みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口です。
前回と前々回のブログでは、内村鑑三著の「代表的日本人」を参考にしながら、二宮尊徳について書いてきました。
前回のブログでは、かたくなになった心を立て直すためには、心を耕すこと、すなわち「心田開発」が大切であることをご紹介しました。
二宮尊徳の語録には、「心田開発」のような田畑や農業に例えた心理の話がたくさんあります。
では、なぜ二宮尊徳は心理の話を農業に例えたのでしょうか?
それは、心理を知らない農民たちに、人間の心をわかりやすく理解させるためだったのではないでしょうか。
今日も「代表的日本人」を参考にして「心に蒔く種」と題して、二宮尊徳の言葉をご紹介します。
心に蒔く種
最初に二宮尊徳の言葉をご紹介します。
キュウリを植えればキュウリとは別のものが収穫できると思うな。
人は自分の植えたものを収穫するのである。
内村鑑三著「代表的日本人」より引用
みなさんは畑で「大根を育てたい」と思ったとき、何の種を蒔きますか?
今年も「米を食べたい」と思ったら、春の田んぼに何の種を蒔きますか?
大根を食べたいと思えば畑に「大根の種」を「米を食べたい」と思えば田んぼに米を蒔くと思います。
春の田に米を蒔いておきながら、秋に「なんで小麦がならないんだ!」と怒ったりはしないですよね。
自分が「得たい実り」の種を、適切な季節に田畑に蒔くことで、時間とともに芽が出て花が咲いて、その実りを得ることができる。
これが自然の仕組みです。
そして、私たちの心にも田畑のような仕組みがあります。
「幸せになりたい」と思っているのに不平不満の種を心に蒔いていたのでは、幸せの実りを感じることはできません。
「人生を楽しく生きたい」と思っているのに、「毎日がつまらない」と愚痴の種を心に蒔いていたのでは、楽しい芽が育つはずがありません。
心は田畑のようなもので、そこで何を育てるのかは自分次第。
「幸せになりたい」と願うのであれば、いまのあたりまえの幸せをみつけてみよう!
「楽しく生きたい」と思うのであれば、これからいろいろなことにチャレンジしてみよう!
そうやって「得たい実り」の小さな種を心に蒔いてみよう!
小さな種から芽がでて葉を広げて花を咲かせ、花が散り実りを迎えるまでは時間がかかる。
その成長の時間も共に楽しもう!
「今日、自分の心に蒔いた種が未来に実るもの」だと、二宮尊徳は村人に伝えていました。
難しい心理学を知らなくても、自然の仕組みを観察すれば、心の仕組みはわかるもの。
だから、二宮尊徳は心理の話を農民が一番身近な農の話に例えながら伝えていたのだと思います。
まとめ
私たちの心は田畑みたいなものです。
土という中立なものに対して、野菜の種を蒔けば、そこは恵みの大地となり、雑草の種を蒔けば不毛な大地となる。
土は変わらないけれど、その上に育つものは大きく変わる。
今日どんな種を蒔くか(原因)で、その結果は変わります。
私たちは悩みや問題を抱えたとき、起きた問題(結果)をどうにかしようとします。
しかし、問題の種を蒔いたから、その問題が起きたのだとすれば、最初に蒔いた種を正すことが本質です。
種が変われば、実りも変わります。
あなたは、心にどんな種を蒔いていますか?
そして、これから心にどんな実の育てたいと思っていますか?
心に蒔く種を意識してみましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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