競争心と向上心のちがい

みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口剛史です。

以前、Aさん(20代|女性)より「彼氏ができないことで悩んでいる」という相談を受けました。

しかし、Aさんの本当の悩みは、競争心が優位になり自分を見失っているところにありました。

心には競争心と向上心があります。

この心のちがいを理解しておかないと、自分を見失うことになります。

今日は「競争心と向上心のちがい」について書いていきます。

目次
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競争心と向上心のちがい

まず、辞書で競争心と向上心の言葉の意味を調べてみましょう。

競争心

他と競争して勝とうとする心。競争意識。

~大辞林より引用~


向上心

自分の能力・性質などをより優れたものにしようとする心

~大辞林より引用~

他者と競争する競争心。自分を高める向上心、2つの心のちがいを理解していないと、自分を見失うことになります。

競争心が優位になると心を見失う

競争心は、他と競争して勝とうとする心。

Aさんは「彼氏ができない」ことで悩み落ち込み、カウンセリングに申し込みました。

詳しいお話を聞かせていただくと「友人に彼氏ができたのに、私に彼氏がいない状況が苦しい。だから、彼氏をつくるためにはどうすればいいのか、私はコミュニケーションが下手だから、心理学を学んでコミュニケーションを改善すれば彼氏ができるのでしょうか」という相談内容でした。

Aさんは学生の頃、進学校でいつも上位の成績をキープしていたそうですが、試験の度に不安や恐れを感じていたそうです。

その恐れや不安は学校卒業と同時に消えて「もう大丈夫」と思っていたのに、友人に彼氏ができたことで、学生時代の試験のときと同じような気持ちに戻ってしまったとのこと。

もし、Aさんが心理学やコミュニケーションテクニックを学び、友人に勝つために彼氏をつくったとしても、次に彼氏の学歴とか年収とかで友人の彼と比べることになり、Aさんの不安や恐れは増幅することになります。

競争心が優位になると、常に他者と勝負をします。仮に勝負に勝てたとしても、すぐに次の競争相手を見つけて勝負を挑む。それはゴールなきレースを走っているようなもので、どんどん心は疲弊していきます。

また、他者との比較や競争の結果で自分を見ることになり「自分はダメだ」と思ったり「本当はどうしたい?」が見えなくなったりします。

Aさんの本当の悩みは「彼氏ができないこと」「コミュニケーションが下手なこと」ではなく、他者との比較・競争心が優位になり自分を見失い、本当の気持ちを感じ取れていないことにありました。

よって、まずはこれまでの競争心に気づいたうえで、本来の自分を取りもどしつつ、競争心から向上心へ切り替えていくことが、カウンセリングのテーマとなりました。

向上心が優位になると心が育つ

向上心とは「自分は心からこうしたい」という気持ちを実現していく心。

今できないことが、いつかできるようになること、昨日の自分よりも今日の自分が少しだけ身体的・精神的に成長していくこと。

例えば、自転車に乗れない子供が何度も痛い思いをして練習を繰り返した結果、自然と乗れるようになるのは向上心があるから。

向上心が優位になると、自分の成長を感じられるようになり、それが自信や自分の軸となります。また、新しいことも「できなくてもやってみよう!」という前向きな気持ちになります。

Aさんは、競争心から向上心に切り替えるために、他者との比較・競争ではなく「本当の自分はどうしたい?」を見つめ直しました。その結果「希望の職種に就いて人に貢献したい」という向上心が見つかりました。

次に「その職種に就くためにできそうなことは?」を考え行動プランを作りました。

そのプランの中には「友人に勝つこと、彼氏がほしい」などの項目は一切入っていませんでした。

向上心は目的で、競争心は手段

ここまで「競争心の問題点」と「向上心の利点」を書いてきたので、もしかしたら「競争心は不要だ!」と感じた方もいると思います。

しかし、競争心も人間にとって大切な心です。もし、競争心がなかったらスポーツは成り立ちません。他者よりも良い結果を出すためには競争心を持つことも大切なことです。

競争心が問題になるのは、競争に勝つことを目的としてしまうから。

逆に、向上心を目的として、競争心をうまく使うことで「良きライバル」が見つかり、自分自身を高めるモチベーションになります。

向上心は目的で、競争心は手段です。

この向上心と競争心のちがいを意識しておくことで、向上心優位で物事に取り組めるようになると思います。

「劣等感を克服する方法」ブログでも、競争心や比べる心理について、詳しく書いておりますので、そちらもご参考ください。

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まとめ

その後、Aさんは他者との比較ではなく、自分の心を育てるために「昨日より1歩進んだ今日の自分」を意識していくようになりました。

その結果、Aさんは競争心から向上心が優位になり、コミュニケーションでも悩まなくなったそうです。それは、他者を競争相手ではなく、心を育てるための協力者として見られるようになったからです。

きっと、Aさんが自分の納得のいく目標に向けて日々の行動を積み重ねていくことで、Aさんにふさわしい彼に自然と出会えるのではないでしょうか。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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