言葉はその人の心を表す

    カウンセリングSORAの関口です。

    これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。

    人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。

    そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながら、1日1文のブログを綴っています。

    しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。

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    今日の言葉

    イソップ寓話より引用

    22)狐と木樵(きこり)
    狐が狩人から逃れて来て、木を見つけたので、匿って下さいと頼んだ。木樵は杣小屋に入って隠れるよう勧めた。 間もなく狩人たちがやって来て、狐がこっちへ来るのを見なかったか、と尋ねるので、木樵は口では見ていないと答えながら、手ぶりで狐の隠れている所を教えた。 狩人たちはしかし、手ぶりには注意を払わず、言葉の方を真に受けた。 狐は彼らが立ち去ったのを見て出て来ると、挨拶もなしに行こうとした。命を救ってもらいながら、一言のお礼も言わないのか、と木樵に非難されて言うには、「なに、あんたの手の動きが言葉と同じだったなら、私だって感謝もしたでしょうがね」 口では立派なことを明言しながら、実際には卑しい行いをする連中に、この話は適用できる。
    【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

    言葉はその人の心を表す

    「失言をしたから発言を撤回する」と言う人がいます。

    しかし、自分が発した言葉を、果たして「なかったこと」にすることができるのでしょうか。

    人は、自分の心や思考にまったく無いことを言葉にするのは、難しいものです。

    つまり、ある言葉を口にしたということは、「その人の中に、そうした考えが存在していた」ということです。

    「発言を撤回する」という言葉を安易に使う人は、こうした当たり前のことに気づいていないのかもしれません。

    イソップ寓話には、言葉と行動が一致しない木こりが登場します。彼は、狐にも狩人にも「いい顔」を見せようとする人物として描かれています。

    一見すると親切に見えるかもしれませんが、こうした人間は最も信頼されず、感謝もされないのです。

    なぜなら、言葉と行動が一致していない人の親切は、裏表があるように感じられてしまうからです。

    言葉はその人の心を映し出すものであり、心はその人自身を表しています。

    だからこそ、失言を撤回しようと取り繕うよりも、八方美人のような軽い言葉を並べるよりも――まずは心を清らかに保つことが大切なのだと、私は感じます。

    イソップ寓話「狐と木こり」を読んで、そんな思いを抱きました。

    今日の問いかけ

    「心の声を大切にしていますか?」

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