楽(らく)と楽(たの)しいのちがい

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口剛史です。

    先日「心理カウンセリングを受ければ、これから人生を楽(らく)に生きられますか?」というご質問をいただきました。

    いまの自分にとって苦しいことがあり、辛い時期であればあるほど、これからの人生を楽に生きたいと思いますよね。私もその気持ちよくわかります。

    しかし、残念ながら心理カウンセリングを受けても、人生が楽になることはありません。

    逆に、心理カウンセリングを受けることで自分自身が問われ、難しいと感じることが増えてしまうかもしれません。

    しかし、心理カウンセリングを受けることで、これからの人生を楽(たの)しく感じられるようにもなれます。

    あなたは、人生に「楽(らく)」を求めますか?それとも、人生に「楽(たの)しさ」を求めますか?

    「楽」と「楽しい」は漢字は一緒ですが、意味も感じ方も異なるものです。

    今日は「楽(らく)」と「楽(たの)しい」の違いについて書いていきます。

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    「楽(らく)」と「楽(たの)しい」の違い

    まずは、「楽(らく)」と「楽しい」の言葉の意味を調べてみましょう。

    楽(らく)
    ・心身に苦痛などがなく、快く安らかなこと。
    ・生計が豊かなこと
    ・たやすいこと簡単なこと
    ~デジタル大辞泉より引用~


    楽しい(たのしい)
    ・満ち足りていて愉快な気持ちである
    ・裕福である。金持ちである。
    ・作物の出来が豊かなこと
    ~デジタル大辞泉より引用~


    楽(らく)と楽しいでは言葉の意味が違います。英語では、楽(らく)は「easy」で楽しいは「happy」です。

    それでは、あなたに4つ質問をします。あなたは、どちらが楽(らく)でどちらが楽しいと感じるでしょうか。

    【質問1】
    ・4ピースのジグソーパズルと1000ピースのジグソーパズル、あなたはどちらが楽(らく)で、どちらが楽しいですか?

    【質問2】
    ・高低差のないジェットコースターと高低差があるジェットコースター、あなたはどちらが楽でどちらが楽しいですか?

    【質問3】
    ・畑で「かぶ」と「大根」を収穫するとき、あなたはどちらが楽でどちらが楽しいですか?

    【質問4】
    ・楽になる映画と楽しい映画、あなたはどちらの映画をみたいと思いますか?

    楽(らく)と楽しいの違いはいかがでしたでしょうか?答えは人それぞれ状況により違うと思います。

    きっと、ジグソーパズルが苦手な人は4ピースを選び、ジグソーパズルを楽しみたいと思う人は1000ピースを選ぶことでしょう。

    ジェットコースターが苦手な人は高低差がないジェットコースターを選び、逆にジェットコースターを楽しみたい人はスリルが味わえる高低差のある方を選ぶことでしょう。

    そう、私たちは何かを楽しみたいと思うとき、楽(らく)方は選ばないのです。

    「かぶ」と「大根」の違い

    畑で、子ども達に「かぶと大根どちらか1つを自由に収穫していいよ」と言うと、子ども達はどちらを収穫すると思いますか?

    答えは「大根」です。

    では、なぜ子ども達は「大根」を選ぶのでしょうか?

    それは「大根」の収穫の方が難しそうで楽しそうだからです。

    子ども達に大根の収穫体験をさせると、みんなで協力をし大根の周りを掘り進めながら収穫をします。そして、無事収穫をできたときに、とても大きな達成感を味わえます。

    また、「ごぼうと大根の好きな方を抜いていいよ」と伝えると、子供達はごぼうを収穫します。

    「ごぼう」の収穫は難易度があがり、子ども達は1時間でも土を掘り続け、収穫ができたときには、大きな充実感を味わえます。

    一方、大人に「かぶと大根どちらか1つを自由に収穫してください」と言うと、大体の人が楽な「かぶ」を収穫します。

    また、大人に「大根を自由に収穫してください」と言うと、大体の大人は「どうやって収穫すればいいですか?」と不自由な質問をしてきます。

    「かぶ」も「大根」を収穫することは一緒なのに、子供と大人の違いはどこにあるのでしょうか?

    子ども達は知っているのです。

    難しいことの方がその後に達成感や充実感を味わえること、難しいことの方が楽しいことを。

    楽しい人生とは?

    人生を楽(らく)に生きることは簡単なことです。

    楽に生きたいのであれば「何にも望まず、何も考えず、何もしない」を日々実践すれば楽(らく)に生きられると思います。

    しかし、「何にも望まず、何も考えず、何もしない」を日々を過ごした人生が終わりを迎えるときに、果たして心から「楽しかった人生」と言えるでしょうか?

    子ども達は知っています。

    難しいことの方がその後に達成感や充実感を味わえること、難しいことの方が楽しいことを。

    しかし、大人になると知識や経験が増える一方、失敗を恐れどこかで自分を守ろうとしてしまいます。

    自分を守ろうとするから「いまの自分が安心してできること」しかしません。

    でも、それは畑で「かぶ」を抜くようなもので、見ていても生きていても楽しさを感じられないのです。

    いまの自分を守るために、楽(らく)な方を選ぶから人生に虚しさを感じてしまうのです。

    もし、あなたが人生で楽しいや達成感・充実感を味わいたいと思うときは、苦しさの先にある楽しさに向かって1歩踏み出すことも、時には大切なのかと思います。

    まとめ

    いまの自分にとって、苦しいことがあり、辛い時期であればあるほど、これからの人生を楽に生きたいと思いますよね。

    もちろん、苦しい状況から逃げだし、楽な状況を選ぶことも時には大切なことです。

    しかし、心が楽になり周りの状況が落ち着いたときに、自分と向き合い苦しさの先にある楽しさを見つけるも大切です。

    心の中には、楽の先には虚しさがあり、苦しさの先に楽しさがあるのだと思います。

    「カウンセリングを受ければ、これから人生を楽(らく)に生きられますか?」とご相談いただいた方とは「楽しく生きること」をテーマにお話し合いをしました。

    そのなかで、ご自身がこれから考えるべきことが見つかったようでした。

    長文をお読みいただきありがとうございました。

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