みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口です。
心理カウンセラーと聞くと「悩みを解決してくれる人」というイメージがあると思いますが、心理カウンセリング空では「今の悩みを解決することよりも、その悩みをとおしてこれからの道を見つけること」をコンセプトにしています。
私が、このコンセプトで「心理カウンセリング空をはじめたい!」と思ったきっかけが、当時うつ状態のときに受けた心理カウンセリングに失望したことがきっかけでした。
今日は私のうつ体験記として「過去の問題よりも、これからの道を見つけること」について書きます。
過去の問題よりも、これからの道を見つけること
前回の記事の続きです。
心療内科で受けたはじめての心理カウンセリングは、ブスッとした表情の心理カウンセラーに事務的な状況報告で終わりました。
「心理カウンセリングってこういうものなのか。ぜんぜん心はスッキリしないじゃないか?」と感じながらも、きっと次から何かが変るという期待を込め、2回目のカウンセリングを受けました。
相変わらず笑顔ひとつみせない心理カウンセラー。
前回から今日までの状況報告を終えたあと、「では、この質問表に書かれている質問に対して記入をしてください」と紙を渡されました。
質問表に書かれていた内容は、幼少期の頃から現在に至るまでに体験したこと、特に辛いと感じた体験を書くような質問表でした。
このとき「いまが苦しいのに、なぜ過去の辛い体験を書く必要があるのか?」と私は違和感を感じましたが、でも、心理カウンセラーが言うことだから、きっと何か意味があると信じて、過去の辛い体験を思い出しながら質問表を書き終えたところで、2回目のカウンセリングの時間切れ。
「次回からこの質問表を基にしてカウンセリングをしていきます。」とのことでした。
そして、3回目の心理カウンセリング。
近況報告をカウンセラーに終えたあと、カウンセラーは私が書いた質問表を見ながら、「では、この質問表に書かれていることに対して、当時の状況を思い出しながら詳しくお話をしてください」とのこと。
いまが苦しいのに、過去の辛い体験を思い出しながら話すことはとっても苦しいもので、それは心理カウンセリングではなく尋問のような時間になっていました。
3回目のカウンセリングが終わる頃には、この心理カウンセリングのやり方に強く違和感を感じていたので、そのことを心理カウンセラーに質問しました。
【私】
「いまの辛い心を解消したいのに、なぜ、過去の辛い体験のことばかりの話しをするのですか?」
【心理カウンセラー】
「いまをま辛いと感じる心の原因は、過去の辛い体験からきています。だから、過去を辛い体験を見つめなおすことで、いまの辛い現実を変えていきます。」
【私】
「では、現実の辛さがなくなるには、一般的に何回ぐらいのカウンセリングが必要なのですか?」
【心理カウンセラー】
「人それぞれですが、少なくとも10回以上は受けていただくことになると思います。」
【私】
「・・・・・、2週間に1回のペースでカウンセリングを受けると考えたら、最低でも4ヶ月以上はかかるということですか?」
【心理カウンセラー】
「そういうことです。人の心はそんなに簡単に変わりません。」
【私】
「いまの職場での辛いと感じることに対して、なにか出来ることはないものですか?」
【心理カウンセラー】
「私(カウンセラー)に出来る事はありません。お薬で気分の症状を緩和しながら、カウンセリングで過去を見つめなおしていきましょう。」
【私】
「・・・・・」
確かに、この心理カウンセラーの言うとおりなのかもしれない。
過去の私に辛い体験という原因があったから、そして、その辛い体験を自分の中で消化できていないから、いまの私が苦しいという結果なのかもしれない。
でも何かが違う。絶対に違う。
そう、いまの私が解決したいのは【過去の辛い体験の記憶】ではなく【もっとリアルな現実的な悩みである】と思えたときに、心理カウンセリングに失望しました。
それから、私が4回目の心理カウンセリングを受けることはありませんでした。
次回に続きます。
今の自分から当時の自分へひとこと
過去の辛い体験が、いまの現実にネガティブな気持ちや悩みとして現われてくることはよくあるものです。
例えば、幼少期に人の前でなにか失敗をして恥ずかしい思いをした経験があれば、きっと、大人になったいまでも、人の前で何かをしようとしたときに緊張したり怖く感じてしまう。
そんな気持ちは誰にでもあるもので、もちろん、今の私自身にもたくさんあります。
当時の心理カウンセラーは「過去の辛い経験を見つめなおすことで、今の辛い現実を変えていく」というアプローチをとりました。
もちろん、それも人によっては有効な手段なのだと思います。
でも、人が悩みや苦しみを抱える原因は、過去にあるのではなく、どちらかというと「未来の自分のイメージ像にある」のだと私は考えています。
例えば、「人の前で何かしようとすると緊張や恐怖を感じる」という悩みの根源は、「幼少期のときにように、また人の前で失敗をしたくない」という「未来の自分のイメージ像」からきているものです。
もし、「人の前で失敗をしてもいいや~」と思えたならば、心は緊張や恐怖を感じることもないですからね。
だから大事なことは、過去に失敗した記憶をどうにかすることよりも、失敗をしないように今の自分に何ができるのか?を考えてみること、そして、仮に失敗をしたとしても「私は大丈夫」という広い心をもつことだと思います。
「過去に何があったのか?ではなく、これからの自分はどうありたいのか? そして、そのために今の自分にできることはどんなことなのか?」
悩んでいるとき、落ち込んでいるとき、そういう心の状態のときに「これからの自分はどうありたいのか?、そのために何ができるのか?」という前向きな問いはキツく感じるものです。
でも、時間をかけて過去の記憶を見つめなおすことよりも、これからの自分のあり方を変えていくことの方が、早い段階で現実の見え方が変っていきます。
他人と過去は変えられない。変えられるのは自分とその未来だけです。
今のありのままの自分自身を認めたうえで、これからの道を見つけ歩みはじめたときに、過去の辛い出来事の意味は自然と変っていくものだと思います。
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