変化の時期は、ライフスタイルを見直してみよう

みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口剛史です。

最近の社会情勢を見ていると、これまで成長を続けていた経済の先行きが不透明となり、「これからどうなるのだろう」という不安を感じます。

そんな不安を感じながら、立ち寄った本屋で出会ったのが「世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉」です。

本の冒頭で紹介されているホセ・ムヒカのスピーチを読んでとても感銘を受けました。

「消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば“不況のお化け”がみんなの前に現れるのです」とホセ・ムヒカは語っています。

今日はホセ・ムヒカのスピーチをご紹介しながら「変化の時期は、ライフスタイル見直してみよう」について書いていきます。

目次
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元ウルグアイ大統領 ホセ・ムヒカのスピーチ

最初に、2012年6月に開催された「持続可能な開発会議」で、当時のウルグアイ大統領 ホセ・ムヒカのスピーチをご紹介します

会場にお越しの政府や代表の皆様 ありがとうございます
ここにご招待いただいた ブラジル国、そしてディルマルセフ大統領に感謝いたします。私の前にここに立って演説した、心良きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。
国を代表する者同士、人類が必要とする国同士の決議を議決しなければならない。その素直な志をここで表現しているのだと思います。
しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。
午後からずっと話されていたことは、「持続可能な発展と世界の貧困をなくすこと」でした。けれども、私たちの本音は何なのでしょうか。
現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することなのでしょうか。
質問をさせてください。
ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるのでしょうか。息をするための酸素がどれくらい残るのでしょうか。
同じ質問を別の言い方でしましょう。
西洋の富裕社会が持つ傲慢な消費を、世界の70億~80億の人ができると思いますか。そんな原料がこの地球にあるのでしょうか。可能ですか。
それとも別の議論をしなければならないのでしょうか。
なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか。
マーケット経済の子供、資本主義の子供たち、つまり私たちが、間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作ってきたのです。
マーケット経済がマーケット社会をつくり、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。
私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか。グローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか。
このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で、「みんなで世界を良くしていこう」といった共存共栄な議論はできるのでしょうか。
どこまでが仲間で、どこからがライバルなのですか。
このようなことを言うのは、このイベントの重要性を批判するためではありません。その逆です。
我々の前に立つ巨大な危機問題は、環境危機ではありません。政治的な危機問題なのです。
現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。
私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。
人生は短いし、すぐ目の前を通り過ぎてしまいます。
命よりも高価なものは存在しません。
ハイパー消費が世界を壊しているにもかかわらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。
消費が社会のモーターになっている世界では、私たちは消費をひたすら早く、多くしなくてはなりません。 消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば”不況のお化け”がみんなの前に現れるのです。
このハイパー消費を続けるためには、商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、本当なら10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない……。
私たちは、そんな社会にいるのです!
長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけない。
人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。
悪循環の中にいることにお気づきでしょうか。
これは、紛れもなく政治問題です。私たち首脳は、この問題を別の解決の道に導かなければなりません。
石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。
私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。
昔の賢明な人々、エピクロス、セネカやマイアラ民族までこんなことを言っています。
「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
これは、この議論にとって文化的なキーポイントだと思います。
私は国の代表者として、そういう気持ちでこの場に参加しています。
私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉が結構あると思います。
しかし、みなさんには水源危機と環境危機が問題の源でないことを分かってほしいのです。
根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは、私たちの生活スタイルだということ。私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。
私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、私の国には、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛がいます。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんなに小さな国なのに領土の8%が資源にあふれているのです。
私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために闘いました。
そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。
なぜか?
バイク、車などのローンを支払わなければならないからです。
毎月2倍働き、ローンを払っていったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。そして、自分自身に質問を投げかけます。
これが人類の運命なのか……と。私の言っていることはとてもシンブルなものですよ。
発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。
愛を育むこと、人間関係を築くこと、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限の物を持つこと。
発展は、これらをもたらすべきなのです。
幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。
環境のために闘うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であることを覚えておかなくてはなりません。
ありがとうございました。
(スピーチ日本語訳・打村明)

~引用元 佐藤美由紀著 ホセ・ムヒカの言葉より~

変化の時期はライススタイルを見直してみよう

新型コロナウイルスの蔓延により、世界中で社会不安が広がっています。

この不安感は大きく2つに分けられます。

ひとつが、自分や周りの人が新型コロナウイルスに感染しないかどうかの「生と死」に対する不安。

もうひとつが、今までの生活水準が維持できるかどうかの「ライフスタイル」に対する不安。

最近起こった現象で例えると、ウイルスの感染に関わるマスクの買い占め現象は「生と死」の不安で、生活に関わるトイレットペーパーの買い占め現象が「ライフスタイル」の不安です。

基本的に人間は普通(現状維持)が安心なので、新たな変化に対して不安を感じるもの。特に今まで経験したことがない変化に対しては強い不安感を抱きます。

前回のブログでもご紹介したとおり、不安感が強くなると安心と今までの普通を求めて自己中心的な行動にでてしまいます。

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しかし、今までのグローバル経済や消費社会のライフスタイルは本当に普通のことだったのでしょうか?

先に紹介したホセ・ムヒカのスピーチでは、今までの消費社会のライフスタイルについて、いくつもの問題を投げかけています。

  • 命よりも高価なものは存在しません。ハイパー消費が世界を壊しているにもかかわらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです
  • 貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ
  • 根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは、私たちの生活スタイルだということ。
  • 愛を育むこと、人間関係を築くこと、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限の物を持つこと。発展は、これらをもたらすべきなのです。

人間は、何不自由なく生活しているときや物事が順境のときに、気づくこと学ぶことはできません。これが普通であると錯覚しいつまでも続くと思ってしまいます。

しかし、今までの普通が普通でなくなりつつある社会変化のなかでは、ライフスタイルを改めて見直す必要があるのかもしれません。

京セラ創業者の稲盛和夫氏は「足りるを知る」生き方の実践が必要だと語っています。

すなわち「足りるを知る」心、その生き方の実践が必要になってきます。

いまもっているもので足りる心がなかったら、さらに欲しいと思っているものを手に入れたところで、けっして満足することはできないはずです。

~稲盛和夫著 生き方 より引用~

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豪華な料理を食べないと幸せを感じられない人と、普通のご飯を食べて幸せを感じられる人、どちらの方が今日を豊かに過ごせるでしょうか。社会不安が大きいとき、どちらの方が不安におびえずに過ごせるでしょうか。

変化が大きいときにほど、今までのライフスタイルを見直してみましょう。

本当に大切なものは、すぐ近くにあるものだから。

まとめ

新型コロナウイルスの不安感は「生と死に対する不安」と「ライフスタイルに対する不安」に分けられます。

「生と死」に対する不安が強くなると暴動などが起き、「ライフスタイル」に対する不安が強くなると買い占めや転売が起きます。

不安に駆られた行動は悪い結果になるため、1人ひとりの落ち着いた行動が求められます。

「世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉」を読んで、ライフスタイルを見直し「足りるを知る」ことが大事だと感じました。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

今回ご紹介した本

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