16.うつの私と農との出会い

みなさん、こんにちは。

カウンセリング空の関口です。

今年も稲刈りが無事に終わりました。私が米づくりをはじめてから今年で4年目です。

実は、私がうつ病になる前のITエンジニアで仕事していた頃、IT技術者としてプライドを持っていましたので、逆に、農業などの第1次産業をどこかバカにしていました。

そんな私が農に出会い、米づくりをはじめるきっかけになったのが、うつ病の時に体験した農作業でした。

今日は私のうつ克服記として「うつの私と農との出会い」について書いていきます。

目次
オンラインカウンセリング

うつの私と農との出会い

前回の記事の続きです。

あわせて読みたい
15.心の作用と反作用 みなさん、こんにちは。 カウンセリング空の関口です。 私はうつ病になったとき、会社から3ヶ月間の休職期間をもらいました。 休職期間の最初の頃は、気持ちは落ち込む...

解放的だった北海道旅行から帰宅後、気分はズドーンと奈落の底まで落ちました。

家族も私自身も、旅行から帰ってくれば職場に復職できる、もう気持ちは大丈夫と思っていましたので、この急激な気分の落ち込みはかなりしんどかったです。

結局、復職も延期となり、ふたたび家で引きこもりの生活に舞い戻り。

しかも、休職になった当初よりもうつ状態が酷く、ほとんど何もする気にはなれません。もう「うつは大丈夫!」と信じた自分の期待が裏切られ、気持ちを立て直すこともできません。

結局、職場復帰も果たせず、休職期間が6ヶ月間に延長となり、この頃から、自分は「人生の失敗者」だと思い込むようになり、益々鬱々とした状態へとなりました。

そんな、鬱々とした日々をボーッと過ごしていたある日、妻が1枚の新聞記事を持ってきました。

その記事には、うつ病だった人が、とある制度を利用して農業に出会い、農作業をとおしてうつ状態を少しずつ改善され、社会復帰をしたことが書かれていました。

そして、「あなたも、どこか住み込みで農作業でもしてきたら?」と妻から言われたました。

この記事を読み、妻の言葉を聞いたとき、私の心には「なんで俺が農作業なんてしなくてはならいの?、農作業でうつが改善するなら精神科医はいらないでしょ。そもそも、このうつ状態では農作業にいくこともできない」という感じで、かなり否定的な思いでした。

当時の私は、うつ状態となり、自宅で引きこもっていても、どこかでまだ「ITエンジニア」であることにプライドを持っていました。

そして、そのプライドがあったから「俺が農作業なんて・・・」という否定的な気持ちが涌き起こりました。

でも、どこかでわかっていました。

「このまま、外に出ることを恐れ、うつ状態を言い訳にして、ズルズルと家に居ても、なにひとつ変わらない」ことも。

それから、しばらく考えてから、住み込みで農作業を体験してみることにしました。でも、私の周りには農業をしている人はいませんでした。

そこで、新聞記事に書かれていた制度を利用して、自宅からいちばん近い有機農家へ3週間の住み込み体験をすることになりました。

これが、私と農との出会いになります。

今の自分から当時の自分へひとこと

いま振り返りると、当時の私は「人生の成功」を勘違いしていたと思います。

いつの頃からか、私の心の中では、社会のピラミッド構造の上にいくことが、人間としての”成功”であるという無意識の価値観(固定観念)が存在していました。

もちろん、この価値観があったから、ITエンジニアとして仕事の原動力にもなりましたので、この価値観が悪いわけではありません。

でも、自分の現状と価値観がズレたとき、その価値観は諸刃の剣となり、自分の心を切り刻みます。

うつ病になったとき、「自分はもうダメだ・・人生の失敗者」だと感じたのも、妻から「農業に行ってきたら?」と言われたとき「なんで俺が農作業なんてしなくてはならいの?」と感じたのも、ピラミッドの頂点にいることが「人生の成功」であるいう価値観があったからです。

人生の成功とは

だから、当時の私が住み込みで農業を体験することは、ものすごく心理的な抵抗があることでした。

でも、勇気を出して、その心理的抵抗を乗り越え農業を体験したとき、はじめてわかりました。ピラミッドの頂点にいることが”人間としての成功”ではないことに。

僕らの心の中には無意識の価値観(固定観念)があります。そして、その価値観をとおして色々なことを評価しています。

例えば、「自分はダメだ」と感じるとき「自分はこうあるべき」という固定観念が無意識に存在しています。逆に言うと、「自分はこうあるべき」という固定観念があるから「自分はダメだ」と感じられるのです。

問題は「ダメな自分」にあるのではなく、「自分はこうあるべき」という固定観念にあります。

ただ、固定観念は心の無意識領域にあるので、意識すること(気づくこと)はできません。しかし、ひつとだけ無意識の固定観念に気づく方法があります。それは、自分が何かを感じたとき、どうしてそう感じたのか?を考えることです。

例えば、「自分はダメだ感じた」とき、「どうして自分がダメだと感じるのだろう?」、「どんな自分であればダメではないのだろう?」などと、いろいろな角度から感じたことを考えていくことで、固定観念に気づきやすくなります。

続きの記事はこちら

あわせて読みたい
17.知っているようで・なにも知らない みなさん、こんにちは。 心理カウンセリング空の関口です。 2016年度のオープンファームも無事に終わりました。 オープンファームでは、種もみ蒔きからはじめ、田植え、...
疲れた思考と心をクリアにしませんか?
オンラインカウンセリング

Pickup

山と渓谷社が発行している登山専門誌「山と渓谷 2021年2月号」にコラムを掲載させていただきました。

単独登山でのお悩み相談から、「登山が心にもたらすもの」として、引きこもりだったA君との登山カウンセリングについて書いておりますので、「山と心」について興味がある方は、ぜひお買い求めください。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (2件)

コメントする

目次