みなさんこんにちは。
心理カウンセリング空の関口です。
桜も散り、新緑がきれいな季節になりましたね。
当時の私がうつ状態に陥ったのが春だったので、この季節を迎えると当時のことを思い出します。
私のうつ病の経験として一番苦しかったことは「うつ病になったこと」ではなく「うつ病になってしまった自分自身のことを自分で認めることができなかったこと」です。
当時の私は自分の事を認めることができなかったから、いつも4歳の息子に謝罪ばかりをしていました。
今日は私のうつ克服記として「謝罪することでいまの自分を認めてもらいたい」を書いていきます。
謝罪することでいまの自分を認めてもらいたい
前回の記事の続きです。
仕事を休職することとなり、平日にひとりで心を休める自由な時間ができました。
仕事で忙しかったとき、自分の自由な時間が欲しいと望んでいたのに、いざ平日に自由な時間が出来ても、何もすることがなく、何も出来ていない自分を認めることもできず、結局、みんなが社会に出て活動している時間帯に自己否定をする日々を過ごすことになりました。
そのとき私は、当時4歳の息子に対して「こんなパパでゴメンね」と、いつも謝罪をしていました。
まだなにもわからない息子に謝罪することで、ただ家にいる自分が少し安心できる感じでした。
当然ですが、4歳の息子はなぜ父親に謝られるのか訳もわからず、いつも「ふ~ん」と受け流していました。
しかし、ある日の息子は違いました。
その日も、リビングで遊んでいた息子に「こんなパパでゴメンね」といつもの謝罪をしたところ、息子は「あのさ、なんでパパが僕に謝るのかわからないけど、僕にとってはパパはパパだからね。そんなことしているのであれば、いま一緒に遊んでよ。」としっかりと意見を返してきました。
この息子の言葉を聞いたとき、私の心の中に衝撃が走りました。
「僕にとってはパパはパパだから」
そっか、私がうつ状態であろうが、自己否定をしていようが、平日にただ家にいようが、この息子にとったら、私はひとりの父親であることことに変わりがない。
息子の立場からみたらどんな父親であったとしても、そのことを否定しようがないんだ。
それなのに、私は私自身のことを、会社を休職しているから、うつ状態だから、何も出来ていないか、と自分のダメなところばかりを見て自己否定をしている。
そして、その自己否定の罪悪感から、息子に「こんなパパでゴメンね」と謝罪をすることで、息子にダメな自分のことを認めてもらおうとしていることに気づかされました。
続きをまた書きます。
今の自分から当時の自分へひとこと
当時の私が「こんなパパでゴメンね」と息子に対して謝罪していたのは、うつ状態になった自分のこと、会社に行っていない自分のことを認めることができなかったからです。
自分で自分のことを認めることができないから、謝罪することで、訳がわからない4歳の息子に「大丈夫だよ」って認めてほしかったのです。
今振り返るとズルいですよね。
ではなぜ、当時の私は自分自身の事を認めることができなかったのでしょうか?
それは「父親たるもの会社に行って社会の上を目指して働くべき」という強いプライドが心の中にあったからです。
もちろん、そのプライドがあったから、私は高いモチベーションで仕事に挑むことができましたので、それは悪いものではありませんでした。
しかし、うつ状態になり何も出来なくなり「プライドと現実が乖離したとき」そのプライドが自分を追い詰め自己否定をするものに変っていました。
「僕にとってはパパはパパだから」と息子に言われたときに、そっか、自分はこの4歳の息子の前でも、社会で上を目指して働いている立派な父親でいようとプライドを描いているから「こんなパパでゴメンね」と謝罪をしたくなるんだなと気づきました。
でも、そんな私のプライドは息子にとってはどうでもいいこと。
息子が望んでいたものは「そんなことよりも、いま一緒に遊んでよ!」という今この瞬間のこと。
どんな状態の父親であろうとも、息子の「いまを一緒に遊んでほしい」という気持ちを理解できたとき、「そうだね、どんな状態だとしても、一緒にいまを楽しめばいいよね」と、自分を追い詰めているプライドを少し手放すことができて、いまの自分を少し認め心が軽くなったことを、今でも覚えています。
どんな状況の自分であっても、まずは、その自分を自分で認めること。
きっと、うつで悩んでいる方に、「いまの自分を認めよう」と言ったところで、「うつの自分なんて認められない」思うことでしょう。当時の私もそう思っていました。
でも、自分を認めるときに大事なことは、「うつな自分を認められない」と思っている自分をそのまま認めることです。
自分がうつ状態になったことが事実であれば、うつ状態の自分を否定するのではなく、うつ状態になった自分のことを「まあこれはこれでしょうがない」としっかりと認めること。
そして、少し心が軽くなったタイミングで「じゃあ、いまの自分がこれからどうしようか?」と、いまの自分の視点から、新しい未来を少し描いてみること。
そうすることで、いまの自分を否定することよりも、もっと大事なことが沢山あることに気づけるものだから。
ちなみに、当時4歳だった息子はもう12歳です。なぜ、4歳の息子が当時あんなことを言えたのか?と本人に聞いても「わからない」と言います。
人は時として不思議なことが起こるものですね。
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