自分のために相手に譲ろう

    みなさん、こんにちは。

    カウンセリングSORAの関口です。

    最近、自己中心的な人が増えていると感じています。

    自己中心的な人は自分の主張ばかりを通そうとするため、周囲との対立や問題が絶えません。

    そして、問題の原因を「他人のせい」にすることで自己を省みる機会を失い、さらに自己中心的な傾向が強まっていきます。

    現代の日本社会は、このような状況に陥っているのではないでしょうか。

    しかし、人生を安定した心で生きていくには、自己中心的な考えではなく、他者を優先する心構えが必要だと感じます。

    今日はそのことについて書いていきます。

    目次
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    自分のために相手に譲ろう

    まず最初に中国の処世訓『菜根譚』の一節をご紹介します。

    菜根譚より引用

    前段35) 譲る心がけ
    人の心は実に軽薄で変り易く、世渡りの道は山道のようにけわしいものである。それで、極めて困難な世渡りの道をうまく渡るにはどうすればよいか。それは謙譲の徳を守っていくことである。たとえば、容易に通れない難所に出会った場合には、まず自分から一歩退いて人を先に行かせるようにしなければならないし、また容易に通れる処であっても、十のうち三分だけは、人に譲る工夫をしなければいけない。 そのように、一歩を退き三分を譲るということが世渡りの秘訣というものである。
    【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】

    菜根譚では「一歩を退き三分を譲るということが世渡りの秘訣」と説いています。

    私は日々「自分から先に譲る」ことを意識して実践しています。

    狭い道で人や車とすれ違うとき、「どうぞ」と道を譲ります。

    レストランのレジやドリンクバーで他のお客様と動線が重なったときも、「お先にどうぞ」と譲ります。

    そのために、常に周囲の状況を観察しています。

    相手に譲るのは、親切心からでも相手のためでもありません。自分のために譲るのです。

    この「自分から先に譲る」実践を通じて気づいたのは、生活面でも仕事面でも人との感情的な衝突が減ることです。

    さらに、譲った後はほとんどの場合、相手から「ありがとうございます」というお礼の言葉をいただけます。

    反対に、「自分が中心」という考えにこだわるほど、人との感情的な衝突が増え、「ありがとう」どころか、口論や反感を買う結果になりかねません。

    「自分から先に譲る」を実践する際の要は「自分のために譲る」という心構えです。

    相手のために譲ると、どうしても感謝を期待してしまいがちです。

    しかし、自分のために譲っているにもかかわらず、結果として相手から「ありがとうございます」と言われることに、心が自然と喜びを感じるのです。

    自己中心的な社会であるほど、自分のために先に譲ることを実践することで、安定した心でいられるのだと思います。

    まとめ

    人間は一人一人、考えも価値観も異なります。これは家族間でも例外ではありません。

    私たちは異なる価値観を持つ人々と共に社会で暮らしているため、自己中心的な態度を取れば必ず衝突が生じます。

    このような違いを受け入れ、相手に先に譲る実践は、一種の修行かもしれません。

    しかし、先に譲ることが自然な行動として身についたとき、自分自身の心が安定していくことに気づくはずです。

    人間の真理は、菜根譚が書かれた時代から現代に至るまで、変わることはないのです。

    ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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