
カウンセリングSORAの関口です。
これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。
人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。
そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながら、1日1文のブログを綴っています。
しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。
今日の言葉
イソップ寓話より引用
42)農夫と息子たち
死期の迫った農夫が、息子たちを一人前の農夫にしたいと思って、呼び寄せてこう言った。
「倅たちや、わしの葡萄畑の一つには、宝物が隠してあるのだぞ」 息子たちは父親の死後、鋤や鍬を手にとって、耕作地を隅から隅まで掘りかえした。
すると、宝物は見つからなかった代わりに、葡萄が何倍もの実をつけた。
人間にとって、苦労こそが宝物だと、この話は説き明かしている。
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
人間にとって、苦労が宝物なのか。
この寓話を読んで、「息子たちは本当に、実った葡萄が何倍にも増えた畑を見て喜んだのだろうか」と思いました。
もし彼らがただ宝物だけを欲しがる強欲な心を持っていたなら、葡萄が実っても、宝物が見つからなかったことで「父に騙された」と感じ、恨みに思ったかもしれません。
しかし、もし物事の本質を理解し、「畑を耕すことで葡萄は何倍にもなる」という教えこそが父の遺した本当の宝だと気づいたならば、彼らは父を深く尊敬したことでしょう。
寓話の中では、息子たちの心情までは描かれていませんが、彼らはどのような思いでその畑を見つめていたのでしょうか。
イソップ寓話は、「人間にとって、苦労こそが宝物である」と教えています。
しかし、苦労すること自体が目的なのではありません。
大切なのは、苦労を通じて得られる実り、それこそが本当の宝物なのです。
このことを理解しているかどうかで、苦労に対する感じ方やその意味は大きく変わるのだと思います。
イソップ寓話集 の「農夫と息子たち」を読んで、そんなことを感じました。
今日の問いかけ
「今の苦労の中にある宝(気づき)はどんなことですか?」
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