
カウンセリングSORAの関口です。
これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。
人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。
そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながら、1日1文のブログを綴っています。
しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。
今日の言葉
イソップ寓話より引用
53)兄弟喧嘩する農夫の息子
農夫の息子たちが喧嘩ばかりしていた。
いくら言って聞かせても、言葉ではとうてい改心してくれないので、行いで教えこむしかないと悟り、棒の束を持ってくるよう命じた。
息子たちが言いつけどおり持ってくると、農夫はまず、棒を束のまま渡して、折ってみろと言った。
いくら力を入れても折れないので、今度は束をほどき、棒を一本ずつにして渡した。
息子たちが易々と折っていくのを見て、農夫が言うには、「よいか、お前たちも心を一つにしている限り、敵も手が出せまい。
しかし、内輪もめをしていると、容易に敵の手に落ちるぞ」内輪でもめるほど敵に敗れやすく、一致団結するほど強くなる、ということをこの話は説き明かしている。
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
具体的なことで大事なことを伝える
毛利元就の「三矢の訓」では、三兄弟に一本ずつ矢を持たせ、「一本なら簡単に折れてしまうが、三本束ねれば容易には折れない。三本の矢のように三人が力を合わせれば、非常に大きな力を発揮できる」と教えたと伝えられています。
この「三矢の訓」は、イソップ寓話に登場する「兄弟げんかをする農夫の息子たち」の話と非常によく似ています。
毛利元就が活躍したのは、約500年前の16世紀(1500年代)、一方イソップ寓話が成立したのは紀元前6世紀(現代からおよそ2600年前)とされています。
こうして比較してみると、「毛利元就もイソップ寓話を読んで三矢の訓を伝えたのではないか」と思ってしまうほど、両者の例えはよく似ています。
もちろん、実際にイソップ寓話を知っていた可能性は低いでしょう。
それでも不思議なほど似た教えが生まれていることに、人間社会の共通する知恵を感じます。
しかし、この話で本当に大切なのは、「どちらが先か」ではありません。
重要なのは、「具体的なものを使って、大事なことを伝える」という教えの本質です。
単に「兄弟仲良くしなさい」と言葉で諭すのではなく、実際に棒や矢を折って見せ、束ねれば強くなることを体験させる。
このようにして、言葉だけではなく感覚で理解させることにも大きな意味があるのだと思います。
この教訓は、イソップの時代でも、戦国時代でも、そして現代においても変わらない普遍的な真理だと感じます。
イソップ寓話集 の「兄弟が喧嘩する農夫の息子」を読んで、そんなことを感じました。
今日の問いかけ
「あなたが具体的なことを通して伝えられそうなことはなんですか?」
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