みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口剛史です。
前回のブログで「考えることをやめる」方法について書きましたが、どうして多くの人が「考えることをやめたい」と考えてしまうのでしょうか。
それは、思考がループして疲れてしまうからです。
物事を考える・思考するには相応のエネルギーを使います。その思考エネルギーを使い果たしてしまったときに「考えることをやめたい」と考えるのです。
しかし、問題の本質は「思考すること」ではなく、思考がループしてエネルギーが枯渇していることにあります。
今日は「思考ループから抜け出す方法」について書いていきます。
思考ループに陥る4つの理由
皆さんは、仕事や人間関係や将来のことが頭から離れなくて、そのことをずっと考えてしまう「思考ループ」の状態になった経験はありませんか?
山と渓谷 2021年2月号「不安解消!単独行者のお悩みアドバイス75」の悩みのひとつにも以下の悩みがありアドバスを書かせていただきました。
1人で山道を歩いていると、将来の不安や仕事の悩みが頭から離れなくなります
~山と渓谷 2021年2月号「不安解消!単独行者のお悩みアドバイス75」より引用~
自然の中でボーッとリラックスをしたいのに仕事のことが頭から離れない、早く眠りたいのに明日のことが心配で眠れない。
いろいろなことを考えすぎて疲れてしまうのは、思考がループしているからです。
では、どんなときに思考がループをしてしまうのか、今回のブログでは4つの理由を挙げたいと思います。
考えることを止めようとしているとき
前回のブログでも書きましたが、人は望んでいることを実現するために思考します。
よって、「考えることをやめたい」と望めば、考えることをやめる方法を考えようとします。
望んでいることを実現するために思考があるのに、その根底にある思考を否定すると、どう考えていいかがわからなくなり、思考ループに陥ります。
異なる悩み・問題を一緒くたに考えているとき
人間の思考はシングルタスクです。ひとつの物事しか考えることができません。
過去と未来のこと、仕事の内容と職場の人間関係など、相反することや異なることを同時に考えて、ひとつの答えを出そうとすると、思考はループします。
考えてもわらないことを心に問い続けているとき
例えば、明日何が起こるのだろうか?、他人からどう思われているだろう?、私が生きている意味は?などは、考えても答えがでない問いです。
明日への準備は必要ですが、明日何が起こるかは誰にもわからない。
他者への思いやりは大切だけれど、他者からどう思われるかは相手次第でわからない。
今日を一生懸命に生きていても、その意味なんて考えてもわからない。
考えてもわからないことを心に問い続けると思考はループします。
考えていることで安心を得たいとき
一生懸命に物事を考えているとき、その瞬間は不安を感じられなくなります。
その傾向が強くなると、不安を感じたくない、考えていることで安心を得たいと思うと、一生懸命に思考をしようとます。
また、「一生懸命に考え尽くしたのだから、うまくいかなくても仕方がない」という言い訳を備えるために思考することもあります。
しかし、考えることで安心を得ようとすると、思考を止めることが怖くなり、思考がループします。
思考ループから抜け出す方法
思考ループに陥る理由は以下の4つを上げました。
- 考えることを止めようとしているとき
- 異なる悩み・問題を一緒くたに考えているとき
- 考えてもわからないことを心に問い続けているとき
- 考えていることで安心を得たいとき
では、思考ループの状態から抜け出すためにはどうしたらいいでしょうか。
今回は思考ループから抜け出すための4ステップをご紹介します。
以下のステップを順番にやってみてください。
ステップ1 何に悩んでいるかを明確にする
「考えることをやめたい」「思考ループから抜け出したい」と思うときは、仕事のこと、人間関係のこと、これからの生き方などの異なることをひとつにまとめて考えて悩んでいます。
異なることを一緒くたに考えると、あちらを立てればこちらが立たたない状態になり思考がループします。
確かに、問題や悩みは物事が複合的に絡み合っていることがほとんどで、「全部の悩みを解決しなくてはならない」と思うかもしれません。
しかし、人間の脳はシングルタスクのため、いまあなたが解決できる悩みはひとつのみです。
よって、まずは「自分が何に悩んでいるのか?」を明確にしてください。
もし、仕事や人間関係など悩みが多数あるようであれば、それらをすべて書き出したうえで、いま優先するべき悩み・課題をひとつに絞ってください。
多くの場合、ひとつの悩みに集中的に向き合うことで、結果として、他の悩みの感じ方も変わっていきます。
ステップ2 本当はどうしたいのか?を考える
繰り返しになりますが、人は望んでいることを実現するために思考します。
思考ループから抜け出すためには、ステップ1で明確にした悩み・課題に対して、あなたは「本当にどうしたいか?」を考えて書き出してください。
例えば、仕事のことで悩んでいるのであれば、あなたはその仕事をどうしたいと思っているのでしょうか?
人間関係のことで悩んでいるのであれば、その関係性の中で、あなたはどうありたいと思っているのでしょうか?
思考を切り替えるには、マイナスの悩みを解決することを考えるのではなく、マイナスに感じる状況下のなかで、自分が「本当にどうしたいのか?」考えてください。
ステップ2の思考ポイントは、できるかできないかの評価・判断は入れず、どうしたい?の答えを書き出していくことです。
ステップ3 そのためにできそうなことを考える
ステップ2で「本当はどうしたい?」を書き出したら、ステップ3は「どうしたい?」を実現するために、今の自分にできそうなことを考えて、書き出してください。
例えば、ステップ2で「仕事のミスをなくしたい」を書いたのであれば、「仕事のミスを少なくするためにできそうなことはなにか?」を考える。
「人間関係をよくしていきたい」と書いたのであれば、「人間関係をよくするためにできそうなことはなにか?」を考える。
ステップ3の思考ポイントは、自分ができそうな小さな行動を「~する」まで考えきることです。
例)「仕事のミスをなくしたい」であれば「仕事の結果の見直しをする」
例)「人間関係をよりよくしたい」であれば「私から挨拶をする」
大きな行動は大きな反動をうみます。他者を変えようとすると反発が起きます。
自分ができそうな小さな行動を設定することが大切なポイントです。
ステップ4 考えた結果をチャレンジする
ステップ1→2→3と順番に思考することで、ある程度の方向性が見えてくると思います。しかし、この状態で思考を停止すると思考ループから抜け出せません。
最終的に思考ループから抜け出すには、考え出した結果を実際にチャレンジすることです。
ステップ3の例であれば、「仕事の結果の見直しをする」や「私から挨拶をする」を実際にチャレンジすることです。
チャレンジした結果、考えたとおり(想定内)になることもあれば、考えたとおりにならない(想定外)になることもあります。
ステップ3のポイントは、チャレンジが成功しても失敗をしても、どちらでもOKということです。
今回の目的は、思考ループから抜け出すこと。チャレンジが成功をしても失敗をしても、考えた出したことに対して行動が伴えば、これまでの思考は不必要となり自然と手放すことができます。
もちろん、チャレンジをすることで、新たな課題や悩みがうまれてきます。しかし、それは別の新たな悩み(課題)として、ステップ1から、再び考えはじめればいいだけです。
思考ループから抜け出せないのは、本来の思考の目的である「自分が望んでいることを実現する」ためのチャレンジが伴っていないのが原因だからです。
まとめ
ここまで思考ループから抜け出す方法について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?
思考ループから抜け出すためには、今の自分が抱えている悩みや課題を見極めて、その状況の中から「本当はどうしたいか?」を考えて、そのために必要な行動を起こすことです。
以前、私がうつ状態だったときも、思考ループに陥っていました。
そのときは、「なぜ、うつ病になってしまったのだろう・・・」「どうすればうつ病を治せるだろうか・・・」「これからの人生をどうやって生きればいいだろうか・・・」の思考ループに陥っていました。
しかし、あるとき「本当はどうしたい?」を心に問いかけたとき、「楽しく生きられるようになりたい」という本当の気持ちに気づきました。
そして、「楽しく生きられるようになれば、うつ病を克服できるのでは?」と考えて、楽しく生きられるようなチャレンジを実践した結果、いつの間にはうつ病を克服していました。
人は望んでいることを実現するために思考します。
私が本当に望んでいたことは「うつ病を治すこと」ではなく「楽しく生きられるようにする」ことでした。
「考えることをやめたい」と考える人や思考がループしてしまう人は、物事を考える力がある人です。
その考える力を正しく使うことで、世界は大きく広がると思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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