承認欲求とは、自分で自分を認める心のこと

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口剛史です。

    最近、「承認欲求」という言葉を耳にします。

    多くの人がSNSを使うようになったことで、他者から認められたいという「承認欲求」が強くなっているからだと思います。

    しかし、本来の承認欲求とは、他者から認められようとする心ではなく、自分で自分を認めようと心です。

    今日は「承認欲求とは、自分で自分を認める心のこと」について書いていきます。

    目次
    オンラインカウンセリング

    承認欲求が求められるようになった背景

    「承認欲求」という言葉が使われるようになったのは、Facebook・InstagramなどのSNSが登場したから。

    SNSで誰もが自分の事を発信できるようになったこと、それに対しての友達からのリアクションが「いいね」という承認の言葉で表現されたことで、自分の発信に対する承認が気になるようになった。

    もし、SNSのリアクションが「見ました」だったら、ここまでSNSは普及せずに、他者からの評価を求めることもなかったでしょう。

    他者から承認されても、心は満たされない

    SNS上で友達から「いいね」をたくさんもらえて、知人から「あなたはすごい」と褒められて一時的な満足感を得られても、心はすぐに次の承認を求めるようになる。

    最近は、SNS上での「友達」「フォロワー」「いいね」の数が自分の存在価値であると錯覚し、自分の存在を承認させるために、友達やフォロワーを無理に増やそうとする。

    また、自分の「いいね」がもらえないことを恐れて、「いいとも思っていない」他者の投稿に「いいね」を押したりもする。

    しかし、他者に承認してもらおうとする欲求は心の不安感が増し、更に他者からの承認を強く求めるようになる。

    その結果、周りの人が離れていき、最後は誰からも承認されなくなり、心は虚空となる。

    本来の承認欲求とは、自分で自分を認める心のこと

    本来、承認欲求は「自分で自分を認める心」と「他者に自分を認めさせる心」に別れている。

    有名なマズローの5段階欲求で説明すると「自分で自分を認める心」と「他者に自分を認めさせる心」はレベルが異なっている。

    「自分で自分を認める心」はLv4で「他者から自分を認めさせる心」Lv2に位置する。

    「他者に自分を認めさせたい」という欲求の根底にあるのは、Lv2の安全・安心の欲求だから。

    インターネットやSNSが登場したことにより、誰もが情報を発信でき、誰ともつながれるようになった。

    その反面、人間関係が希薄になり、希薄な関係から発信される情報に不安や恐れを感じていませんか?

    もし、その状況から脱したいと思うのであれば、「自分で自分を認める心」を持つことです。

    自分で承認欲求を満たす方法

    本来の承認欲求とは「自分で自分を認める心」のこと。

    よって、今日から「自分で自分を承認して、心を満たしていきましょう」と言うのは、とても簡単なこと。

    しかし、実際に自分を自分で承認することは難しい。都合よく自分のいい面だけを承認してを心を満たそうとすると自分勝手にもなってしまう。

    では、何をどのように承認していけば、自分で自分を認められるようになるのでしょうか。

    ここでは7つの承認ステップについて紹介します。

    Step1:存在をありのまま承認する

    まずは、存在をありのまま認めること。

    強い自分・弱い自分、できる自分・できない自分など、いい自分も悪い自分も、いい相手も悪い相手も、意見の合う人も合わない人も、その存在をありのまま認めることからはじまる。

    Step2:出来事・事実を承認する

    次に、目の前の出来事・現実を認めること。

    人間は、自分の思い通りの出来事は認めやすく、自分の思い通りでない出来事は認めたくないもの。

    しかし、思い通りでない出来事を認めず拒んでばかりいると、言い訳や自己正当化が出てきて「他者に自分を認めさせる心」が強くなってしまう。

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    そのため、いい出来事も悪い出来事も、起きた事実として認めること。

    Step3:感情を承認する

    次に、自分の感情を認めること。特にネガティブな感情を認めること。

    感情を認めるには事実と感情を整理する必要がある。

    例えば、「嫌いな人(Aさん)がいる」を事実と感情に整理すると、”Aさんがいる(事実)”と”Aさんが嫌いと感じる私がいる(感情)”に分けられる。

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    感情を承認する際は”Aさんが嫌いと感じる私がいる(感情)”を認めること。

    ポイントは、Aさんの存在を否定するのではなく、Aさんを無理に好きになろうとするのでもなく「Aさんが嫌いと感じる私」を素直に認めること。

    Step4:前向きな思考を承認する

    Step1~Step3までを承認することで、ある程度の悩みや問題は軽くなると思う。

    なぜならば、悩みや問題が「苦しい」と感じるのはStep1~3を認められない自分でいたから。

    しかし、Step1~3を認めたうえで「こかれから何かを変えていきたい!」と思うのであれば、今後のことを具体的に考える必要がある。

    思考と心は不思議なもので、Step1~3を心が拒否しているとマイナス思考になり、Step1~3を心が認められるとプラス思考になりやすい。

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    今後のことを前向きに思考するとき、これまで悩んできた分だけ「そんなの無理」という否定の思考が出てくるので、Step4では「前向きな思考をする自分」を認めること。

    そのうえで、これからのことを考えて思いついたこと「できる・できない」の評価をせず、紙に書き出していく。

    Step5:新たな1歩を踏み出す自分を承認する

    Step4で書き出したことで「とりあえずできそうなこと」を実際にやってみること。

    しかし、ここでも「私にはできない・無理」という思考と気持ちが必ず出てくるので、Step5では「新たな1歩を踏み出す自分」を認めること。

    Step5は勇気と行動が必要。行動した結果、どうなるかなんて誰もわからない。

    ただひとつだけわかっていることは、あなたが「こかれから何かを変えていきたい!」という思いを持っていることだけ。

    その思いを現実にするために、勇気を持って「できそうなこと」に1歩踏み出すことを認めよう。

    Step6:結果を承認する

    Step5で行動を起こすと、良くも悪くも現実に変化が起きる。

    行動を起こした結果、「いい変化」であれば自分を認められる気持ちになるのが、「悪い結果」だと自分を否定する気持ちになる。

    しかし、Step6で大事なことは、結果の善し悪しではなく「結果を出せた自分」を認めること。

    そのうえで「悪い結果」になってしまった場合は、Step1から見直すことで、必ず次への改善策が見つかる。

    Step7:すべての過程を承認する

    Step1~Step6までの”感じて・考えて・行動する”を意識すると、必ず心と現実の世界に良くも悪くも変化が起きる。

    その変化を起こせた自分と、これまでの過程を認めることで、自分で自分を認められるようになってくる。

    自分で自分を認めるポイントは、自分で感じ・自分で考え・自分で行動し、その結果を受け入れ、それらの過程を認めようとする意識を持ち続けること。

    そうすることで、自分を信じられるようになり、自分で自分を満たせるようになるだと思います。

    まとめ

    インターネットとSNSの普及により、誰もが自分を自由に表現し誰ともつながれるようになりました。

    しかし、その反面に自分の考えを疑うこともせず、ネット上で人を簡単に評価するようになり、人間関係が希薄になったと思います。

    本当の”つながり”とは、友達・フォロワー・いいねの数ではなく、”心からつながれている”と思えるような人間関係です。

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    そして、まず最初に心からつながるべき人は「自分自身」です。そのためには、まずは自分を自分で認めようとすることです。

    自分で自分を素直に認められるようになれたら、他者からの評価はあまり気にならなくなるから。

    今回ご紹介したStep1~Step7をすべて実践するのは難しいと思います。

    なので、まずは小さなことから、できそうなことからはじめてみましょう。はじめてみた分だけ、自分を認められるようになると思います。

    ここまでお読みいただきありがとうございました。

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