンにある次の行動目標を設定しチャレンジを続けていきます。もちろん、チャレンジは失敗をしても大丈夫。失敗をするときは行動目標が大きすぎるときだから、再度行動目標を細分化して、あきらめずに1歩1歩と進んでいくこと。

    コンフォートゾーンとラーニングゾーンのイメージ

    あきらめて行動を止めてしまうこと、今のコンフォートゾーンの枠に留まることが、本当の失敗なのだから。

    まとめ

    新年に目標を設定することは手段であって目的ではありません。

    本当の目的は、新しい年に目標を設定することで、新しい変化を受け入れる勇気をもち、新しく何かを学ぶ機会をつくり、その目標まで自らのコンフォートゾーンを広げていく道筋を作ることです。

    道筋ができたら、毎朝小さな行動目標を設定し、その日にチャレンジを少しずつ続けていくこと。

    1年間365日小さな小さなチャレンジを続けることで、目標とする状態まで自らのコンフォートゾーンを広げていくことができるのです。

    「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」

    あなたは今年の目標を設定しましたか?

    「今年こそは何かを変えたい」と思うのであれば、今のコンフォートゾーンの外へ1歩ずつチャレンジしていきましょう。

    ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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