マッチ1本で火を起こせること

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口です。

     今月は4年前の東日本大震災発生後の、被災地での炊きだしボランティアの経験から、私が学んだことなどを書いていきます。

     オープンファームのとき、大人でも子供でも雑木林から薪を拾い、限られたマッチで火を起こしてもらうことを体験してもらうようにしています。

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     みなさんはマッチ1本で火を起こせますか?

    自分の周りの自然界にあるもののなかで、どんなものが火をがつきやすく、どんなものが火が持続するか知っていますか?

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    私が炊きだしボランティアで活動をしているとき、海沿いに住まれていて津波の被害に遭われてしまった

    ひとりの女性のお話を聴きました。

    気づいたときには、もう津波が迫っていた。 とりあえず山に逃げなければと思い、 直ぐ近くの山に着の身着のまま登りました。山を登りフッと振り返ったときには街がありませんでした。

    あの夜はとてもとても寒かった。着の身着のまま逃げてきたものだから、その夜がとても長くとても寒かったことを 生きた心地がしなかったことをいまでも覚えています。

    ただ、幸いにも一緒に山に逃げた人のなかで、マッチを持っている方がいて、そのマッチで山にある物で火を起こし救援が来るまでしのぎました。

    火があったことで暖まることができ、 火を見ることで生きていることを実感できました。

    いま私達はとても便利な生活をしています。

    スイッチひとつで電化製品をつかえ、ボタンひとつでコンロでで火を起こせ、蛇口をひねれば、きれいな水がいつでもでてきます。

    私達の世代は産まれたときから、その環境が「あたりまえ」だからそのことに意識を向けることができません。

    人間の意識は、環境に慣れてしまうと、何かかあることに気づけなくなるものです。

    そして、意識的にあることに気づけなくなると、無くなったときにはじめて気づくことになります。

    震災はいつどこで起こるかわかりません。

    震災でいまの便利さを失ってから、その豊かさに気づくのではなく、震災が起こる前からいまある便利で豊かな生活に意識を向けて感謝をしつつ、いまある便利で豊かな生活が仮に失われてしまったときに、自分で対処できる”生きる力”を事前に養っていくことが大切なことだと私は思います。

     雑木林で薪を拾い限られたマッチで

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    火を起こし釜土で煮炊きをすること。

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    井戸から水を汲むこと。

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    それは不便なで大変なことであり、また、少し危険が伴うことでもあります。

    でも、不便で大変で危険が伴うことだからこそ”生きる力”を養い、あえて不便で大変で危険な思いを体感するからこそ、いまある便利で豊かな生活に気づけるのだと思います。

     “祖先の生き方に還るのは文化の後退ではない”

    ~ネイティブインディアンの言葉~

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