イソップ寓話に学ぶ、人間性と距離の取り方人間関係の見極め方 ― イソップ寓話に学ぶ距離の取り方

    カウンセリングSORAの関口です。

    これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。

    人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。

    そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながらブログを綴っています。

    しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。

    目次
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    今日の言葉

    イソップ寓話より引用

    95)男と悪妻
    何彼につけてむつかしすぎる性分の妻をもった男が、妻は実家の人たちに対しても同じように振るまうのか、知りたくなった。そこで、もっともらしい口実を設けて、妻を里帰りさせた。 何日かして戻って来た妻に、家の人たちからどんな風に迎えられたか、と尋ねたところ、妻は、「牛飼と羊飼ったら、わたしを睨むのよ」と答える。それを聞いて男が言うには、 「なあお前、朝早く羊を追って出て夜遅く帰る人たちに憎まれたくらいだから、お前が一日中顔を合わせていた人たちのことは、推して知るべしだな」 このように、しばしば小事から大事が、明らかなことから不明なことが、知られるものだ。
    【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

    人間関係の見極め方 ― イソップ寓話に学ぶ距離の取り方

    人の評価には、関係性や立場上の評価と、その人自身の人間性に対する評価があります。この二つは必ずしも一致するとは限りません。

    人間関係がこじれたときには、それが立場上の問題なのか、それとも人間性の問題なのかを見極める必要があります。

    寓話の男が妻を実家に帰したのは、妻との関係性に原因があるのか、それとも妻の人間性に問題があるのかを知りたかったからかもしれません。

    そして、実家に戻った妻から「睨まれた」と聞いた男は、妻の人間性に問題があるのだと理解しました。同時に、妻自身がその問題にまったく気づいていないことにも気づいたのです。

    このとき、男はどんな気持ちだったのでしょうか。

    「問題は自分ではなく妻にある」とわかって安心したのでしょうか。

    それとも、「これからの妻との関係性には希望が持てない」と絶望したのでしょうか。

    こうした人間関係のすれ違いは、決して珍しいものではありません。関係性によるのか、人間性によるのか――その見極めがとても重要です。

    なぜなら、それによってこちらの対応がまったく変わってくるからです。

    関係性によるものであれば、お互いに歩み寄り、相手の立場に立って考えることで、やがて解決の糸口が見えてくるでしょう。

    しかし、相手の人間性に起因するものであれば、早めに距離を置くことが賢明です。

    なぜなら、そのような人は「自分が問題の原因である」ということに気づいていないことが多いからです。

    他者は変えられません。変えられないものを変えようとすれば、そこに苦しみが生まれます。

    だからこそ、物事を見極める力がとても大切なのです。

    イソップ寓話集の「男と悪妻」を読みながら、そんなことを感じました。

    今日の問いかけ

    「いま、悩んでいる人間関係は、相手との“立場の違い”によるものですか?それとも“人間性そのもの”によるものですか?」

    いま悩んでいるその関係は、立場の違いからくるすれ違いでしょうか。
    それとも、その人の人間性に原因があるのでしょうか。

    前者なら歩み寄れるかもしれません。
    後者なら、距離をとることが自分を守る一歩になることもあります。

    変えられないものに執着せず、まずは見極めてみませんか。

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