みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口剛史です。
人間関係のこと、仕事のこと、人生のこと、生きているといろいろな悩みがありますね。
ひとつの悩みを解決しても、また次の悩みがやってくる。
悩みには、軽く悩んですぐに解決できるもの、深く悩んでようやく解決できるもの、1回解決した悩みのはずなのに、また同じようなことで悩んでしまうものまで、様々な種類があります。
その悩みのなかで1番やっかいなのが「いつも同じようなことで悩む」ことです。
1度解決できた悩みのはずなのに、また同じようなことで悩んでしまうこと、あなたにも経験ありませんか?
なぜ、私たちはいつも同じようなことで悩んでしまうのでしょうか?
今日は「いつも同じようなことで悩む理由」について書いていきます。
同じようなことで悩む2人の事例
同じようなことで悩み続けた2人の事例をご紹介します。
事例1:いつも職場の人間関係で悩んでしまうAさん。
Aさんが勤めていた会社での人間関係が崩れはじめ、Aさんは悩みはじめる。
なんとか、職場の人間関係を改善しようと努力するAさん。
しかし、状況は改善せずAさんは転職する。
次の会社の人間関係は良好で、Aさんの悩みも自然と解消された。
しかし、その会社で組織変更があり、職場の人間関係が崩れはじめる。
そして、Aさんは再び職場の人間関係に悩みはじめ「前職を退職したときと、同じような状況」になっていることに気づく。
職場を変えても「私は、どうして同じような人間関係で悩むのだろう・・・」と途方に暮れる。
事例2:違う環境でもうつ病が再発してしまうSさん。
Sさんは、新しい仕事のストレスからうつ病にかかり休職。
心療内科通いと抗うつ薬で気持ちの安定を図る。
気持ちが安定してきた頃、会社の配慮もありSさんは慣れた仕事で復職する。
Sさんは自信を取り戻し、今まで以上に仕事に精を出し結果を残しはじめ、自分がうつ病になったことも忘れられた。
その頃、仕事が評価されSさんは昇進。
今度こそ、新しい職場で「頑張ろう」と燃えていた。
しかし、Sさんは新しい職場でストレスを抱え、再び気持ちが落ちはじめる。
「前回のうつ病」の嫌な記憶を思いだし、「再びうつ病になるのではないか・・・」と恐れながらも、なんとか乗りきろうとする。
残念ながら、1度落ち込みはじめた気持ちを立て直すことができず、どんどん仕事がまわらなくなり、最後は動けなくなりうつ病を再発する。
そのとき、「職場環境が変わっても自分はうつ病になってしまう。うつ病になる本当の原因は、職場にあるのではなく自分自身にある」ことに気づき、更に自分を見失ってしまう。
いつも同じようなことで悩む理由
上記の事例は、カウンセリングで相談を受けた実際のお話です。
上記の事例以外でも、職場の人間関係や恋愛・夫婦関係などで「いつも同じような悩みを抱えてしまう」という相談を受けます。
そう考えると、「私だけが同じ悩みを抱えてしまう」のではなく、人間は誰もが「いつも同じ悩みを抱える」と言っても過言ではありません。
では、どうして人間は「いつも同じ悩みを抱える」のでしょうか?
そのヒントは、前回ブログでご紹介したアインシュタインの言葉にあります。
いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできません。
~アインシュタイン~
アインシュタインの言葉の「問題」を「悩み」に換えると以下のようになります。
「いかなる悩みも、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできません」
この言葉を踏まえて、先ほどの事例1と事例2を振り返ってみましょう。
事例1では、Aさんは前職を退職することで、職場の人間関係の悩みを解決しました。
Aさんは「問題がある場」から離れたことで、その問題を解決することができました。
しかし、Aさんの意識という観点では、何も変わっていません。
次の事例2では、Sさんは心療内科に通い抗うつ薬を飲むことで気持ちが安定し、会社の配慮もあり、慣れた職場に復帰することができました。
Sさんは「気持ちが安定し、慣れた仕事で自信を取り戻せた」からうつ病は治ったと思いました。
しかし、Sさんも意識という観点では、何も変わっていませんでした。
AさんやSさんは、職場や人間関係などの外部要因を変えることで悩みを解決しました。
しかし、Aさんはある環境になると人間関係をこじらしてしまうこと、Sさんはある状況になると多大なストレスを抱えてしまうといった、自分の心の中にある意識(内部要因)に気づくことも変えることもできていませんでした。
その結果、2人とも人間関係や職場を変えたとしても、自分の意識が変わっていないため、いつも同じような悩みを抱えてしまうのです。
もちろん、パワハラなどが横行している会社は「辞める」という判断が必要です。
しかし、「パワハラを感じる」職場に毎回あたるといった場合は、自分の意識の方を変える必要があるのかも知れません。
意識が変われば悩みも変わる
では、いつも同じようなことで悩みを抱えてしまう場合、どうすればその悩みを乗り越えることができるのでしょうか?
それは、悩みから逃げ出すのではなく、悩みと向き合うことです。
もう一度アインシュタインの言葉をご紹介します。
いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできません。
~アインシュタイン~
アインシュタインの言葉の意味を逆にすると「問題をつくりだした意識を変えれば、いかなる問題も解決することができる」ことになります。
例えば、1人の老婆がいます。
「おばあさん、こちらを向いてください」声をかけているのですが、なかなかこちらに気づいてくれません。
あなただったら、この老婆にどういう声かけをすれば、この問題を解決できますか?
ところで、この老婆は本当に老婆でしょうか? もしかしたら、若い女性ではないですか?
最初に「老婆」と意識したものを「若い女性」に変えることができたら、問題を解決するための行動(声かけ)も変わります。
「おねえさん、こちらを向いてください」と、意識が変われば、問題の見え方が変わる。
問題の見え方が変われば、問題の解決策が変わる。
解決策が変われば、進むべき道が見えてくる。
意識を変える3つの力
意識が変われば、問題の見え方が変わる。
では、意識を変えるためには具体的にどうすればいいのでしょうか?
まずは、自分の意識に気づくことです。
自分の意識に気づくためには、自分が意識できている物事が本当にそうなのか?
もしかしたら、違った見方もできるのではないか?と自問自答を繰り返すことです。
また、悩みを抱えたときは、以下のように悩みを5w1hで問うと、悩みを作り出している意識(固定観念)に気づくことができます。
- 何に悩んでいるのか?(What)
- なぜ悩んでいるのか?(Why)
- いつの悩みなのか?(When)
- どこでの悩みなのか?(Where)
- 誰にとっての悩みなのか?(Who)
- 本当はどうなりたいのか?(How)
意識に気づくことができたら、次に意識を変えていきます。
いろいろと方法はあるのですが、今回のブログは意識を変える3つの力をご紹介します。
- 受容力
- 抵抗力
- 推進力(行動力)
3つの力については下記のブログで詳しく紹介しています。
上記のブログを要約すると「意識を変えていくには、現実を受け入れたうえで、その悩みを抵抗力にしながら、1歩ずつ前進(行動)する」ということです。
悩みから逃げ出すのではなく、今の意識で悩みを解決しようとするのでもなく、悩みを受け入れ向き合い、悩みを前に進むための抵抗力にすることで、意識が変わり悩みをクリアできる。
悩みとは、意識を変える、すなわち心を広げるための種なのだと私は思います。
まとめ
心理カウンセリングは「悩みを相談して解決してくれるところ」というイメージがあるかも知れません。
しかし、心理カウンセラーは絶対に相談者の悩みを解決しません。
なぜならば、カウンセラーが悩みを解決してしまうと、相談者の「意識が変わる」機会を奪ってしまうからです。
意識が変わらなければ、また同じようなことで悩むのが人間です。
だからこそ、心理カウンセリングでは、相談者の悩みを聞きながら、相談者の意識が変わるようにサポートすることが重要だと私は考えています。
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