心の発酵と腐敗のちがい

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口剛史です。

    みなさんは、味噌や納豆、ヨーグルト・チーズなどの発酵食品はお好きですか?

    発酵食品は、栄養価が高く体内に吸収されやすいので、毎日食べている方も多いのではないでしょうか。

    ところで、発酵と腐敗のちがいをご存じですか。

    食物に含まれる微生物が動いた結果、人間にとって良いものになれば発酵といい、悪いものになれば腐敗といいます。

    発酵も腐敗も微生物が動いた結果もたらされるもの。人間にとって大事なことは、発酵させるために微生物をどう動かすかを知ること。

    私たちの心も一緒で、心の中をどう動かすかによって、心がより良く発酵するか、それとも腐敗するかが決まります。

    今日は『心の発酵と腐敗のちがい』について書いていきます。

    目次
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    発酵と腐敗のちがい

    発酵と腐敗のちがいは、食物に含まれる微生物は動いた結果、人間にとって良いものになれば発酵といい、悪いものになれば腐敗という。

    人間にとってよい物とは『おいしい』とか『うれしい』とか『身体にいい』もの、悪いものとは『まずい』とか『悲しい』とか『身体にわるい』もの。

    例えば、ヨーグルトは牛乳と乳酸菌を合わせることによって、乳酸菌が動きだしヨーグルトになりますが、おいしいヨーグルトになれば発酵食品となり、まずいヨーグルトになれば腐敗したことになる。

    微生物は単体では動かない。微生物を動かすには『エサ』と『適切な環境』が必要。

    ヨーグルトの場合、乳酸菌(微生物)にエサ(牛乳)を与え、適切な環境(室温と時間)に置くことで、乳酸菌が動き出しヨーグルトになる。

    以前勤めていた有機農家では、冬になると温床を作っていた。温床とは微生物を使った自然のホットカーペットのようなもの。

    温床

    『落葉』や『ぬか』や『水』などを適切に混ぜ踏み込むことで、微生物が動きだし熱を発する。その上に春野菜の種を蒔くことで、早い発芽を促していた。

    温床

    微生物が動きだすにはエサと環境が必要で、適切に与えると発酵し間違えると腐敗する。

    発酵と腐敗のちがいは、微生物に与えるエサと環境のちがいとも言える。

    人間は、微生物の動きを直接コントロールすることはできない。しかし、微生物を知り、発酵するように、エサと環境をコントロールすることはできる。

    微生物の動きと発酵と腐敗のちがいは、私たちの心にもあてはまる。

    心の発酵と腐敗のちがい

    発酵とは自分にとって良いもので、腐敗とは自分にとって悪いもの。心がより良いものになれば心の発酵といい、心が悪いものになれば心の腐敗という。

    『楽しい』『うれしい』などプラスに感じることが増えると心は発酵し、『つまらない』『悲しい』などマイナスに感じることが増えると心は腐敗していく。

    よって、心をより良く発酵させていくには、日常の環境のなかで「プラスに感じること」を心のエサにして、心が発酵するようにしていくことがポイントになる。

    では、日常の環境になかで「プラスに感じること」をどう増やし、心に与えていけばいいのでしょうか?

    それは、あたりまえの生活のなかから「感謝できること」を見つけていくこと。

    例えば、人身事故などで電車が止まったとき、SNSで電車が止まったことを嘆く人がたくさんいるが、電車が普通に動いているとき、そのことに感謝できている人はほぼいない。

    でも、電車が日々定刻通りに動いていることは、普通のことなのでしょうか。

    電車を動かす電力があり、走るための線路がひかれ、動かすためのスタッフが働いている。駅や踏切では、多くの人がマナーとルールを守ることで、はじめて電車は普通に動くことができる。

    普通であることも感謝できること。

    それなのに、普通であることがあたりまえになりすぎるから、普通以下になるとすぐに不平不満を感じてしまう。

    不平不満が多くなると、ちょっとしたことでイライラしたり、他人や社会に怒りをぶつけたりしてマイナスな感情を発散させようとする。しかし、それは心の腐敗がはじまっているということ。

    発酵とは自分にとっても周りにとっても良いもので、腐敗とは自分にとっても周りにとっても悪いもの。

    『つまらない』『悲しい』などマイナスに感じることが増えると心は腐敗していく。心が腐敗すれば自らの健康を損ね、社会が荒れることにもなる。

    そうならないためにも、いま置かれた環境のなかから『楽しい』『うれしい』と感じることを増やしていくこと。

    そのために普通であたりまえの生活の中から『感謝できること』を見つけていくこと。

    『感謝できること』が増えれば増えるほど、心は発酵・熟成し人間として成熟するから。

    心が熟成すると人間が成熟する

    熟成とは、発酵がゆっくり進み終えることで、より深い味わいをもたらすこと。

    成熟とは、心や身体などが十分に成長すること。

    熟成した食物が深い味わいやコクをもたらすように、心が熟成することで、人間性が成熟する。

    人間性が成熟すれば、些細なことでイライラする必要もなく、他人や社会に怒りをぶつける必要もなく、心の器の大きさをもって、人に優しくすることもできる。

    普通であることが普通以上であることに気づくことができるから、日々感謝できることが見つけられて、より心は発酵と熟成を繰り返し、更に人間に深みを増していく。

    もちろん、そんな人間にすぐにはなれない。

    大事なことは、心が発酵するか腐敗するか、人間が成熟するかどうかは、些細な日常の感じ方にかかっているということ。

    ひとつの出来事を、プラスに感じることもマイナスに感じることも、心ひとつで決まる。

    自分の心を理解し、ひとつの出来事をプラスに感じられるようにしていくことが、心を発酵させて人間性を成熟させていくために必要なのだと思います。

    まとめ

    微生物が動き出し、それが発酵するのかそれとも腐敗するのかは、紙一重の差。

    心の変化のプロセスにおいても、心が発酵するか腐敗するかは、日々の些細なことにかかっている。

    些細なことでイライラし怒りを他者にぶつけていると心は腐敗し、最後は自分自身をこわしてしまう。

    そうならないためにも、何気ない日常のなかで、どれだけ幸せや豊かさを感じられるのか、どんなことにうれしさや楽しさが隠れているのか、自分の心が「よろこぶこと」に意識を向けてみてください。

    心がより良い変化をしていくことで、何気ない日常の中に大切なことがあることに気づけるようになるから。

    ここまでお読みいただきありがとうございました。

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