葉っぱが落ちる謎~部分で見るか全体で見るかの違い~

みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口剛史です。

少しずつ秋深くなり木々の彩りもきれいな季節になりました。

先日、NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」で「葉っぱが落ちる謎」というテーマで、木が葉を落とす仕組みが紹介されていました。

興味があり見ていたのですが、とても残念な内容でした。

最近、話を面白くするためや自分の主張を優位にするために、全体を見ないで都合のいい部分だけを切り取って伝えるものが多いのようですが「葉っぱが落ちる謎」も同じでした。

今日は「葉っぱが落ちる謎」を参考にして「部分で見るか全体で見るかの違い」について書いていきます。

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木は自分を守るために葉っぱを落とす?

チコちゃんに叱られるでは、木が葉っぱを落とす理由を業績不振の会社に例えて伝えていました。木が会社で葉が社員です。

日が長くなる春、会社はこれから成長するため多くの社員を雇う(木は葉を出す)。

日差しが強い夏、会社は1番のかき入れ時。多くの社員が会社のために一生懸命働く(木はたくさんの葉を茂らせ光合成する)。

日が弱くなる秋、会社の利益が減りはじめる。これからの厳しい冬に備えるために、不要になった社員をリストラする(木は自分を守るため葉っぱを落とす)。

葉が枯れる理由として、木が葉っぱへの給水を遮断するため、葉は枯れて落ちると説明。

結論として、業績が悪化した企業が社員をリストラするように、木は自らが生き残るために葉っぱを落とすと放送していました。

でも、本当に木は自らが生き残るためだけに葉を落とすのでしょうか。

木が葉っぱを落とす理由

確かに、秋に木が葉を落とすのは、冬を乗り越えるためだと思います。

しかし、木は自分を守るためだけに葉を落としているのではありません。

地面に落ちた葉は、土と混ざり自然発酵することで栄養価の高い腐葉土になります。

秋に、木が葉への給水を止めて枯らすのは、地面に落ちた葉が水分多量で腐らないようにするため。

葉が自然発酵し腐葉土となり、その栄養が地にしみ込み、木の根が吸収する。そして、春に新たな息吹を迎える。

自然界は、全体性で成り立っており、絶妙なバランスですべてが循環するようにできています。

木は、自らが生き残るために葉を落とすのではなく、生命の循環を回すために葉を落としているのではないでしょうか。

部分で見るか全体で見るかの違い

多くの子供たちが見る「チコちゃんは叱られる」で、業績悪化した会社が社員をリストラするように、木は自らが生き残るために葉っぱを落とすと伝えたら、それを見た子供たちはどう感じるのでしょうか。

木は自分勝手だと思うかもしれない、大人になって会社のために頑張ってもリストラされると思うかもしれない。

木は自分を守るために葉を落とすと部分で見れば「自分を守るため」という結論になるかもしれません。

しかし、落ちた葉が腐葉土となり春の栄養になると全体で見れば「循環している」という結論になります。

物事を部分で見るか全体で見るかで、結論は大きく変わります。

せめて、子供達が見る番組では、正しい情報で希望が持てる全体的な情報を伝えてほしいものだと、放送を見ていて強く思いました。

まとめ

最近は部分だけを切り取って、都合のいいように結論を伝えようとする情報で溢れています。

そして、その結論だけを見て、良いとか悪いとか評価する人も増えています。

何が正しくて何が間違いなのか、それを知るためには全体を理解し、どんな基準で結論を導いているのかを明確にしておかないと、誤った情報を信じてしまったり、曖昧な情報で一喜一憂してしまったりします。

でも、誤った情報で、一喜一憂したり悩んだりするのは無駄ですよね。

情報を見聞きするときは、その情報が部分的なのか全体的なのか、どんな意図を伝えようとしているかなど、1度情報を疑い自らで考えることで情報リテラシーは高まり、無駄な悩みは少なくなるのだと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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