16.うつの私と農との出会い

みなさん、こんにちは。

カウンセリング空の関口です。

今年も稲刈りが無事に終わりました。私が米づくりをはじめてから今年で4年目です。

実は、私がうつ病になる前のITエンジニアで仕事していた頃、IT技術者としてプライドを持っていましたので、逆に、農業などの第1次産業をどこかバカにしていました。

そんな私が農に出会い、米づくりをはじめるきっかけになったのが、うつ病の時に体験した農作業でした。

今日は私のうつ克服記として「うつの私と農との出会い」について書いていきます。

うつの私と農との出会い

前回の記事の続きです。

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解放的だった北海道旅行から帰宅後、気分はズドーンと奈落の底まで落ちました。

家族も私自身も、旅行から帰ってくれば職場に復職できる、もう気持ちは大丈夫と思っていましたので、この急激な気分の落ち込みはかなりしんどかったです。

結局、復職も延期となり、ふたたび家で引きこもりの生活に舞い戻り。

しかも、休職になった当初よりもうつ状態が酷く、ほとんど何もする気にはなれません。もう「うつは大丈夫!」と信じた自分の期待が裏切られ、気持ちを立て直すこともできません。

結局、職場復帰も果たせず、休職期間が6ヶ月間に延長となり、この頃から、自分は「人生の失敗者」だと思い込むようになり、益々鬱々とした状態へとなりました。

そんな、鬱々とした日々をボーッと過ごしていたある日、妻が1枚の新聞記事を持ってきました。

その記事には、うつ病だった人が、とある制度を利用して農業に出会い、農作業をとおしてうつ状態を少しずつ改善され、社会復帰をしたことが書かれていました。

そして、「あなたも、どこか住み込みで農作業でもしてきたら?」と妻から言われたました。

この記事を読み、妻の言葉を聞いたとき、私の心には「なんで俺が農作業なんてしなくてはならいの?、農作業でうつが改善するなら精神科医はいらないでしょ。そもそも、このうつ状態では農作業にいくこともできない」という感じで、かなり否定的な思いでした。

当時の私は、うつ状態となり、自宅で引きこもっていても、どこかでまだ「ITエンジニア」であることにプライドを持っていました。

そして、そのプライドがあったから「俺が農作業なんて・・・」という否定的な気持ちが涌き起こりました。

でも、どこかでわかっていました。

「このまま、外に出ることを恐れ、うつ状態を言い訳にして、ズルズルと家に居ても、なにひとつ変わらない」ことも。

それから、しばらく考えてから、住み込みで農作業を体験してみることにしました。でも、私の周りには農業をしている人はいませんでした。

そこで、新聞記事に書かれていた制度を利用して、自宅からいちばん近い有機農家へ3週間の住み込み体験をすることになりました。

これが、私と農との出会いになります。

今の自分から当時の自分へひとこと

いま振り返りると、当時の私は「人生の成功」を勘違いしていたと思います。

いつの頃からか、私の心の中では、社会のピラミッド構造の上にいくことが、人間としての”成功”であるという無意識の価値観(固定観念)が存在していました。

もちろん、この価値観があったから、ITエンジニアとして仕事の原動力にもなりましたので、この価値観が悪いわけではありません。

でも、自分の現状と価値観がズレたとき、その価値観は諸刃の剣となり、自分の心を切り刻みます。

うつ病になったとき、「自分はもうダメだ・・人生の失敗者」だと感じたのも、妻から「農業に行ってきたら?」と言われたとき「なんで俺が農作業なんてしなくてはならいの?」と感じたのも、ピラミッドの頂点にいることが「人生の成功」であるいう価値観があったからです。

人生の成功とは

だから、当時の私が住み込みで農業を体験することは、ものすごく心理的な抵抗があることでした。

でも、勇気を出して、その心理的抵抗を乗り越え農業を体験したとき、はじめてわかりました。ピラミッドの頂点にいることが”人間としての成功”ではないことに。

僕らの心の中には無意識の価値観(固定観念)があります。そして、その価値観をとおして色々なことを評価しています。

例えば、「自分はダメだ」と感じるとき「自分はこうあるべき」という固定観念が無意識に存在しています。逆に言うと、「自分はこうあるべき」という固定観念があるから「自分はダメだ」と感じられるのです。

問題は「ダメな自分」にあるのではなく、「自分はこうあるべき」という固定観念にあります。

ただ、固定観念は心の無意識領域にあるので、意識すること(気づくこと)はできません。しかし、ひつとだけ無意識の固定観念に気づく方法があります。それは、自分が何かを感じたとき、どうしてそう感じたのか?を考えることです。

例えば、「自分はダメだ感じた」とき、「どうして自分がダメだと感じるのだろう?」、「どんな自分であればダメではないのだろう?」などと、いろいろな角度から感じたことを考えていくことで、固定観念に気づきやすくなります。

心理カウンセリング

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うつを克服する、ライフ・カウンセリング

その後、私はうつ状態を克服するために、哲学・心理学・農業などを様々なことを学びました。

そして、わかったことがあります。それは「心が変わらないとつらい気持ちも変わらない」ということです。

自分の心を知り、そして心を変えていく「ライフ・カウンセリング」を行っています。

ライフ・カウンセリングでは、私自身がうつを克服していくなかで効果があったものを厳選し、約6ヶ月間の継続カウンセリングをとおしてお伝えしております。

うつをきっかけに「心から変えていきたい」「自分を変えたい」と思われているあなたを、心からサポートしていきますます。

私たちは、悩みを抱えると心が狭くなり、考え方もマイナス傾向になってしまい、やる気も失せてしまう。

その状態で「どうにかしよう」と無理に考えても、不安なことやマイナスことばかりを考えてしまい、具体的な解決策を見つけることがむずかしい。

悩みをどうにかしようとする前に、まずは心と思考の整理をして気持ちを軽くすることが、はじめの1歩。

心理カウンセリング空では、会話をとおして心と思考を整理し再び前向きな気持ちと考え方になるように心からサポートします。

>心 軽くなるカウンセリング

心 軽くなるカウンセリング

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