「幸せ」を追い求めることは、鼻先に人参をぶらさげて走るようなもの

馬に人参みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口です。

以前、カウンセリングで「私は不幸だから、幸せになりたい」という相談を受けました。

私たちは何気なく「幸せ」という言葉を使い、誰もが「幸せになりたい」と願っていますが、自分にとって何が「幸せ」なのか?がわかっていないものです。

自分にとっての「幸せ」がわからないのに「幸せになりたい」と強く思うと、鼻先に人参(幸せ)をぶらさげたような状態となり「幸せ」を追い求め走り続けてしまいます。

しかし、「幸せ」を追い求めて走り続けることが、人として本当に「幸せ」なことなのでしょうか?

今日は「「幸せ」を追い求めことは、鼻先に人参をぶらさげて走るようなもの」と題してブログを書きます。

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馬の鼻先に人参

あなたは「馬の鼻先に人参をぶらさげる」という言葉を聞いたことがありますか?

馬の鼻先に人参をぶら下げることで、馬は人参を食べたい一心で走り続けるという例え話です。

似たような言葉で「鼻先分別」という言葉もあります。

こちらは「目先のことに囚われた浅薄な考え」という意味になります。

「鼻先の人参」や「鼻先分別」など、目の前や鼻先に得たいものがあると、何も考えずに追い求めてしまうこと、馬でも人間でもよくありますよね。

特に人間の場合は、人参という実体があるものではなく「幸せ」とか「成功」など実体の無い抽象的なものを追い求めてしまいます。

「私は幸せになりたい」・「人よりも成功したい」と誰もが思うことですが、自分にとって何が「幸せ」でどうなれたら「成功」なのかを定義しておかないと、「鼻先に人参をぶら下げた馬」のように「幸せ」や「成功」を追い求めて、社会の場で走り続けることになります。

そして、1回走り出すと今度は自分だけ「止まる」ことが怖くなり「もっと幸せになるんだ」・「もっと成功するんだ」と自分に言い聞かせながら、周りと競いながら走り続けてしまいます。

立ち止まることで得られるもの

周りと競いながら走ることが「楽しい」と感じる人は、そのまま走り続ければいいと思います。

しかし、走り続けて疲れを感じる人は、勇気を出して1回立ち止まり「いつまで走るの?」・「どこに向かって走っている?」・「誰と勝負しているの?」と考えることが大切だと思います。

きっと、今まで走り続けてきた人は、1回立ち止まって考えることに「恐怖」を感じると思います。

なぜならば、自分だけが立ち止まると周りからは置いていかれ、立ち止まったときの慣性の法則により追い求めていた人参も遠ざかるからです。

このとき「自分はもうダメだ」という挫折感を味わうかもしれない。止まってしまったことを後悔するかもしれない。

でも、焦らずに少しだけ時間をかけてじっくり立ち止まってみてください。

1度遠ざかった人参は自分の今いるところに自然と戻ってくるから。

そして、このときはじめて「幸せ」や「成功」は追い求めるものではなく、身近にあるものだと心から感じることができるようになるから。

二宮尊徳の「たらいの水」

私が尊敬する『二宮尊徳』の「たらいの水」のお話しをご紹介します。

たらいの水は自分の方へとかき集めようとすると逃げてゆくが、相手の方へと推しやろうとすればするほど自らに返ってきてしまう

二宮金次郎の幸福論より引用

「たらいの水」を「幸せ」に変えるとどうでしょうか?

尊徳が言う「たらいの水」とは「幸せ」のことなのかもしれません。

「幸せ」とは、追い求めるものではなく、いまの環境から「幸せ」を感じとり、そのうえで自分をとおして相手が「幸せ」を感じられるようにすることではないでしょうか?

そして、自分をとおして相手が「幸せ」を感じたとき、それが本当の「成功」と言えるのではないでしょうか。

まとめ

私たちは子供の頃から「幸せになりたい」と心のどこかで思っています。

しかし、「幸せとは何か?」を誰も教えてくれないから、いつまでたっても「幸せ」を追い求めてしまいます。

もし、日常の生活を「幸せと感じられる人」と鼻先の人参を食べないと「幸せを感じられない人」がいたら、どちらが人として「本当に幸せ」だと言えるのでしょうか?

そして、あなたが求める「幸せ」とは、どちらの「幸せ」なのでしょうか?

追い求める「幸せ」や「成功」よりも、いまから感じとれる「幸せ」や「成功」を大切にしたいと、私は思います。

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