みなさん、こんにちは。
心理カウンセリング空の関口剛史です。
もうすぐ春ですね。公園の桜のつぼみも大きくなってきました。
四季が冬から春に大きく変わるよう、私たちの社会も卒業や入学、組織変更や人事異動、社会人に向けた就活のスタートなど、未来に向けて大きく変化する春です。
新しい変化に対して、ワクワクや期待が高まる反面、ドキドキと不安も大きくなりますね。
そこで、変化の春が近づいているこの時期に、二宮金次郎の「積小為大」についてご紹介します。
積小為大~できそうなことからはじめてみよう~
積小為大(せきしょういだい)
爺のことばに、大きなことをしたいと思えば、小さな事を怠らず勤めるがよい。
小が積もって大となるからだ。
およそ小人の常として、大きな事を望んで小さな事を怠り、できにくいことに気をもんで、できやすいことを勤めない。
それゆえ、ついに大きな事をしとげられない。
それは、大は小の積んで大となることを知らないからだ。
たとえば、百万石の米と言っても粒が大きいわけでない。
一万町歩の田を耕すも、一くわずつの手わざでできる。
千里の道も一歩ずつ歩いて行きつくのだし、山を作るにも一もっこの土を重ねてゆくのだ。
この道理をはっきりとわきまえて、精を出して小さな事を勤めてゆけば、大きな事は必ずできあがる。
小さな事をいい加減にする者は、大きな事に決してできぬものだ。
引用 二宮翁夜話(上) 発行:一円融合会刊 原著:福住正兄
小さな種を蒔いてみよう!
季節が冬から春に変わるよう、私たちの社会も、春は大きく変わる時期です。
今までの一緒に過ごしてきた仲間との別れや新しい仲間との出会い、新たな目標や活動など、新しいことがはじまる春。
きっと、新しい変化に向けて、「期待」と「不安」が心の中で葛藤している人も多いのではないでしょうか。
基本的に、人間は頭で「変わりたい」と考えていても、心で「変わりたくない」とも思っています。
頭で新しい変化を「期待」しながら、心では新しい変化に「不安」を抱きます。
このとき「期待」よりも「不安」が大きくなると、心が落ち込みはじめ、やがて動けなくなってしまいます。
そんなときに、二宮金次郎の「積小為大」の言葉を思い出してください。
春、あなたの手元に数粒の米粒があるとします。
秋に米粒を増やしたいと思うのであれば、春に米粒(種)を蒔く必要があります。
このとき、「私にできるかな」「無事に芽がでるかな」「成長するかな」と不安を抱くと、種を蒔くのが怖く感じます。
確かに、種を蒔いたても無事に発芽して成長するとは限りません。時には失敗することも、恥をかくこともあります。
種を蒔かないことで、今の数粒を維持することはできます。今までの自分を保つこともできます。
しかし、勇気を出して種を蒔かなければ、未来はなにも変わりません。
秋に実りを得るためには、春に種を蒔くのが自然界の道理です。
この道理は、私たちの心にも存在します。
新しい変化のときに、誰もが不安を抱きます。
でも、今年の春は、少しだけ勇気を出して小さな種を蒔いてみよう。今の自分にできそうなことをやってみよう。
春の数粒の米が、秋に数千粒の米に変わるように、あなたの心にある小さな種が、これからのあなたの可能性になるのだから。
まとめ
二宮金次郎は、飢饉に苦しんでいた村人の心を立て直し、数多くの村を復興させました。
二宮金次郎が村人の心を立て直す際に語ったひとつが「積小為大」です。
きっと、当時の村人も「大きな事を望んで小さな事をせず、できにくいことに気をもんで、できやすいことしない」で「私たちには無理です」と言っていたのではないでしょうか。
そう考えると、今も昔も人間の心は、なにも変わっていません。
だからこそ、変化が激しい現代の私たちにも「積小為大」の考え方が大切だと私は思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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