心のゴールキーパー

みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口です。

私には小学6年生の息子がいます。

息子は1年前からサッカーをはじめ、地元にサッカークラブに所属しました。

彼のポジションは「ゴールキーパー」です。

ゴールキーパーの役割は、相手が放つシュートからゴールを守ること。

ゴールに向かって飛んでくる強烈なシュートを、ゴールキーパーは「キャッチング」や「パンチング」をしてゴールを守ります。

息子のゴールキーパー姿を見ていたとき、ゴールキーパーもコミュニケーションも一緒だなと感じました。

今日は「心のゴールキーパー」と題して、自分に向かってくる言葉への対応方法について書いていきます。

目次
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ゴールキーパーの役割

ゴールキーパーの役割は、相手が放つシュートからゴールを守ること。

サッカーゴールのサイズは、小学生では横幅5m×高さ2.15m、中学生以上になると横幅7.32m×高さ2.44mもあります。

ゴールに向かって飛んでくる相手の強烈なシュートを、ゴールキーパーは「キャッチング」や「パンチング」などでゴールを守ります。

ゴールキーパーとしての理想の守備は、相手のシュートを「キャッチング」すること。

ボールをキャッチすることで、守備から一転してゴールキーパーから攻撃を組み立てることができます。

しかし、相手が放つシュートのパワーが100だとしたとき、100のパワーがあるボールをキーパーがキャッチングするには、飛んでくるボールに対してポジショニング(立ち位置)が良くないと、ボールを受け止めきれません。

シュートに対してポジショニングが間に合わない場合、キーパーは「パンチング」でボールをゴール外に飛ばします。

相手が放ったシュートを、キーパーが「パンチング」することで、飛んでくるボール角度を変えてゴールを守る。

相手のシュートのパワーが100だとすると、キーパーは5のパワーでパンチングし、95のパワーをゴール外に受け流します。

相手がシュートを放ったとき、

ボールを「キャッチング」で受け止めるのか?

それとも「パンチング」で受け流すのか?

ゴールキーパーとしての判断が問われる瞬間です。

私たちのコミュニケーションも言葉というボールの交換です。

相手から放たれる言葉というボールをどう対処するのか、ゴールキーパーのような判断が私たちも問われています。

言葉のキャッチボールとドッジボールの違い

私たちのコミュニケーションも言葉というボールの交換です。

気の合う友人や同僚とのコミュニケーションは、心地よい言葉のキャッチボールができるので、お互いが受け止めあいながら何も考えずに楽しく言葉を交わせます。

キャッチボールのコミュニケーション状態のときは、相手が放つ言葉を受け止めるとか受け流すなどを意識する必要はありません。

しかし、パワハラ上司やすぐに感情的になるような人とのコミュニケーションはそうはいきません。

感情的になる人が放つ言葉はパワーがあるので、聞き手は言葉を受け止めることができず、言葉が心にまで突き刺さり落ち込むか、反論してドッジボールのような言葉のぶつけ合いになります。

そのようなコミュニケーション状態に陥ったとき、【聞き手側】が相手の言葉を受け止めるのか?・それとも受け流すのか?・自分の心を守るためにはどうするのか?を意識する必要があります。

相手のストレス発散のための言葉は受け流す

そもそも、私たちはなぜ言葉でコミュニケーションを交わすのでしょうか?

それは、自分の思いや考え、いま感じていることを素直に相手に伝えるため。

お互いがお互いの思いや考えを伝え合うことで、はじめてわかりあえるようになる。

それがコミュニケーションの本質。

しかし、最近のコミュニケーションは違います。

すぐに感情的になる人、些細の事で怒り出す人、パワハラ上司など、「自分よりも弱いものをいじめる心理」でも書きましたが、自分の中のストレスや抑圧された感情を自分よりも弱い人に暴力的な言葉をぶつけストレスや抑圧された感情を発散させようとする人がいる。

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その人達が発する言葉は「思いを伝える」ためのものではなく「ストレスを発散させる」ためのもの。

「ストレスを発散させる」ための言葉を聞き手がまともに受け止めると、聞き手側にどんどんストレスが溜まっていく。

聞き手側のストレスがたまり続けると、聞き手の心が折れるか聞き手側だった人が更に弱い人へ暴力的な言葉でストレスをぶつけていく悪循環に陥る。

あなたの周りにも「ストレスを発散させるため」の言葉をぶつけてくる人はいませんか?

「ストレスを発散させるため」の言葉を、聞き手がまともに「受け止める」と心が折れます。

そのような言葉には「伝える思い」も「意味」もないので、聞き手は「受け流す」方が得策です。

言葉の背景にある思いを意識する

では、「受け止める言葉」と「受け流す言葉」をどのように見極めればいいのでしょうか?

それは、相手が発する言葉の背景にある相手の思いを聞き手が意識することです。

例えば、あなたが仕事でミスをしたとします。

ミスをしたあなたに対して「A上司」は的確な指摘と今後につながるアドバイスを冷静に伝えてくれました。

ミスをしたあなたにとって、上司の的確な指摘は受け止めがたいものです。

しかし、それはあなたの今後を思っての指摘なので、そのような言葉は真摯に受け止めます。

一方、「B上司」は仕事のミスの指摘からはじまり、ミスとは関係のないことまで「怒り」の感情をつかって言葉をぶつけてきます。

このような言葉は、B上司の感情発散が8割入っていますので受け流すようにします。

「A上司」の言葉には「今後のあなたへの思い」があります。

一方、「B上司」の言葉には「怒りを使って自分のストレスを発散させたい」という思いがあります。

要は、話し手が発する言葉が「誰かを思っての言葉」なのか、それとも「自分のストレス(内圧したエネルギー)を解放させるための言葉」なのかの違いです。

誰にだってストレスがたまること感情が高まることがありますので、あなたにとって大切の人のストレスを解放させるためにその人の話しを聞いて受け止めてあげることも大事なことです。

しかし、「自分のストレスを解放させる」ために常に言葉のボールをぶつけてくる人は、自分のストレスが溜まる度に言葉をぶつけきます。

聞き手側が、その言葉を受け流すことができないと、相手のストレスが自分のストレスになってしまいます。

コミュニケーションを大切にする人ほど、相手の話しをしっかりと聞こうとします。

しかし、そういう人ほど相手の話を聞いて自分が疲れ果てしまうものです。

相手が発する言葉の背景にはどんな思いがあるのだろうか?

それを意識しながら相手の話しを聞くことで、「受け止める言葉」なのかそれとも「受け流す言葉」なのかが判断できるようになっていきます。

自分の心を守るために「受け流す」手段をもつ

「怒り」でストレス発散をしてくるパワハラ上司、高まった感情をぶつけてくる感情的な人など、彼らのストレス発散のための言葉が「受け流す言葉」です。

では、職場などでパワハラ上司から「ストレス発散のための言葉」をぶつけられたら、具体的にどう対処すればいいのでしょうか?

状況によりいろいろ対処方法があるのですが、私が「ストレス発散のための言葉」をぶつけられたときによく使うのは「Aさんは、そう思われているのですね」と相手の言葉を受け流すようにしています。

「Aさんは、そう思われているのですね」は微妙な言葉の使い方で、Aさんが思っていることを理解はするけれど、私はそうは思っていないというニュアンスになります。

ただ、ここで大事な事は「ストレス発散のための言葉」をぶつけられたなと感じたとき、相手の言葉を心で受け止めないことです。

相手は自分のストレス発散の為に、あなたに言葉をぶつけてきます。

例えば、職場などであなたに「Aにしなさい!」と怒りながら指示したあとに、平気で「AじゃないBだ」と指示を変えてきます。

そういう人が発する言葉はAやBをあなたに伝えるものではなく、怒りやストレスをあなたにぶつけることが目的なのです。

ドッジボールのコミュニケーションに陥りやすい人は、自分の心を守るために「受け流す」手段をもちましょう。

あなたがストレスを受け止めてくれなくなったとき、相手の方から自然と離れていくものだから。

まとめ

ゴールキーパーとして上達するコツは、放たれたシュートに反応するのではなく、シュートが放たれる瞬間に、相手の立ち位置を見極めシュートコースを予測する。

そのうえで、シュートコースへ事前にポジショニングすることだそうです。

また、自陣に攻め込んできた敵にシュートを打たせないため、コーチングで仲間を動かすことも重要です。

コミュニケーションも一緒ですね。

キャッチボールのコミュニケーション状態のときは純粋に会話を楽しめばいいのです。

しかし、ドッジボールのコミュニケーション状態のときに、相手から放たれるパワーある言葉を聞いてその都度反応していたのでは、言葉が心に刺さり聞き手側が疲れ果ててしまいます。

「相手が発する言葉の背景にはどんな思いがあるのだろうか?」を意識しながら、飛んでくる言葉が「受け止める言葉」なのか、それとも「受け流す言葉」なのかを判断し、自分の心を守るポジショニング(立ち位置)を意識しましょう。

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