嫌な記憶も良い思い出と同じよう覚えておこう

みなさん、こんにちは。

私は心理カウンセリングの関口剛史です。

カウンセリングの中で、過去の嫌な記憶に思考が支配されて「今がとてもつらい」「この先が不安」という相談を受けることがあります。

想像力が豊かな人ほど、過去の嫌な体験を鮮明に記憶していて、その嫌な記憶が残るためにつらくなってしまうことが多いと感じます。

その中で「どうやったら嫌な記憶を消せますか?」とご相談いただくのですが、私は「嫌な記憶も良い思い出と同じように覚えておけばいい」と感じます。

今日は「嫌な記憶も良い思い出と同じように覚えておこう」について書きます。

嫌な記憶も良い思い出と同じように覚えておこう

人間が過去の体験を覚えていられるのは記憶力があるからです。

過去の体験を記憶する際、楽しい体験よりもつらい体験の方を鮮明に記憶するようになっています。

楽しい体験だけを記憶しておけたらいいのに、なぜ、わざわざつらい体験の方を鮮明に記憶してしまうのでしょうか。

それは、動物の防衛本能によるものだと思います。

以前、農業を手伝っているときに、タヌキやアライグマなどの動物から野菜を守るために電気が流れる電柵を畑の周りに張りました。

動物が電柵に触れて「嫌な体験」をすると、やがてその動物はその畑に来なくなるそうです。これも動物の防衛本能によるものです。

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嫌な体験を記憶しておくことで、次に嫌な体験をしそうなときに事前に回避できます。

嫌な記憶も学習のひとつで、その記憶自体も生きていくうえで必要な情報だと思います。

しかし、嫌な記憶で頭がいっぱいになると、心が落ち込んで不安やつらい気持ちになってしまいます。

カウンセリングでも「つらい記憶を消すにはどうしたらいいですか?」と聞かれることがあります。

きっと、つらい記憶を消せれば、今が楽になれる、これから前を向ける思っているからかもしれません。

しかし、記憶は無理に忘れたり消そうとしたりしないことが大事だと私は感じます。

そのうえで、過去の嫌な記憶に囚われすぎて、今がつらくなる場合は、記憶の認識を改めた方がいいと思います。

記憶とは、過去の体験したときの情報です。

その時の感情がプラスであれば「良い思い出」となり、マイナス感情であれば「嫌な記憶」となります。

記憶は過去の出来事であり、いまこの瞬間の出来事ではありません。

それなのに嫌な記憶でつらい気持ちになってしまうのは、今、嫌な記憶を思い出しているからです。

本当は嫌な記憶がつらいのではなく、嫌な記憶を今思い出していることがつらいのです。

例えば、あなたが大好きな映画やゲームをしている時に、嫌な記憶で気分が落ち込むことはありますか?

おそらく、何かに集中している間は嫌な記憶を思い出すことはできないと思います。

きっと、時間があるときにフッとしたときに、嫌な記憶を思い出してしまい、つらい気持ちになってしまうのではないでしょうか。

記憶は、反芻すればするほどイメージが鮮明になり長期記憶に保存されてしまいます。

記憶は、忘れよう消そうすればするほど、未来が不安になります。

記憶の認識で大切なことは、以下の点だと思います。

  • 記憶も悪い記憶も、自分のひとつの体験として覚えておくこと
  • 嫌な記憶を今思い出して今をつらくしないこと
  • 嫌な記憶の色眼鏡をつけて社会や未来を見ないこと
  • 嫌な記憶だとしても、その時のつらい出来事は既に終えた事実として受け入れること
  • 記憶は1つの情報として、いまに意識を向けること

記憶の認識を少しずつ改められれば、良い思い出も嫌な記憶も一緒に覚えておけるのかなと思います。

まとめ

先日、お客様から「電気ショックで嫌な記憶を消す」療法があるとお聞きしました。

トラウマなどの強烈な記憶で今を安定して過ごせないのであれば、それもひとつの方法かと思います。

しかし、私は嫌な記憶は記憶として覚えておくことが大事だと感じます。

私がうつになったときの記憶、今でも鮮明に覚えています。

当時の嫌な記憶を思い出し続ければ、今からうつ病になれるとも思います。

しかし、もうそんなことはしたくありません。

過去の記憶で今日を生きることが、とてももったいないことだと思えるようになったからです

嫌な記憶が防衛本能によるものならば、嫌な記憶を消してしまうと、また同じつらい経験をしてしまうのではないでしょうか。

嫌な記憶は嫌な記憶として覚えておき、次に当時と同じような状況になったときに、以下に自分の行動を変えていけるかが重要なのかなと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

心理カウンセリング

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