劣等感はありたい自分を教えてくれるもの

みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口です。

悩んでいる方のお話を聴いていると劣等感がテーマとして話題になります。

自分は何をやってもダメ、人と会うと自分をみじめに感じてしまう。きっと、誰もがそういう気持ちを持っていると思います。

私もうつ病を患い家から出ることができなかった当時は劣等感のかたまりでした。

スーツを着て働くサラリーマンをみて、スーパーで働いている人をみて、毎日、保育園に通う子どもをみて、普通に働き生活できる人をみてると、それが出来ていない自分はいつも劣等感を感じ、その劣等感から外に出ることができませんでした。

だから、当時の私は劣等感なんてなければ人と自分を比べる必要もなく、もっと楽に自分らしくありのままに生きられるのに・・・と思い悩み続けていました。

しかし、自分にとって劣等感は必要であるものに気づいたことで、劣等感を活かしていこうと考えるようになりました。

今日は劣等感の活かし方について書いていききます。

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人間だけが感じてしまう劣等感

ファームには猫やひつじ、合鴨やにわとりなど様々な動物がいます。動物たちはいつもホノボノと暮らしています。動物たちには劣等感なんてものはなく自分と何かを比べることはしていないでしょう。

ひつじに劣等感を感じている猫がいなければ、合鴨に劣等感を感じている鶏もいません。きっと人間以外の生き物は、過去の私が望んだように、劣等感はなく自分らしくありのままに生きていることでしょう。

最近、ありのままに自分らしく生きるために、他人と自分を比べることがよくないと言う方がいますが、私はその考え方は少し違うと思います。

なぜ、自然界の動物の中で人間だけが劣等感を持ってしまったのでしょうか?、もしかしたら、劣等感は人間が人間であるために必要なのではないでしょうか。

実は、劣等感に問題があるのではなく、劣等感の感じかたに問題があるのです。

劣等感を感じる人は誰ですか?

質問です。

自分と生まれたての赤ちゃんと比べて劣等間を感じますか?、98歳のご老人と比べて劣等感を感じますか?

きっと、赤ちゃんやご老人と自分を比べても劣等感を感じることはないと思います。

では、赤ちゃんも老人も同じ人間なのにどうして劣等感を感じられないのでしょうか。

それは、自分とかけ離れた人と自分は比べないからです。

では、みなさんが劣等感を感じる人はどんな人ですか?

もしかしたら、自分の身近にいる人で少し自分よりも何かが出来る人ではないですか?

自分より少しコミュニケーションが上手な人、自分より少し仕事が出来る人、ちょっと自分より何かうまくいっている人と比べていませんか?

では、なぜ少しうまくいっている人と自分を比べて劣等感を感じてしまうのか?

それは、そのような人に「自分はなりたい」と心のどこかで思っているからです。

私が劣等感を感じていた本当の理由

うつを患っていた私が、普通に働いている人や毎日保育園に通う我が子に劣等感を感じていたのは、自分が普通に働くことも外に出来ることもできなかったからです。(自分も同じように出来ていれば劣等感を感じる必要はありませんよね。)

そして、ここからがポイントですが、私が劣等感を感じたのは「普通に外に出ていきたい、また社会で働きたい」と心のどこかで望んでいたからです。

人はありたい自分を姿を心に描くから、そうでない今の自分の姿に劣等感を感じるのです。

そして、そうでない自分に劣等感を感じたときに、そうでない今の自分自身を否定して歩みを止めてしまうのです。

当時の私には劣等感の自己矛盾が存在していました。その矛盾とは、ありたい自分の姿を心で描いておきながら、そうでない自分に劣等感を感じて、今の自分自身を否定して自ら動かないという矛盾。実はこの自己矛盾が一番の苦しみでした。

劣等感はありたい自分を教えてくれる

私は劣等感の自己矛盾に気づきました。そのとき劣等感には二つの選択肢があることに気づきました。

ひとつは”ありたい自分をあきらめる”、もうひとつが”ありたい自分になる”というものです。

もし、当時の私が「外に出ることをあきらめて、もうこのまま家の中で生活をしていこう」と選択をしていれば、ありたい自分をあきらめ、劣等感の苦しみからは解放されたと思います。しかし、その選択は、私も猫やひつじと同じような生き方をするということで、それでは人間らしくないと思いました。

だから、私は覚悟を決めました。”ありたい自分になると”。そしてそのための1歩を自らの足で歩みはじめ今に至ります。

今の私にも劣等感はたくさんあります。でもその劣等感はありたい未来の自分の姿を教えてくれています。だから、私は劣等感を感じたときこそ、よし今日も頑張ろうと思えます。

劣等感は今落ち込むためのものではなく、ありたい自分を教えてくれるものです。

もし、誰かに劣等感を感じたときは、自分が劣等感を感じたことを紙に書き出してみてください。

その書き出されたことをあなたは心がどこかで望んでいるはずです。

その人になるのではなく、その人のような自分を目指すこと

劣等感について補足説明をしておきます。

劣等感を感じて紙に書き出したとき、すべて書き出されたことが正しいとは限りません。
なかには”自分らしくないこと”や”無理な自分”が出てくることがあります。

例えば、”誰からも好かれるようになりたい”などは、人はそれぞれ好き嫌いの基準が違うので”誰からも好かれる”ことは無理な思いです。

そのような思いの場合は”ありたい自分をあきらめらめることも時には必要です。”紙に書き出されたもの中からひとつやふたつ、心から自分はこうなりたいと思うものだけを大切にしてください。

また、劣等感を活かすためには、自分がそうのような状態を目指すということです。

ってもその人になろうとしないでください。猫はひつじにはなれません。自分が自分としてありたい自分を少しずつ日常の中で演じていけば、やがて、ありたい自分が今の自分になっています。

まとめ

劣等感という言葉を聞くとマイナスのように感じるものですが、捉え方を変えてみるとプラスの要素があるものです。

人生に起こる物事を考えるときに大事なことは、人生からマイナスの事を無くすのではなく、マイナスの事をプラスに変えて見えるようにしていくことだと、私はうつを経験してから思うようになりました。

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