「いいこと」するのは誰のため?

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口剛史です。

    いきなりですが、質問です。

    みなさんはトイレでスリッパを脱ぐときに、どの向きに揃えますか?

    脱いだままにしますか?、それとも次の人が履きやすいように向きを変えて揃えますか?

    うちの子どもが小さいときから、よくいくお店があります。

    そのお店のトイレはトイレ用のスリッパに履き替えるのですが、トイレにいく度にスリッパが反対向き(前の人が脱いだまま)の状態になっています。

    子どもには「次の人が履きやすいように揃えなさい」と教えてきたのですが、あるとき子どもから指摘されたひとことで「いいことするのは誰のため?」と考えるきかっけとなりました。

    今日は子どもから指摘された「いいことするの誰のため?」について書いていきます。

    目次

    「いいこと」するのは誰のため?

    スリッパの画像

    家族でよくいくお店のトイレのスリッパは、いつも誰かが脱いだ状態になっていました。

    うちの子どもが小さいとき「次の人が履きやすいように、トイレのスリッパを揃えて出よう」と教えていました。

    子どもは、親に言われたとおりスリッパを揃えてでるようになりました。

    しかし、子どもが少し成長した頃「このお店のトイレ、自分が出るときにいつもスリッパを揃えて出ているけれど、入るときはいつもスリッパが逆になっている。1回も揃っていたことがない。いくら自分が頑張って次の人にために揃えても意味がない」と指摘されたことがあります。

    この意見を聞いたときに「確かに正論だな」と思いました。

    自分は次の人のためにスリッパを揃えているのに、自分が入るときはいつも逆になっている。どうして前に入った人は次の人のことを考えてくれていないのだろう。自分だけが次の人のことを考えてスリッパを揃え続けても無意味ではないか?という、子どもらしい素直な思いです。

    いいことするのは誰のためでしょうか。

    次の人を思いスリッパを揃えるのはいいことだと私は思います。だから、子どもにそのように教えました。

    しかし、子どもは次の人のためにいいことをしているのに、自分のときはいつも逆になっている。逆さになったスリッパを見る度に裏切られているという感じだったのでしょう。

    次の人のためにいいことをすると、前の人にも次の人にも同じ行動を求めたくなります。その思いは自分が頑張ってすればするほど強くなります。

    でも、前の人もその次の人もそんなことはお構いなし。みな自分の好きなとおりに動きます。

    だから、誰かのためにいいことをすると裏切られ「いいことしても意味がない」と思い、最後は「いいこと」をやめて自分勝手になってしまう。

    そのお店のスリッパがいつまでたっても揃わないのは、そんな背景があるのではないでしょうか。

    いいことするのは誰のためでしょうか。

    きっと、いいことは未来の自分のためにすることではないでしょうか?

    自分がトイレに入るとき、やっぱりスリッパは揃っていた方が履きやすいし気持ちがいい。自分が気持ちがいいと感じることだから、自分はスリッパを毎回揃えて出る。

    次に入ったとき、またスリッパが揃っていなくても、出るときは未来の自分のために揃えて出る。

    そうやって未来の自分のために今の自分にできることをすることで、不思議と心は広がっていく。

    そして、やがて自分の未来のためにしていることが、自然と人や社会のためになっている。これが「いいこと」の本質なのだと思います。

    子どもに指摘されたとき「次からは次の人のためではなく、自分のためにスリッパを揃えよう」と伝え直しました。

    それから、子どもがそのことを覚えているのかどうか、今でもスリッパを揃えられているかどうかはわかりませんが、その気持ちだけは忘れないでいてほしいと思います。

    まとめ

    東日本大震災のあと、私は現地へボランティア活動に行ってきました。

    現地に行く前までは「被災者の方のため」という思いでしたが、現地に到着して被災地の皆さんの顔を見たときに「自分のために来たな」という思いが強くなりました。

    「誰かのためにいいことを」という思いは大事ですが、その思いが強くなると「感謝してもらって当然」とか「いいことしてきました~」とSNSやブログに投稿をして「いいね」をもらいたくなるものです。

    私は、いいことは自分の未来のためにすることであり、その自分の未来のためにしていることが、自然と人や社会ためになっている。これが「いいこと」の本質なのだと思います。

    「いいこと」をシェアできる時代だからこそ、「いいこと」をしたあとは、誰かに何かを求めるのではなく、自分の心の中の喜びを大事にできたらいいなと思います。

    ここまでお読みいただきありがとうございました。

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