いのちのバトンを受け継いでいく

    みなさん、こんにちは。

    心理カウンセリング空の関口です。

    いきなりですが、みなさんは昨日はどんな料理を食べましたか?

    カレーライス・ラーメン・パン・ファストフード・コンビニの弁当などなど、きっと人それぞれ色々な料理を食べられたことだと思います。

    では、私達が食べる色々な料理のなかでひとつだけ唯一共通していることがあります。その共通していることとはどんなことだと思いますか?

    答えはすべて「いのちあるもの」で作られているということです。

    私達は老衰や病気で死んだ動物の肉は食べません。また、枯れた野菜を食べることもしません。私達が食べる料理はどんな料理でも必ず”いのち”あるものを材料として作られています。

    今年もファームでは無農薬・合鴨栽培でお米を育ててきました。

    合鴨栽培は稲と合鴨が共に成長をしていく栽培方法です。

    田植えを終えた田んぼに合鴨のヒナを放します。田んぼの中をピヨピヨと泳ぐ光景はとてもかわいいものです。

    合鴨栽培

    しかし、稲が穂が実る8月中旬、大きく成長した合鴨も田んぼでの役目を終えます。

    そして、稲刈りを終え新米が食べられるころ、大人になった合鴨は、私達が食べる鴨肉となります。

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    この合鴨を締め鴨肉するる作業は毎年色々と考えさせられます。

    人間の都合で田んぼに合鴨のヒナを放し最後はそれを食べてしまう。きっと、かわいそうで残酷なことだと感じる人が多いことでしょう。

    でも、かわいそうで残酷だという前にもっとよく考えてほしいことがあります。私達が食べるものすべてが「いのちあるもの」であることを

    冬になると、葉がギュッと締った甘くておいしいキャベツが収穫できます。

    では、なぜ葉がギュッと締ったキャベツがおいしいのでしょうか?

    そもそも、なぜキャベツは葉をギュッと締めるのでしょうか。答えは”自らの花を咲かせ実(種)をつける”ためです。

    葉がまるまったキャベツを畑に置いておくと、やがて葉を突き抜けて芽が出てきて、”きれいな花を咲かせます”キャベツがギュッと葉を締めるのは、これから新しい芽を出すための最終準備段階です。

    キャベツを人間に例えるならば、色々なことを学んで、さあこれから社会に出よう!というようなときに、美味しい時期だからいのちを絶たれているようなものです。

    もしかしたら、葉が締ったキャベツを私達が美味しく感じられるのは、キャベツのいのちとしてエネルギーが一番高い時期だからではないでしょうか。

    大根も人参もジャガイモも新しい芽を出し花咲かせ実(種)をつけるために必要な栄養分です。お米は来年の新しいいのちへの種です。

    私達人間は動物や野菜の生きている「いのち」をいただくことで自らのいのちを継続させています。

    だから、私達は食事をいただくときに「いただきます」と感謝の気持ちを言葉で表わします。

    でも、食べることに困らない飽食な現代では一応「いただきます」と言葉にはするけど、果たしてその言葉にどこまで感謝の気持ちを込められているのでしょうか。

    本当にかわいそうで残酷なこととは「日々いただいているいのちを人間が実感できていない」ことではないでしょうか。

    いつでもどこでも食べられることがあたりまえだから、生きていられることもあたりまえのことになってしまう。

    生きることがあたりまえになるから、簡単に誰かのいのちを傷つけたり奪ってしまう。

    でも、私達人間同士がそんなことをするため、自然界の動物や植物は私達にいのちを提供してくれているのでしょうか?

    仏教のひとつである禅宗には食事の前に唱える五観の偈(ごかんのげ)があります。

    【五観の偈】

    私達は他のいのちをいただくことで自らのいのちをつないでいます。

    多くのいのちをバトンを受け継いで今日まで生きてこられ、そして、こらからも生きていきます。

    だから、いただくいのちへの感謝と、いただくいのちの分まで自分のいのちを活かすことを心に込め「いただきます」と祈ることが、飽食の現代には必要なことではないでしょうか。

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