みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口剛史です。
私が最も尊敬する人物は二宮金次郎です。
先日、ある市が「二宮金次郎像を入札方式で最低1万円~で売却する」という記事をネットニュースで見つけました。
その記事を読んで、物事の背景を感じ取ることができない人が増えていると感じました。
今日はそのことについて書いていきます。
物事の背景を感じ取ろう
記事によれば、学校の統廃合により設置場所がなくなった金次郎像は移設の費用がかかるため、購入したい人に活用してほしいという思いで売却されることになったようです。
個人的には、二宮金次郎像がない小学校に移設すればいいのではと思うのですが、「歩きスマホを助長する」、「子どもに働かせている虐待だ」、「現代の教育方針に合わない」、「移設するのにお金がかかる」などの理由で二宮金次郎像が撤去されるのは、二宮金次郎について理解していないからだと思います。
私たちはしばしば物事の表面だけを見て評価しますが、なぜ当時の人々は小学校に二宮金次郎像を設置したのでしょうか。
それは、子どもたちに二宮金次郎のような生き方をしてほしいという思いがあったからだと思います。
きっと、当時の先生達は、二宮金次郎像を前にして、人としての生き方を子どもたちに教えていたのだと思います。
金次郎の考え方や行動原理は、現代社会でも通用します。
道徳心を失いつつある現代こそ、二宮金次郎の思想を学ぶ必要があると感じます。
物事の表面だけで評価するのではなく、その背景まで考えることで物事の本当の意味が見えてきます。
これが本当の教育であり、そういうことを金次郎像を使って伝えるべきだと思います。
まとめ
世界に代表的な日本人を紹介した、内村鑑三著の「代表的日本人」には、以下のような出だしで二宮金次郎を紹介しています。
19世紀のはじめ、日本の農業は実に悲惨な状況にありました。二百年の長期にわたって続いた泰平の世は、あらゆる階層を問わず人々の間に贅沢と散財をもたらしました。
怠情な心が生じ、その直接の被害を受けたのは耕地でありました。多くの地方で土地からあがる収入は三分の二に減りました。かつて実り豊かであった土地には、アザミとイバラがはびこりました。耕地として残された、わずかな土地でもって、課せられた税のすべてをまかなわなければなりません。
どの村にもひどい荒廃が見られるようになりました。正直に働くことがわずらわしくなった人々は、身を持ち崩すようになりました。慈愛に富む大地に豊かな恵みを求めようとはしなくなりました。
代わって、望みない生活を維持するために、相互にごまかしあい、だましあって、わずかな必需品を得ようとしました。諸悪の根源はすべて道徳にありました。
「自然」は、その恥ずべき子供たちには報酬を与えず、ありとあらゆる災害を引き起こして、地におよぼしました。そのとき、「自然」の法と精神を同じくする、1人の自分が生まれたのです。
~代表的日本人 内村鑑三著より引用~
最近は観測史上初となる異常気象や詐欺などが多く発生しています。
金次郎が生まれた時代も富士山や浅間山の噴火など自然災害後、その影響で飢饉や疫病などが起こり、その結果、人々が働かずにだまし合いばかりをしてたようです。
令和の時代は、二宮金次郎が生まれる前の状況に似てると感じます。
内村鑑三の文章は、人間の心が荒れたから、地球はありとあらゆる災害を引き起こしたとも読み取れるものです。
そうならないためにも、二宮金次郎像を通して物語を子どもたちに伝えるべきことがあるのではないかと思います。
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