やるべきことを後回しにしていませんか? ― 弁論家デマデスの教えより

カウンセリングSORAの関口です。

これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。

人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。

そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながら、1日1文のブログを綴っています。

しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。

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今日の言葉

イソップ寓話より引用

弁論家デマデス
弁論家デマデスがある時アテナイで演説をしていたが、聴衆が少しも身を入れて聞かないので、ひとつイソップの寓話を語らせてほしいと頼んだ。
同意が得られたので語り始めて言うには、 「デメテル女神と燕と鰻が道連れになった。川の辺りにさしかかった時、燕は空へ飛び上がり、鰻は水に潜った」デマデスはこれだけ言って黙りこんだ。
すると皆が、「デメテルはどうなったんだ」と尋ねるので、答えて言うには、「お前たちに腹をたてていなさるのだ。国の問題をほったらかしにして、イソップの寓話なんぞを聞きたがるのだから」 このように人間の場合でも、しなければならぬことを等閑にして快楽を選ぶのは、考えの足りない人だ。

【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

今すべきこと と 快楽の選択

弁論家デマデスの寓話には、2つの捉え方ができるように思います。

ひとつは、デマデスの演説がつまらなかったために聴衆が身を入れて聴かなかったという点。もうひとつは、「今しなければならないことを後回しにして快楽を選んでしまう」という姿勢です。

この寓話の内容は、どちらも今の日本社会の一面を映しているように感じます。

なかでも今回は、「今しなければならないことをせずに快楽を選ぶ」という視点について考えてみたいと思います。

現在、電車内を見渡すと、ほとんどの人がスマートフォンに没頭しています。

もちろん一人ひとり内容は異なるでしょうが、多くの人が動画やゲームを楽しんでいるように見受けられます。

息抜きとして、動画やゲームを楽しむこと自体は良いことです。

しかしながら、本来すべきことを放置して、現実逃避の手段としてスマホに頼ってしまうと、「やるべきことを軽視して快楽を選ぶのは、思慮の足りない人である」という寓話の教えに重なるようにも思えます。

人は誰しも意志が弱く、今すぐやるべきことよりも、動画やゲームといった手軽な快楽に流れてしまいがちです。

一方で、「すべきこと」を放置し続ければ、後々の人生に影響を及ぼすこともまた、私たちは心のどこかで理解しているのではないでしょうか。

スマホ時代の今、私たちは日々、「やるべきことに向き合うか、それとも快楽に流されるか」という選択を迫られているように感じます。

イソップ寓話集 の「弁論家デマデス」を読んで、そんなことを感じました。

今日の問いかけ

「やるべきことと快楽、どちらを選んでいますか?」

私たちは毎日のように、大小さまざまな選択をしています。

その中には、「今すぐやるべきこと」と、「今すぐ楽しめること」のどちらかを選ぶという場面が必ずあるのではないでしょうか。

たとえば…

  • 明日の準備をするか、もう一本動画を見るか。
  • 苦手な連絡を今済ませるか、先延ばしにして気分転換を優先するか。
  • 未来のために学ぶか、今日の疲れを癒すためにただ過ごすか。

どちらが良い悪いという話ではありません。

問題は、「選ぶときに何を基準にしているのか」「その選択を繰り返した先に、どんな自分が待っているのか」に目を向けることです。

「あなたは、今、どんな選択をしていますか?」

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