
カウンセリングSORAの関口です。
これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。
人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。
そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながらブログを綴っています。
しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。
今日の言葉
イソップ寓話より引用
161)占い師
占い師が広場に陣取って見料を稼いでいた。突然、一人の男がやって来て「占い師の家の戸が破られ、中のものがすべて盗まれた」と告げた。占い師は大いに慌て、嘆き声を上げて事件を確かめに駆け出した。
それを見ていた一人が言った。「おい、お前は他人のことは何でも分かると吹聴するくせに、自分のことは占えなかったのか」自分の生活を満足に律せないのに、他人のことばかり気にする人への戒めである。
【引用元:岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
占い師の寓話に学ぶ――人に伝える前に、自分を律する大切さ
占い師・教師・コーチ・カウンセラー・医師など、人にアドバイスをする仕事では、まず自分を律することが大切だと思います。
なぜなら、自分を律することができていなければ、その言葉は相手の心に届かないからです。
たとえば「幸せになれるコーチング」を掲げている人がいたとしても、本人の日常生活が問題ばかりで幸せを感じられていなければ、そのアドバイスには深みが欠けてしまうでしょう。方法論を伝えることはできても、心から伝わる「幸せ」は難しいと思います。
結局のところ、自分を幸せにできない人が、他人を幸せに導くのは難しいのです。
私もカウンセリングでアドバイスをする立場になることがありますが、常に意識しているのは「自分ができないことを無責任に勧めない」ことです。
そのために、普段からできるだけ多くの経験を積み、言葉を噛み砕いて伝えられるように学び続けています。このブログを書いているのも、その一環です。
イソップ寓話「占い師」を読みながら、あらためてそんなことを考えました。
今日の問いかけ
「アドバイスをする時、自分はそのことができていますか?」
人はつい理想論で語ってしまうことがあります。しかし、その理想論のアドバイスは、実は自分にとっても必要な言葉であることが多いのです。
だからこそ、人に伝える時には理想論だけではなく、具体的で分かりやすい言葉が必要になります。
そして、その言葉は「自分自身が経験していること」からしか生まれてきません。
つまり、アドバイスをする立場の人ほど、幅広い経験と理解を積み重ねておく必要があるのだと思います。
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