怒りの種を育てない

    みなさん、こんにちは。

    カウンセリングSORAの関口です。

    先日、男性と女性の2人組が口論を始めました。

    この光景を見たとき「お互いが心の中で怒りの種を育てなければ、よかったのに…」と感じました。

    今日はその光景を見て感じたことについて書いていきます。

    目次
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    怒りの種を育てない

    とある日、狭い歩道を会話しながら横並びで歩く女性の2人組がいました。

    その前方から1人の男性が歩いてきました。

    男性も女性も互いを避けることなくぶつかってしまいました。

    2人組の女性は「痛い」と声を上げ、男性は「横並びで歩いているお前らが悪い」と激怒しました。

    2人組も素直に謝罪すればよかったのですが、「わざとぶつかることはないでしょう。警察呼びますよ」と反論し、そこから口論が始まりました。

    男性は道を塞いで横並びで歩いていたことに怒り、女性2人組は意図的にぶつかってきたことに怒りを感じていました。

    双方の怒りのポイントが異なるため、口論は堂々巡りとなり、怒りは膨らむ一方で、どちらかが折れるまで議論が続いていたことでしょう。

    最近、このような自分勝手同士の口論をよく見かけます。

    もし男性が「道を開けてください」と言えていれば、すぐに女性2人組も道を譲ったでしょう。

    また、2人の女性も男性が近づいてきたときに「気づきませんでした。申し訳ございません」と素直に謝り道を開ければ、男性もそこまで怒らなかったはずです。

    どちらも自省せず、怒りを感じたときにその感情を優先させるから、小さな怒り感情が肥大化していき、些細なことで口論し時間もエネルギーも費やすことになるのです。

    心の中で怒りの種を感じたときは、自分が何に対して怒りを感じているのかを明確にし、必要であれば怒りのポイントのみ相手に伝えれば、怒りの種は自然と消え去るものです。

    心の中で怒りの種を育てないことが、アンガーマネジメントの秘訣だと思います。

    相手に怒らされているのではなく、自分が怒っているだけなのですから。

    最後に「ヘラクレスとアテナ」の寓話をご紹介します。

    ヘラクレスとアテナ
    喧嘩や争いが大損害の因になることは誰の目にも明らかであるということ。 ヘラクレスが狭い道を歩いていると、地面に林檎のようなものが落ちていた。踏み潰そうとしたところ、そいつは二倍の大きさになったので、いっそう強く踏みつけ、棍棒で殴りつけた。そいつはますます膨らみ、道を塞ぐばかりになったので、ヘラクレスが棍棒を投げ捨て、呆気にとられて立ちつくしていると、アテナ女神が現れて言うには、「兄弟よ、止めるがよい。それは敵愾心であり争いであるのだ。相手にならずに放っておけば元のままだが、揉み合うほどに、こんな風に膨れあがるのだ」
    【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

    まとめ

    最近は、自分勝手同士の口論をよく見かけるようになりました。

    どちらも自分勝手で「譲ること」を知らないから、すぐに口論になってしまいます。

    時間とエネルギーを浪費しても結論も合意もできず、無意味に終わることでしょう。

    個人的には、何かでぶつかりそうになったときは先に譲るようにしています。

    それは相手のためでもあるのですが、自分のエネルギーを浪費しないという結果にもつながるのです。

    怒りの種は「相手にならずに放っておけば元のままだが、揉み合うほどに、こんな風に膨れあがるのだ」だから。

    ここまでお読みいただきありがとうございました。

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