18.仕事に対するパラダイムシフト

みなさん、こんにちは。

心理カウンセリング空の関口です。

いま、企業の労働環境が問題になっています。

厳しい経済状況のなかで、企業は短期間で成果を求められるようになり、それぞれの仕事の環境にゆとりがなくなっているのが、現状ではないでしょうか。

私がIT企業で仕事していた頃も、そのような感じでした。

ITエンジニアだった私が、ITから真逆の農業に飛び込み、住み込みで農業体験をしたことで、いろいろなパラダイム・シフト(価値観の変化)が起きました。

そのひとつが仕事に対するパラダイム・シフトです。

今回は、私のうつ体験記として、仕事に対するパラダイム・シフトについて書いていきます。

目次
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仕事に対するパラダイム・シフト

前回の記事の続きです。

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いよいよはじまった、農家での3週間の住み込み農業体験。

「農業がうつ病になんの効果があるのだろうか?」と疑問に感じながら来たものの、実際に、自然の中で農作業を体験していくなかで、私は自分が「何も知らないこと」を知りました。

長年、ITエンジニアとして仕事してきた私にとって、農業での体験はすべての物事が新鮮で、今までとは違った価値観で物事を見始めるきっかけにもなりました。

そのひとつが「仕事」に対する価値観です。

農業は3K(キツい・汚い・危険)が伴う仕事です。

日中は外で畑の管理・収穫・出荷作業、夜は事務作業と、労働時間も長くその業務量の割には給料が低いと思います。

私がIT企業に在籍をしていたとき、日々残業の毎日でしたが、それでも、労働基準法に定められた労働時間内で、それなりの給料をもらい、残業になれば残業代がもらえる環境にいました。

だから、農業で働く人々を見たとき、「よくこの厳しい条件で仕事ができるな・・・」と最初は不思議に思いました。

なぜならば、当時の私は「労働内容+労働時間=給料」という価値観をもっていたからです。

その頃、農家さんに住み込みで農業研修をしていた若い女性がいました。

彼女も朝から晩まで、畑で仕事をしていました。

私は『よくこの厳しい環境で仕事ができるな・・・』と思っていましたので、彼女に「仕事は楽しいですか?」と聞いてみました。

すると、彼女は満面の笑みで「私この場所とこの仕事が大好きなんです。」と答えてくれました。

彼女の答えを聞いたとき、私は思いました。

給料とか労働時間とかに関係なく、「私この仕事大好きなんです。」と言えることは、すごいことだと。

私が所属していた会社には多くの社員がいました。

そのなかで「会社が好きで、この仕事をしています!」という人は皆無で、どちらかというと、「給料が安い、仕事がつまらない、楽しい仕事がしたい・転職したい」と訴えてくる人が多かったと思います。

3Kの仕事で労働時間が長く給料が低くても「私この仕事大好きなんです。」と満面の笑みで言える彼女。

それなりの待遇で給料をもらっているのに「給料が安い・仕事がつまらない」としかめっ面で不平不満を言って仕事をする人々。

仕事に対する捉え方の違いはどこにあるのだろうか?と疑問に感じたと同時に、これから私は、仕事に対してどのような姿勢で関わっていきたいのだろう?と考えるようになりました。

続きをまた書きます。

今の自分から当時の自分へひとこと

私が努めていたIT企業は、とても大きい会社で部署も社員数も多く、同じ部署以外の人はまったく知らないという人間関係で、同じ会社の仲間という意識があまりありませんでした。

また、2008年に発生したリーマン・ショックで大きな影響をうけ、当時の社内はギスギスしたムードでしたので、「給料が安い、仕事がつまらない、楽しい仕事がしたい・転職したい」と前職の人々が会社に対して訴えたい気持ちも理解できますし、私も会社に対して同じように不平不満を抱いていました。

でも、今振り返ってみると、会社に対して不平不満を抱いたところで仕事はなにも変わりませんでしたし、当時の私は、会社や仕事に対して受け身の状態だったため、うつ病になったとも思います。

3Kの仕事で労働時間が長く給料が低くても「私この仕事大好きなんです。」と満面の笑みで言える彼女と、それなりの待遇で給料をもらっていても「給料が安い・仕事がつまらない」としかめっ面で不平不満を言っている職場の人々の違いは何か?と考え続けたとき、ひとつの答えがみつかりました。

それが、その仕事に対して、自分がどれだけ「主体的な気持ちを持てるか」ということです。

彼女は、主体的・前向きなな気持ちで農業に取り組んでいました。きっと、そういう気持ちで農業に取り組んでいるから、労働時間や環境、給料についてもあまり気にならず、キツい仕事でも「この仕事が楽しい」と言えたのだと思います。

企業で仕事をしていると、自分がやりたいような業務に就けないことが多くあります。そういうときは、「こんなはずじゃなかった・・・」「もっといい仕事をしたいです!」と不平不満を言いたくなりますね。

でも、そういうときにこそ、自分が主体的な気持ちをもって、その仕事を取り組んでみることで、仕事の見え方が変わっていくと思います。

仕事を「労働内容+労働時間=給料」と考えてしまうと、「楽な仕事」をしたいと思います。

でも、仕事を、自分という存在をとおして、誰かにサービス(価値)を提供するもの、「自分の能力+提供するサービス=給料」で考えると、大事なのは、自分自身の能力を高めていくということになります。

そして、自分自身の能力を高めるためには、「楽な仕事」ではなく、どちらかというと「嫌だな」と感じる仕事の方が、結果的に自分を高めてくれるものです。

私も、いろいろな仕事を経験してきましたが、振り返ってみると「なんでこんな仕事を・・・」と思ったことの方が、いまの自分に活かされています、うつのときも農業体験もそのひとつです。

自分が主体的に仕事に関わる姿勢をつくることで、不思議と気持ちは「楽しく」感じます。楽しい仕事を探すのではなく、どんな仕事でも、自分が楽しく感じられるような姿勢を、自分自身で作り出すこと。これが、3週間の農業体験で、私の心の中で起きた、仕事に対するパラダイムシフトでした。

続きの記事はこちら

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